クレイジーガール達


こんにちは。ひつじです。めえめえ。

昨日は、大学時代からの女の先輩と
表参道でランチをしました。

昨日消しちゃった日記書き直したんですけどね。実はひつじのおじいちゃんが昨日亡くなってしまいまして。おじいちゃん大好きなんです。こういうときこそたくさん文章を書くしかない。そう思ったはいいものの長すぎて首がもげるかと思いました。
首がもげない程度に読んでください。

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表参道に向かうため、電車に揺られていた。横には可愛い4歳くらいの男の子が座っている。可愛いなと思いながら見つめていると目があった。その瞬間こっちを向いたまま、至近距離で思いっきりくしゃみをされた。横にいたお父さんは鬼の形相で「こら、それは一番ダメだろ!!」と男の子を怒鳴り、私に謝り倒してきた。


そう。今の日本で人に向かってくしゃみをすることは死刑レベルの悪態なのだ。ただ、坊やはびっくりしただろう。「1ヶ月前まではくしゃみをしてもこんなに怒られることはなかったのに。むしろ心配されるはずではないか。なんでいきなりこんなに怒られるんだ。」
そう思ったに違いない。

こうやって彼は世の理不尽さというものを学んでいくのだ。そう思いながら親子に会釈し、私は表参道に降り立った。





表参道駅で先輩を待つ。彼女は大学の1個上のサークルの先輩だ。人とは広く浅く付き合うタイプである。誰とも仲が悪くないけれど、凄い仲が良い人があまり思いつかない。彼女曰く、仲の良い人は私ともう高校の友達1人しかいないらしい。


彼女は自分のペースや空間を非常に大事にしている。そしてそれを乱されることを極端に嫌っている。だから人とも距離をとって接する方がストレスがかからなくてラクらしい。実際彼女は深く関わらない限りは、普通に優しくていい人だ。ただ彼女と仲良くなればなるほど、譲ったり誰かに合わせるということが基本的にできないと分かる。それを本人も自覚している。


一方の私は、人に対して許容できたり許せる範囲が極端に広いらしい。嫌いな人が1人もいない。一般的に見て、それは怒った方がいいだろということでも全然怒りの感情が湧かないから、よく不思議がられる。


先輩はマイペースなので、人と距離が近くなると一気に振り回して、自分のペースや空間が乱されると瞬時に関係を終わらせてしまう。人に合わせたり譲ることができないから、全然関係が長続きしていない。
先輩にとって私は、距離が近くなって自分がマイペースな態度を取ろうが、あまり怒ったり見切ったりせずに側にいてくれる貴重な存在らしい。


私から見ても確かに先輩はワガママであるが、
素直ではっきりした物言いが、人として信頼出来る。人より警戒心強い私にとって、褒めちぎったりや綺麗事ばかり言い連ねる人より、全然信頼出来る貴重な存在である。


普通の人のレベルからは外れ値の両極端の性格でありながら、結局お互いにとって貴重な存在になっている。


駅で待っていると先輩がやってきた。
私の顔を見て、「うわっ、ひつじちゃん顔、すごい肌荒れしてるしどうしちゃったの」と言った。あんドーナツばかり食べている旨を伝えると、「もう心配だ〜じゃあ今日は野菜を沢山食べよう!栄養とろう!」と言ってくれた。


青山学院大学近くにあるおしゃれなカフェに行くことになった。カフェに着くと長い行列ができていた。


並んでいると、先輩がこう切り出した。「私ね、ずっと今後も1人でいいやって思ってたんだけど最近やっぱり周りも結婚し出して1人でいるの寂しいなって思って…子供欲しいし結婚したいなって思うんだ。だから最近婚活してるんだけど、やっぱり次も会いたいとか思えなくて、付き合うまでがそもそも無理なの。おまけにひつじちゃんみたいに優しくないから恋愛関係なく人と深く長く関係続けるのって無理、どうしたらいいかな?」


先輩は俗に言う蛙化現象の持ち主だ。人から好かれると無理になってしまう現象である。原因や程度は違うが、私自身もそうだったこともあるしそういう人は割といるので理解はできる。彼女は1人だけ同じサークルの先輩と付き合っていた。しかし、それ以前もそれ以降も誰とも付き合うまでいけないらしい。それに加えて、過度なマイペースで、相手に譲歩することがそもそもできないから、それを受け入れてくれる人も少ないらしく関係が続かない。話を聞くところ婚活も人間関係もかなり難航していた。


私は少し悩んでしまったが、あんまり偉そうに答えられる相談でもない。「なんか婚活とかはよくわからないですけど、長期的な人間関係の構築には、自分のことだけ考えずに相手を思いやる気持ちが大切なんじゃないですか。」って答えた。


先輩は納得したようで、「確かに私は自分のこと譲りたくないし相手のこと考えたり理解しようと思えなくて、全然関係が続いてないし仲の良い人も少ないんだわ。ひつじちゃんくらいしかいてくれないんだわ。自分じゃなくて相手のことも考えて思いやりを待つわ、ありがとう!」そう言った。


先輩の「相手のことを考えよう」という前向きな姿勢に、人間関係も婚活もうまく行くといいなと思った。


行列を並び終え、席に案内された。
そして机の上にメニューが置かれた。
このお店は料理一品一品の量が多い。2人ともあまり沢山食べられるお腹の状態ではなかったため、一品だけ選ぶことにした。

私は後輩だ。
「先輩がお好きなの選んだいただいていいですよ。」と言った。


先輩はメニューを決めるのにかなり悩んでいた。
あぁ、私に気を遣ってどんな野菜料理にするかきっと悩んでいるんだ、申し訳ない。そう思いながら先輩のコップの水を注ぎ足した。


「よし、決まった」
悩んだ挙句、先輩はぼそりと呟いた。
そして店員を呼び、こう放った。








「マカダミアナッツパンケーキ1つで!」


次の日私は、マカダミアナッツパンケーキによって確実に酷くなった肌荒れを触りながら、先輩からの次のお誘いLINEに快く返信をし、皮膚科に向かうのであった。

こうして「極端に自分中心主義の先輩」と「極端に他人への許容範囲が広い私」は仲良くパンケーキを食べ、また仲を深めていく。


私たちはクレイジーガールなのである。

めえめえ