【R6.3.30】ダービー卿チャレンジトロフィーの予想

【傾向的には】

 基本的には内枠、先行有利な傾向の強い中山マイル。ダービー卿CTはBコース替わり初日ということもあって普通ならば先行馬の成績が良くなりそうなところですが、過去の結果を見てみると案外差が決まっている。
 近10年で行くと2020年のクルーガー、2019年のフィアーノロマーノ、2017年のロジチャリス、2014年のカレンブラックヒルが先行して勝利しているが、残りの6年は差してきた馬が勝利。完全に前に行った馬で決まった年は無く、先行した馬が勝ったとしても1.2頭は後ろから差してくる。
 なぜこのコースでここまで差が決まるのかと改めて過去のレースを見直していましたがシンプルに流れやすいレースであると考えて良い。Bコース替わり初週ということもあって騎手の意識的にも先行したい馬が多いということ、ハンデ戦ということもあり、条件戦を前目のポジションから勝利してOP入りした馬が多く出走してきやすいレースということも要因として大きいのかと思う。
 今年も例外ではなく、前走1着の馬は全て初角5番手以内と前目の競馬。更に前走重賞を走っている馬でも先行してきた馬がかなり多く、今年もペースが流れるのは避けられないのかなと思う。

【流れるレースで求められるのは】

 ペースが流れる前が苦しいレースを想定するならば、狙うべきはどういった馬かと考えるともちろん差馬……ではなく、前走で早いペース、レベルの高い追走を求められた馬を狙っていきたい。
 過去の傾向としても前走が東京新聞杯だった馬の成績が中々いいレースですが、東京新聞杯も開幕序盤で前有利傾向が残っている状態の東京で行われるレースかつメンバーもそろいやすいことからレベルの高い追走を求められることが多い、過去に好走した馬の前走ペースを確認してみても息の入らないタイトな競馬を経験してきた馬が多く好走しており、前走がハイペースじゃなかったとしても中距離実績があったり、G2、G1など高いレベルでの実績があったりと、普通ならば苦しいペースにも対応できるだけの下地が整っている馬が多い。
 今回のメンバーで見ると、求められた追走スピードがかなり高かったのがエエヤン、タイムトゥヘヴンが出走していた中山記念、稍重でありながら1000m通過が58.6とかなり流れた展開で、上がり最速がソールオリエンスの36.4と後方に構えた馬まで前頭苦しくなるようなタフなレースだった。
 あとはディオ、ラインベックが出走していた東風Sは前半3Fが34.6とまずまず早く、最後は前が苦しくなる展開でも押し切ったディオは今回のレースにも通じる適性を見せた。
 インダストリアが出走していたスワンSもG2の1400m戦らしく12秒台のラップが無いスピードレース。
 セルバーグの大逃げによりロンスパを求められた小倉大賞典も中々ハードな競馬だったといえると思う。
 その一方で例年ハイスピードになりやすい東京新聞杯が今年はそこまで早くない。多くの馬が早い上がりを記録する足が溜まりやすいレース展開で、例年のようにこのレースと相性のいい内容ではないように見える。

【予想印】

 今回は
◎8アルナシーム
〇6インダストリア
▲2パラレルヴィジョン
△10エエヤン
 これで行きたいと思います。

【各馬の評価】

◎アルナシーム
 本質的にはマイルよりは1800の方が適性は高いと思うが、今回はその適性のずれがいい方向に向きそう。
 レース質的にもただの先行マイラーでは最後苦しくなりやすいが、前走の経験も含めて、昨年の函館記念くらいからタフなレースを経験してきたのは他の出走メンバーと見比べても評価できるポイント。
 特に前走がかなり良く、向かない距離延長ローテで、コーナリングでのロスも大きかった上に、縦長の展開を早めに捕まえに行くそんな役回りをさせられたが、力を見せて0.3差の4着。着順以上に強い内容だったとは思うが、4着だったということで今回オッズ妙味が生まれている。
 調教の変化も興味深く、一週前にCWで6F80.4から終い11.1-11.7から日曜に坂路で54.6から12.8-12.3の加速、最終もあっさり目で坂路単走の54.8から12.8-12.6。気性の難しい馬ということもあり、映像を確認したときに首を振っていることも珍しくないが、今回はまったくそんなところは見せずぴしっと集中した走り。この一週前にビシッと時計を出してから最終はあっさり目でテンションを抑えながらしっかりコントロールが効いているのは好感が持てる。近走の調整過程と見てももう一段上の状態を望めそうであり、ローテ的にも向きそうなタイミングにもかかわらず人気落ちならば、狙ってみたい。

〇インダストリア
 昨年の勝ち馬であり、このメンバーに入れば能力上位。トップハンデを背負いはするが初めての斤量でもなく気にならない。
 昨年の秋は京成杯AH、スワンSと大きく負けたが、京成杯AHはクッション値8.5の良馬場かつ高速馬場というかなりの特殊条件。この馬のパワーやスタミナが活きるような条件ではなくポジションも後ろからになってしまったのも響いた着順だったので評価を下げる必要はない。
 スワンSも距離短縮かつ7枠14番でポジションが取れず、そのまま枠なりに外々を回して最後詰めてきての8着はむしろ評価できる内容であり、G2で1400m戦のスピードを経験できたのは今回に向けてプラス。
 適距離、適条件に戻る今回気になるのは休み明けという点くらいだが、調教の動きからは能力を出せる水準には仕上がっていそうに見えるので、オッズが甘くなりそうな今回は順当に高評価。

▲パラレルヴィジョン
 前走は同舞台のニューイヤーSで先行して押切。ペースもそこまで早くなく、斤量据え置きの今回はレース傾向的には苦戦するパターンのローテだがこの馬が一つ違うのは3勝Cをダートで勝ち上がっているところ。
 ダート戦は芝に比べて前半から流れて最後は全馬苦しくなりながらも終いを使えた馬が勝つようなレース展開になりやすく、上級条件になるほどその傾向、パラレルヴィジョンが勝ったレースも12.0-11.4-11.4-11.8-12.3-12.4-12.6-12.8と直線で時計のかかるダートらしい展開。それを内枠から中団につけて押し切れるタフなペースへの耐性を見せている上に、芝でも通用するだけのトップスピードの高さも持っているというのはかなりこのレースに向いた適性を持っている。
 戸崎騎手への乗り替わりも悪くなく、ポジション取りでそこまで無理をしないので、内枠に入った分前走よりは一段後ろになる可能性が高いと思うが、その分終いまで息は持たせやすい。詰まらなければ十分勝ち負けだと思うので無理に逆らわずに上位評価。

△エエヤン
 昨年のNZT以降苦戦が続いているが、走ってきたレースのレベルはかなり高く、どれも向かない展開だった。
 前走の中山記念流石に2F延長のローテでこなせる内容ではなく、度外視可能。そこから1F短縮で実績あるコースに戻る今回はねらい目なローテ。
 マイルG1→ハイペースの1400G2→タフ馬場でハイペース1800とこなしてきたレースの質は高く、今回のメンバーに入れば戦ってきた相手が違う。
 調教の動きも悪くなく、レース展開次第ではあっさり勝ち切っても驚かないが、気性面の危うさ、ゴール前まで競り合う競馬から遠ざかっている状況で思ったよりオッズが付かなさそうなので△まで。

【無印の各馬】
・タイムトゥヘヴン
 前走の中山記念は最後インをついてコースロスを抑えながら伸びてきた分もあるが6着は評価できる着順。距離短縮ローテは良く、差に向く展開になれば十分チャンスはありそう。印は回らないが抑えまで。

・ニシノスーベニア
 前走は展開的に恵まれた面もあるが着差をつけての圧勝。前目につけて上がりも上位と文句なしの内容。ペースがそこまで早くなかったので今回相手上昇で苦戦するとは思うが、斤量2㎏減でこなせる可能性もある。折り合って足を溜めるのが上手い大野騎手の継続騎乗で、一段下げながらスタミナを活かして差しに回ることが出来れば。

・グランデマーレ、ドルチェモア
 調教が良く見えたので抑えまで。

(軽視)
・アスクコンナモンダ
 前述のとおりペースが緩めの東京新聞杯からの臨戦はマイナス。調教も前走より一枚落ちる印象。ある程度人気を背負うならば嫌いたい。

・ディオ
 連勝中で勢いもあるが流石に使いすぎな感は否めない。
 調教時計も近走は52秒台の早め坂路で加速ラップを刻んでこれていたが今回はかなり全体時計が緩くなって54.1。前走からパフォーマンスの上昇に期待しにくい中で斤量増かつ上位人気というのは厳しい。

・セッション
 好時計の加速ラップがデフォルトだが今回は全体時計こそ51.5と良いが12.1-12.6と失速ラップになったのは気になる。
 前走から斤量+2㎏というのも歓迎しづらく、前走はかなりレース展開的にも恵まれたので、今回はやや狙いづらい。先行出来ても厳しいし、後方から行って差すとしても横の比較で上位に取りづらい。

・クルゼイロドスル
 能力は高いと思うが、前走が普段より一列下げて足を溜めることが出来たうえに、ペースも緩めだったのは評価しづらい。
 川田騎手の技術あっての結果な感は否めず、今回乗り替わりで外枠は狙いづらい。

・ダディーズビビッド、キミワクイーン
 2F延長は厳しいレース、コース。斤量も見込まれており手が出ない。

・ラインベック
 高クッション値以外では基本的に買いたくない。

・レイベリング
 8枠に入らなければ抑えたかったが流石にこの枠からでは厳しい。
 前走は阪神1400でペースに対応しながら強い競馬だったが、相手強化の距離延長は……

【まとめ】

 今回はローテ〇で能力もあり、近走過剰人気気味だったところからオッズが落ち着きそうなアルナシームから狙っていきます。
 これを書いている時点では9人気20倍前後といったところですが、これくらいで落ち着いてくれると嬉しいですね。
 馬券としては
〇単勝・複勝 アルナシーム
〇ワイド 6.8-2.6.8.10
〇馬連 6-8
〇3連複 8-6-2.4.8.10.11.12.16
 こんな感じでオッズを見ながら調整していきたいと思います。単複のオッズ次第で単勝に重点を置くかワイドに重点を置くかって感じですかね。馬連3連複は当たったら跳ねるので少額で夢を見る。
 金曜日にかなり雨が降って、金曜10時30分時点で既に不良馬場、そこからもいくらか降って昼過ぎから晴れ。土曜は天気よく最高気温も23℃くらいとかなり高めなので一気に乾いていくとは思いますが、良くて稍重までですかね。今回はあまり馬場状態は気にせずに予想しました、というか、稍重前提で予想した上で、馬場が思ったより回復せずタフならなお良しといった感じです。
 前走は成長を感じる好内容だったにもかかわらず、セルバーグの大逃げと4着が目くらましになってバレていないアルナシーム、今なら重賞は勝てるだけの能力を持っていると思うので頑張ってほしいです。

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