【R6.5.5】新潟大賞典の予想

【異常な馬場状態】

 露骨にクッション値が低めに設定されており、先週の日曜から引き続き土曜日も9.0と低め。初日こそクッション値が高めだったがかなりソフトに作られており僅か数日の開催で既にかなり荒れ気味。人気薄の差馬がバンバン外から差してくる状況。
 ただ全面的に内が荒れているという感じではなく、極端にインがタフなのはコーナーを回った後のみ。むしろスタートからはクッキリと芝の境目が見えるほどにラチ沿いの馬場が走りやすそうで、コース取りの理想としては終始外々を回す外枠の馬よりも、スタートからコーナーまではイン、直線まで足を溜めて勝負所でスムーズに外。こんな走りをできそうな馬を狙っていきたいところ。

【むやみに差しを買えばいいわけでもなさそう】

 今の新潟の特徴として、馬場がタフ過ぎるあまりに早い時期から外差になっている上に、かなり上りが掛かっている。
 土曜日はそこまで上級クラスのレースがなかったとは言え、芝レースの上がり最速が
・3歳未勝利 1800 34.7(3着)
・3歳未勝利 2000(内) 35.9(1着)
・ゆきつばき賞 1200 34.5(1着)
・荒川峡特別 2200 35.4(2着)
・4歳1勝 1000直 32.5(2着)
 外回りで行われたレースが1レースしかないとはいえ全体にかなり上りが掛かっており、キレる足を使える馬というよりは狙うべきは、上りがかかるタフな馬場でじっくりと足を伸ばすことが出来る、言うなればスタミナ差しが得意な馬かもしれない。
 差馬は差馬でも好走したレースが上がり33秒前半の時計の出るレースが多い馬などはちょっと疑ってみたい。

【そもそも新潟外回りで狙いたいのは】

 新潟外回りの特徴はなんと言ってもJRAコースで最も直線が長いコースであるということ。
 コーナーを回ってから直線までは658.7mとJRA最長だが、それ以上にスタートから最初のコーナーまで948mとコースのほぼ半分を占める。最後の直線で最後までしっかり早い足を使うことに目が向きがちだが、スタートからコーナーまでで消耗しないことも同じくらい重要になってくる。
 またコーナーがかなりタイト上にスパイラルカーブになっているので、コーナーで上がっていくということは困難。無理せずインの良い位置を取った上で消耗を抑えつつコンパクトにコーナーを回し、直線しぶとく足を使うことが理想。
 普通ならばラストの3Fで早い脚を使い切るのも中々困難なのに、658mもあっては普通の走り方では長くいい足を使うというのはかなり難しい。重要になってくるのは左右のバランスの良さ、手前を替えることでスピードのロスを生まない走りをできる馬を狙っていきたい。

【予想印】

◎13キングズパレス
〇15レーベンスティール
▲12シーズンリッチ
△6セルバーグ
 これで行きたいと思います。

【各馬の評価】

◎キングズパレス
 どんな時でも安定して上がりを使ってくれる馬。その脚質と気性故に出世が遅れたキングズパレスだが、前走の美浦SでとうとうOP入り。しかも前走ではこれまでつけていたブリンカーを外しても問題なく走ることが出来ての勝利ということでここに来てようやく本格化してきたと考えて良い。
 脚質的にいつも後方からになるにもかかわらずどんな時でも安定して好走できたのは舞台、展開問わずに上位の上りを使うことが出来ること。キャリア17戦で15戦で上がり3位以内。使える上がりの幅が幅広く、舞台、展開を問わず33秒台半ば~35.0の上りのレンジで常に上位の足を使っているというのは今回に向けて特に魅力的。
 前走の美浦Sでも後半の1000mラップが11.9-11.6-12.2-11.8-11.8とかなりタフな持続力を求められる展開でしっかり中団から差し切っての上り34.8で勝利。実績的に馬場が渋ったタフな馬場でも問題なくこなしているので、今の新潟。出走馬の中で最もマッチするのではないかと思う。
 調教もタイムこそ地味だが、リラックスして安定感のある走りが出来ており、OP入りしたその勢いのままに好調キープで望めそう。ここは人気サイドだが逆らわずにこの馬から勝負したい。

〇レーベンスティール
 海外帰り初戦、古馬と初対戦、初の斤量58㎏に加えて、久々の左回り、乗り替わりと不安要素山盛りだがそれでもこれ以上印は下げられないほど馬が強すぎる。
 仕上げからも能力が出せる状態にはなっていると思うものの、ここがメイチではなく、ここを使って次走宝塚あたりにいくんだろうかと思わせる、明らかな叩き。でも馬が強すぎる。
 タフな馬場を苦にしないパワーあり、走りのバランス良し、トップスピードの高さに加えて道悪も苦にしない体幹の強さもあり。普通の人気馬であれば軽視して配当を狙いたいところだが、レーベンスティールを切るのはあまりにも的中率を捨てすぎているように思うので、ここは高めに評価したうえで相手を絞って狙っていきたいと思う。

▲シーズンリッチ
 ということで、穴で狙っていきたいのがシーズンリッチ。
 前走は殿負けと崩れてしまったが展開的に仕方ない。最内枠をとれたということもあって、開幕週の中京2000、逃げ馬が好走しやすい条件と見てやや無理に逃げようとしたところを変なタイミングでエアサージュに強引にハナを奪われ、ポジション取りに相当足を使ったにもかかわらず、マイペースで走れた区間無し、息も整わないままにハイペースに巻き込まれて直線では完全に足が上がった。完全な展開負けであり、評価を落とす必要はない。
 休み明け+24㎏も流石に重かった印象で、今回使った上積みに期待できるタイミング。調教の動きも格段に良化している。
 この馬が勝利した毎日杯はかなりタフな馬場コンディション、それをある程度ポジションを取った上で競馬して、終い3F35.1の上り2位で勝利。その後はスローからのロンスパ持続力戦になったダービーをキレ負けの上り34.1で7着も着差は少ない。神戸新聞杯も上がり勝負を折り合い欠き気味に先行したせいで切れ負け、菊花賞は流石に距離が長かった。
 昨秋の2戦は栗東滞在が上手くいかなかったという可能性もあり、メンバーレベルも高く、適性にもハマらなかったレースなので、そこまで評価を落とさなくてもいいと思うが、3連続2桁着順で今回等々最低人気に近いオッズ。求められる上がりのレンジ的に久々に適条件となりそうな今回かなり狙い目。
 走りとしても上がりがかかるタフな馬場でこそ輝く、パワーと左右のバランスに優れた走り。前走厳しいレースを経験したせいか、今回の調教では後肢の力強さがグッと上がった印象で、好位からロスなく運んだうえで、タフ馬場を苦にせずしぶとく前での粘り込みに期待できる。差馬有利とは言え上がりがかかる馬場コンディション。前で35.5出せれば十分馬券内可能と見て、このタイミングで高めに評価して狙いたい。

△セルバーグ
 この馬場だからこそ狙いたい逃げ馬。
 良馬場だけどタフで時計がかかる、そんな馬場を全く苦にせず走れる特殊な能力を持っているのがこのセルバーグ。その特殊能力がばっちりハマったのが昨年の中京記念。映像を見てもらえれば分かるがタフな馬場で、普通だったらインを通した場合かなりキックバックが上がりながらスピードに乗りづらい状況だったにも関わらず、セルバーグからは全くキックバックが発生しておらず上がる砂埃も最小限。ソフトな馬場でも優しく走ってスピードを持続させてまんまと逃げきることに成功している。
 今回もその再現が狙えそうと期待しての高評価、逃げのライバルとしてはホウオウアマゾン、ヤマニンサルバムあたりだと思うが、斤量と枠並び、単純なテンの速度差でハナは確保できそう。ヤマニンサルバムは乗り替わりもあり無理して大外枠からこの馬場でハナを叩いてくることもなさそうなので、かなり楽なマイペースで走れそう。また今村騎手落馬乗り替わりの影響で丸山騎手に乗り替わりになるが、前走が今村騎手で小倉大賞典をオーバーペース逃げした次走、乗り替わりである程度常識的なペースで逃げることになればスタミナを残した状態で直線を向くことが出来る。他の馬が外に持ち出して足を伸ばす中、一頭内ラチ沿いをタフ馬場苦にせず粘り込むことができれば再び穴をあけるチャンスあり。
 一番の不安は丸山騎手がこの馬のタフ馬場適性を理解して、臆せずに内を責めてくれるかどうかという点。

【無印の各馬】
 紐で抑えたいのは
・デビットバローズ
 使える上がりの幅広く。前走はステラヴェローチェと着差なしの2着とこのメンバー内でも能力見劣りしない。斤量も56㎏と恵まれており、こういった特殊馬場でこそ老獪な騎乗を見せる典さんへの乗り替わりは面白いものを見せてくれそう。追切も状態よさそうで抑えておきたい。

・ダンディズム
 スタミナ差しが得意な馬をこのメンバーで上げるならばこの馬。タフで上がりがかかる馬場でこそ輝く末脚、長くコンビを組んでいる富田騎手もこの馬のん使える足、適性を完全につかんだうえで追ってくれるので、この長い直線でこそ能力を発揮しきれそう。
 調教は好時計目立つうえに、最終追切は坂路で併せ馬にぶつけられながらも軸ブレずにスピード維持して、失速ラップではあるが終い11.8-12.4の好ラップ。8歳にして衰え知らず。スタミナが活きる展開になればチャンスあり。

・リフレーミング
 連勝で勢いに乗る差し脚魅力の馬。超持続力展開になった前走の福島民報杯でも一頭違う足で追い込んでの快勝であり今勢いに乗っている馬。差し優勢の馬場ならば抑えておく必要がある。

・マイネルクリソーラ
 こちらもしぶとく足を使うスタミナ差しが魅力の馬。長く足を使う展開になった今年の中山金杯で先行のポジションから粘っての3着はかなり評価できる内容であり、今回斤量56㎏と恵まれたのも買いたいポイント。

(軽視)
 ヨーホーレイクは能力上位とは思うが59㎏のディープ産駒だと流石に手が出ない。今の馬場も斤量響いてきそう。
 ノッキングポイントはスピードのでる馬場の方が適正向く。昨年の新潟記念を上がり33秒台で勝利していることがむしろ適性面で疑問。
 ヤマニンサルバムは三浦騎手に乗り替わって力を見せてきたが、前走は展開負け。能力は高いと思うが58kgで乗り変わりの大外枠は割引。

【まとめ】

 荒れても良さそうな条件ではあるが、キングズパレスとレーベンスティールがまともに走れば抜けているかなという印象。
 レーベンスティールが余裕残しの仕上げと斤量響いて崩れた場合に高配当が狙えそうな馬券を組んでいきたいと思います。
〇3連複2頭軸 13.15-4.5.6.11.12.14
〇3連複フォーメーション 13-6.13-4.5.6.11.12.14
〇3連単 13-15-4.5.6.11.12.14
 単勝オッズがやや渋いのでそこは狙わずに3連複を固いパターンと荒れパターンの2通り、固かった時に印通りの順番で決まったら跳ねを狙えるように3連単を小点数添えて少額で狙う程度で行きたいと思います。
 印としてはキングズパレス本命ですが、馬券的にはセルバーグ、シーズンリッチに頑張ってほしいところ。このまま最低人気に近い感じで行くならばシーズンリッチの単勝をワンコイン分くらい追加で握って応援したいと思います。


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