「人生」はRPGらしい
「『人生』をRPG化すれば,楽しく生きれるよ」
ある時,こんな話を聞くことがあった。
私は,RPGがどうも苦手だ。プレイ中は,最大の敵を倒すという大きな一つの目標に向かって小さな目標をこなしていく。
このプレイ中に「見かけた花がきれいだから」とか「ここはすごくいい街だ」とか言って寄り道することは,最大の目標達成が先延ばしにあまり得策ではない。だけど,天邪鬼な私はやっぱり寄り道をしたくなってしまう。
では,寄り道をすることは悪いことなのか?
そんなことはない。自分の感性に従った行動は,人間として至極当然なことだ。そこに心を動かされる。
『人生』をRPG化してしまうと,目標の隙間にある『豊かさ』を無視することになってしまう。この『豊かさ』こそが人間として生きることの醍醐味ではないだろうか?
「『人生』は,RPG」
確かに,目標を立てて達成することは魅力的だ。
しかし,過程をも無視して目的だけを見たものにどんな価値があるのだろう。
何かやるには,当然成果が必要になる。
成果を上げなければ存在価値がないように思えてしまう現代社会の価値観と「過程」にこそその本当の価値があるのだと信じる心が私の中で同居している。
この気持ちに折り合いをつけながら生きていけるよう努力するのだ。
読んでくださり,ありがとうございます。