【映画】星の流れる果て
これはレーザーディスクは出たのかな。
ビデオは出てるけどDVD化はされてない。
でも割と今見るべき映画と思います。
原作者さんが体験したお話。
実体験を本にしてそれが映画になったってやつ。
この映画は怖い映画だよ。
過激な描写は一切ない。
でも結構トラウマになりかけるレベル。
私は帰れない映画が怖いと思うタイプの人間なんです。
この映画は帰してもらえない映画です。
2週間だけでいいから旅行で「俺の祖国に行かないか」なんつって、旦那の祖国イランに家族で行くわけだ。
旦那はそりゃ生まれた国だし、親兄弟もいるし居心地がいいに決まってんのよ。
ハラルな飯にも困らんしな。
迫害されてアメリカに行ったわけじゃないんだから、なんかこっちでもいいじゃんってなる。
でも留まるとなると、ありがちだけど仲間だと思ってる祖国の者が受け入れてくれてないっていう。
アメリカでいい思いしてたんだろ?的なやっかみでしょうかね。
どんどん状況が捻れてくわけ。
でもベティたちは旦那しか頼れないしさ。
もうハラハラして心臓に悪いです。
イランは湾岸戦争が始まる前くらいに叔父さんが技術協力で何年間か行ってた。
ヒゲモジャで帰ってきたのを覚えています。
水がとても高いんだよ、と教えてくれた。
小学校低学年の私には信じられなかった(しかし物の値段という概念が私の中にあまりまだなかった)。
叔父さんが帰ってきてまもなく湾岸戦争が始まった。
いや、すでに始まってたかもしれない。ニュースを見て「おじさん大丈夫なの?」って聞いた記憶。
いつから戦争が始まったとか子供だからハッキリわかってなかったので。
叔父さんは私に羊の皮でできたアクセサリーボックスをお土産にくれた。
イランはちょっと不思議な国だよね。
アラブっぽいけどペルシャ語圏なんだよな。
「アラビアのロレンス」のせいでアラビア語を勉強するまで至ってしまった私はそのあたりの文化の話もアラビア語の授業にはあるので知ることになる(今かる〜く調べたら、ここ数年でアラビア語圏の情報に格段にアクセスしやすくなってるじゃん!びっくり)。
しかし市場の感じとかは中東らへんの国って感じで共通だな、ちょっと行ってみたいよね、あーゆー市場。
個人的なイランは叔父さんの印象なんだけど、一般的には同世代の人はきっとイランっていったらテレホンカード・上野公園のイメージかもしれない。
下手なホラー映画より全然怖いから色んな人に見てほしい。
でも男性にはあまりこの恐怖は理解していただけないだろうか?
否、そんな事はないと思います。
あんまり知らん言葉もろくにわからん異国で帰るためにどうしたらいいんだっていう話ですから。
同じ境遇の女性と遭遇してもどうせコイツちくるんだろ?と思えてきたりw
最後の最後までハラハラするんです。
どうせコイツも悪いやつなんだろ?と、疑心暗鬼になってしまってw
画面のこっち側の私がそう思うのだから体験者のベティさんはどれほど疑心暗鬼になったことだろう。
娘しか信じられないよね。
その娘だって私は最初「子供の無邪気さでよけーなこと喋るんじゃねーだろーな?」って思ってたからw
無能な味方は敵みたいなもんだからさ?
アメリカのプロパガンダだと言うのは簡単だ。
しかしこういう一面もあるのだと云うことは知っておいた方がいいと思う。
別におかしくないよ。彼らにとっては当然のことだ。
そいう世界・文化なんだよ。
あの気候で生き抜くために工夫されて培われてきたもの。
それを非難する気にはならない。
ただ知っておいて、もし行くなら注意してね、と思う。
次はアメリカで疎外されたベティの娘が将来彼氏をつれて・・・とかいうミッドサマー 的な展開とかは・・・ないか。
ないな、相手が男性じゃ成立しないしな。
つうか考えようによってはこの映画はグロシーンのないミッドサマーだよな。
結末は全然違うけどさ。ある意味だよ?ある意味。
あとシェルタリングスカイとかさ。あれの映画も私は怖い。
原作のリンク置いておきますね。
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