【R5.9.18】セントライト記念の事前予想

【展開予想】

 逃げ候補は何頭か、内からドゥラエレーデ、ウィズユアドリーム、最近逃げていないが田辺騎手への乗り替わりで外から積極的に進めればグリューネグリーン。このどれかが基本的には逃げを打つでしょう。
 中山2200外回りはコース形態上スタートから2F目で登り坂があるのでそこでポジション争いに足を使ってしまうと不利。グリューネグリーンが主張すればそこも早くなるかもしれないが、内の馬はそこまで主張せずじっくり入るかと思う。
 メンバー的にも後半の持続力で勝負したい馬が多いのでスタートから流れてハイペースということにはならないだろう。基本的には我慢しながらスローよりのペースで進めて下り坂に入ってから徐々にペースが上がり、残り1000mくらいの持続力を競う言わば後半力戦になる可能性が高い。どれだけ長くいい脚を使うことが出来るかという勝負。

【先週から中山には水の魔法使いがいる】

 先週は台風で金曜日にクッション値が大きく下がったところから土日晴れ続けても2日続けてのクッション値8.5。今週も特にそこまで雨が降っているわけでもないのに毎朝含水率は稍重レベルの含水率、クッション値は8台をキープしている。通常9.5以上あっても特におかしくないクッション率高めになるはずの中山が魔法使いの力により毎日強めの雨が降ったくらいの馬場になってしまっている。
 メインには概ねクッション値9.0前後の良馬場相当くらいには乾いていそうだが、それでも低めなことには変わらない(朝は良馬場表記でも稍重だと思って予想した方がいいレベル)
 クッション値が下がるとパワーが求められるので逃げ先行に負荷がかかりやすく、差が台頭しやすい。前述の展開想定と合わせて、長く足をつかったうえでの最後短い直線で更にもうひと加速するのがベストになる。
 当然そんなに長くいい脚を使うことが出来る馬というのはおらず、では何が求められるかというと一つ上の基礎スピード。他の馬がエンジンをかけ始めている中でも早めに促すことをせず、持ったまま流れに乗り続ける。
 残り3Fくらいの地点まで追い出しを我慢しながら流れに乗ることが出来るだけのスピードが求められる。
 狙うべきは距離延長(今回想定されるスピードよりも速いラップを前走経験している)前目で競馬ができる、そして最後にもう一足使って加速ができる馬
 今回のメンバーにそんな都合のいい馬が……一頭いますね!

・事前に考察した各馬の評価はこちら
・各馬の追切評価はこちら
 をご覧ください。

【予想印】

◎2セブンマジシャン
 前走休み明けを一度叩いて、春からの上昇が著しいこの馬から勝負したいと思います。
 この馬はこれまで常に過剰人気し続け、それを結果として裏切ってきてしまっております。春まではスタートしてからの行き脚もそこまでつかず、後方から。後方からになるとトップスピード足りずに差しきれない。まともに差届いたのは雨が降ってスピードが求められなかった黄菊賞くらいでその後は相手関係が低調だった京成杯を除いて馬券内に好走できていない。
 それが前走は内容一変。レースラップ的にも2F目までがそこまで早くならなかったというのもあると思うが、スタートから促して前目のポジションを確保できており追走できており、前半スローからの後半少し長く足をつかう展開だったが、直線を向くタイミングまで追い出しを我慢しており、これまで使えていなかった33.5の上りを使って最後は瞬発力で不利な展開を3/4馬身差まで詰めた。ゴール前の体の使い方もかなり大きくストライドを伸ばせるよう成長しており、春と同じ馬だと思われてのこのオッズならば相当おいしい。
 今回も前走と似たような、前半スローから後半だらだらと足をつかって、最後に鋭い脚が求められるような展開になりそうで、前走の経験が活きそう。馬郡で我慢できた実績も良く、内枠からかつ、左右の馬のテンがそこまで早くないので、しっかり鞍上が促せば先行馬を見ることのできる位置にはつけられるはず。前走の後半1000mは57秒後半で走破しており、実はメンバー内の横の比較でも後半力で実績的に劣るわけでもない。
 一度叩いた効果で追切も良く動かせており、このレースをとるために状態良好。血統的にもジャスタウェイに母父メイショウサムソンということで、母系にサドラーズウェルズやフレンチデピュティが入っているので少しクッション値が低めの良馬場でスタミナが求められるレース展開というのはドンピシャ。追い風になる要素が多く、ここは本命にするに足る一頭。

○14ソールオリエンス
 流石に対抗以下には下げられず、単純な能力、実績の比較ではメンバーでは一枚か二枚上。ただ、今回外枠になったことは大きく、水の魔法使いが毎日馬場をびしょびしょにすることで、時間が経つごとに内から乾いていく影響で基本的には馬場は内有利。
 外枠なので、最近の武史騎手の乗り方や、あくまでここは前哨戦ということを考えるとダービーの時のようにある程度ポジションを取りに行くよりは、無理せず控えつつロスを抑える戦法を取りそう。
 そうなると、この馬きっかけで早めにスパートをまくり気味に仕掛けてくると思うのであとはそれが差さり切るか前が凌ぎ切れるかの勝負。
 現状の馬場だと大外を回すのは大きなディスアドバンテージであり、取りこぼす可能性も十分だが、流石に馬券外まで飛ぶ確率はかなり低いと思われる。

▲10ウィズユアドリーム
 逃げて3連勝しているが、今回グリューネグリーンが外から主張してくる場合は無理に抵抗せずドゥラエレーデの横あたりにポジションをとるのではなかろうか。
 番手で控えながらマイペースで進めることが出来れば後半使える足はしぶとい。前目の馬との争いもグリューネグリーンは休み明けで久々の先行、ドゥラエレーデは相手関係が前走比で楽になるとはいえ斤量+3㎏での出走ということでそこは苦しいとなれば優位に進められる。前走逃げながら上がり34.0を使うことが出来ており、しっかり溜めて勝負所を迎えることが出来ればポジション的にもアドバンテージが大きい。
 サトノダイヤモンド産駒であり、持続力が求められる中山の外回りというのは合いそうであり、近走の勢いそのままにここでも好走の可能性は十分ある。基本的にはロスを抑えながら前目で足を溜められそうな馬が有利。

△5ドゥラエレーデ
 前走は古馬の一線級相手にハイペース戦を前受けしたという経験は大きいが、前目の競馬をする馬が前走から+3㎏の斤量を背負わなければならないというのはどうしても気にかかったのでこの評価まで。
 血統的にも馬体的にもそこまで斤量は響きづらいタイプとは思うが、終いに一足使えるタイプの先行馬でもなく、じわっとした脚で残しきるのは難しいコース。地力の高さとポジション優位でどこまで残せるかというところ。

△6シャザーン
 末脚の持続力ならばメンバー内でも1位2位を争う。追切内容も目を引くのでこのレースが差さる展開になれば十分好走の可能性はあるかなと思うが、どうしても後ろからになることが想定される馬であり、下り坂を使いながらソールオリエンスと一緒に上がっていくことになりそうなので、勝ち切るにはロンスパ戦でソールオリエンスを後ろから差しきらなければならないという高いハードルを背負っている。頭で来る可能性は低いと見ているが、ソールに展開が向くならばセットで突っ込んできそうということでこの評価まで。
 あと一つ気になるのは何故セントライト記念なのかということ。友道厩舎の馬なので関西所属。自然な流れであれば来週の神戸新聞杯に出るはずだがサトノグランツとの使い分けでシャザーンがこちらに回ってきている。適性的にも輸送の有無で考えても阪神2400の方が良さそうだがこっちに来ている意図とは…?権利を取りたいという意味合いでの勝負気配は低いのか?と勘繰ってしまう部分もあり上位には評価しづらい。

【無印の各馬】
・キングズレイン
 追切が良く見えなかったこと、最内枠はこの馬にとってはマイナスに働きそう。ということで自信をもって上位に評価できなかった分印が回らなかった。後方から進めた時にソールオリエンスと真っ向勝負で上回ることが出来るかは怪しく、人気に比して好走率はそこまで高くないかもというのも買いづらいポイント。パドックでよさそうであれば抑えるかどうか。

・コレオグラファー
 実績は薄いが持続力には優れる。前走は平坦の新潟でポジション取れなかった分差しきれなかったが、本来は前目でも競馬ができる馬なので内からある程度のポジションにつけられれば。追切も内容よく穴では期待したい。

・レーベンスティール
 あまりにも妙味が無いというか、人気が先行しすぎている。
 ソールオリエンスが抜けた一番人気だからそこから買いたくなくて、消去法で初の直接対決で切れ味勝負ならば分がありそうなこの馬に人気が集中しているだけのように見える。オッズ的な期待値でいえばソールオリエンスより低いまである状況。
 これまでの実績的にもレースラップで4F11秒台が続く持続力勝負の経験は無く、前走のことを考えると内枠で行き足がつくかもわからない。しかも一つ外がドゥラエレーデなのでスタートのスピードの差で外から被せられると前にも出しづらい。
 ポジションが取れなかった場合、瞬発力ではなく長く足をつかわされる展開になった場合、これまでに実績の無い持続力戦で横の比較で上位に立てるか?不安要素多くオッズも厳しいとなれば馬券的には非常に買いづらい一頭。

・シルトホルン
 前走レーベンスティールに先着しているのにこのオッズはかなりお買い得に見えるが、2200は長そうに感じてしまう。前目で足を溜めながらスローの展開で最後まで足をつかうことが出来ればチャンスもあるかと思うが、基本的にはパドックで良ければ抑えるかどうか悩むところ。来ない気がするなあ。

・コスモサガルマータ
 切れ味はメンバー内最上位。右回りで直線の短い中山で差しきれなさそうということで人気をしていないと思うが、一発のチャンスはあり得る馬。休み明けを一度使って快勝しており、叩いた上積みもあり状態も良さそうで、馬券の紐には抑えておきたい一頭。

・その他の馬はちょっとここで好走するには能力的に厳しいかなと。

【まとめ】

 春に通用しなかったことでオッズが下がっているが、休みをはさんで成長を感じさせており、絶好枠から競馬ができるセブンマジシャンから勝負したいと思います。
 馬券的には当日のパドックを確認してですが、セブンマジシャンの単複、セブンマジシャン、ソールオリエンスのワイド、馬連、2頭軸で3連複を広めに、というのが無難なところかなと。
 レーベンはやっぱりこの人気ではちょっと手が出ないですね。これを書いている時点で単勝3.9倍。なんだかんだでレース前には3.5倍くらいにはなるんじゃないですかね?自分の中では5倍後半くらいが適性かなーと思うところで、ここまで人気が先行するならそもそも適性的に信用しづらいし穴から狙いたいかなと。
 こういう力関係が分かりづらく休み明けの馬が多い一戦では”可能性”で馬券を狙っていきたいですね。

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