愛すべき馬鹿という名の天才ども
同じ人が居た、と言う喜び。有難う。
今日事務所でぼーっと漫画読んでて、面白い漫画ハッケソ。
ぶっちゃけ、ご近所嫁姑バトル系のドロドロサスペンス漫画雑誌なんだけれども、中に一つ「腐女子」を取り扱っているものがあって、眉をしかめながら読んでみた。
んで、ああ、絶対的に私とは違うとつくづく感じた場面。
男性に対する接し方だった。
どうやら世の女性は、「男性=怖い」ものと小さい頃にインプットされるらしい。
理想の男性は、当然優しく、たくましく、いやらしい妄想などせず、ひたすら美しくあるものらしい(www)
女性が好きなものは、可愛くて小さいもの。儚くて壊れそうなもの。キラキラ光ってて美しいもの。
もうね。多分、ここの定義から違う。
私の育った場所は田舎だ。想像してくれ、とんでもないド田舎だ。
そのうえ、一人っ子だった私は当然可愛がられた。
ジェニーちゃんのお部屋も買ってもらったし、リカちゃんのシャワールームも買ってもらった。でも飽きちゃう。
どうしてもずっと使い続けられないんだ。
そういった自分に少し疑問を持ち始めた頃だった。
近所の男の子の家に遊びに行ったとき、私を仁王立ちにしたおもちゃが合ったんだ。
ZOIDO!!!!!!!!!!!!!!
もうね、雷が頭からつま先まで走った気分だった。
そのうえ、その男の子はいう。「これ、組み立てたんだ」
組み立てた!!!!!!!!!!!!
無表情を装ってた私は腹の奥でもだえていた。
組たてた?!くみッくみたてた??!!!!
本の中に居たティラノサウルス、恐竜の中でも最強と呼ばれる恐竜のドン。そのミニチュアを組み立てた?!
多分そのときだ、私の中に消えることのない男性神話、男根崇拝にもにた感覚が生まれたのは。
あこがれるヒーローの姿、かっこいい恐竜のフォルム。
男の子は、それを組み立てられる!
夢の世界を、構築できる!
それに凄まじい感動を覚えた。
女の子の話はどうあっても面白くなかった。
非常に創造性に乏しくて、話している内容は、流行のスカートや格好いい男の子の話だった。
かっこいい男の子の話のドコに創造性があって、独創性があるんだろう。くだらなくて、話す気にもなれなかった。
それより重要なのは、なんで空は青いかということだ。
このころから宇宙や星に興味をもった。
自分の行けない世界へ私はどこまでも心を飛ばした。
男の子はミニ四駆を作る。私よりずっと上手くマリオをクリアする。私にとってそれは驚きの連続だった。
なんでこんな早い車が作れるんだろう。
どうやったらこんなに上手くマリオを動かせるんだろう。
その技術の全てにときめいた。
試行錯誤しながら初めて作ったミニ四駆は「ライジング・サン」
広い道路をドコまでも駆けていく彼の勇姿を追いかけていると、まるで自分が風になったような錯覚にとらわれた。
でもね、どうやっても男の子に敵わないんだ。
シャーシの削りかたや、ホイールの改造方法がわからなかった。少し重くして安定させる方法やら、どうあっても男の子の方が上手だった。
私は息せき切って必死で男の子の背中を追いかけるけど、追いつかない。そのまんまで、中学にあがった。
中学でも女の子とつるんだことは一度もない。
誰とでも笑って話せるけれども、親しい友人は皆男の子だった。くだらない、でも建設的な話で盛り上がった。
「1582、本能寺の変で信長の隣に居た人の妹は誰?」
「わかるか!そんなん!」
非常にくだらないけど、楽しい。
私が歴史を好きになったのは、一重に彼らのおかげであるだろう。常に彼らは信長の強さや、前田慶二の凄さを語っていた。
その話の全ては、私の心を喜ばせた。
ある日、一人の男の子が一冊のノートを持ってきた。
「さて、安部が死にます。犯人は誰でしょう?」
「オレ死ぬん?!」
皆で犯人探しをした。アリバイ探しをして、どうやって殺したか推理した。
驚くのはその構成。いつも一緒に信長や明智光秀の話をしている連中を全員上手く取り入れて、動かしていた。
私は最後までわからなかった。ようやっとわかって皆に笑われた。楽しかった。
悲しいけど、その輝かしい時代にも終焉が来る。
高校入学だ。何よりもくだらなかったのが、男女のグループが出来てしまうこと。
女の子は女の子と喋る、それが当たり前として認識されてしまっていることだ。
かつてのあの輝かしい会話が全て失われてしまう。
非常につまらない毎日だった。
でもね、あのつまらない高校生活の中、中学の時の仲間の一人はいつでも私に話しかけてくれた。
非常に頭のいいやつで、どこをどう間違ったらこんな思考になれるのか私にはわからなかった。
数学、科学に特化した頭脳というんだろうか。
彼の話は実にクリアでわかりやすかった。そんな彼に言われた事がある。
「今努力できない奴は何時までたっても努力できない。」
事実だと思った。そして完敗した。
気持ちのいい敗北だった。
仲間、というわけではないけれど、高校一年の時、同じクラスに居た男の子。
私にこういってきた「路端さん、数学の答案みせてくれるかな」
隠すつもりもなかったので、酷い点数の刻まれたその答案用紙を彼に見せると
「すばらしいね!僕よりもずっと上だ」と大笑いした。
その後彼は、「大学一覧の一番上にある」というばかげた理由で、北海道大学を受験し、合格する。
彼と同じクラスで彼と同じ時間を共有した事は、私の人生において誇りである。
大学。
すばらしい先輩達に会った。
話は全て面白くて気取らない人ばかりだった。
初めてそこで、三国志の面白さに触れた。
中学の時、理解できなかった話の全てがありありと浮かんでたまらなかった。悪い遊びや、お酒を覚えた。
私がどんなに馬鹿やってても笑って許してくれました。
マサさん、本当にありがとう。
私は、彼らをまだ崇拝している。
私がたどり着けなかった高みに彼らはいるし、その哲学も素晴らしかった。自分でいい男性に出会ったと自負しているし、素晴らしい友人に恵まれたと自負している。
私の、やおいに関するあの嫌悪感はこの所為だと思うのだ。
たとえば、理論派のキャラが出てくれば、私は「北大の彼」を思い出すし、行動力のあるキャラがいれば「優しくて頭のいいあいつ」を思い出す。ひたすらクールでかっこいい、でも優しいあの人は「マサさん」w
心優しい癒しの君が出れば「推理構成の彼」を思い出すし、狡猾で頭のいい奴を見つければ「科学のあいつ」を思い出す。
やおいはね、私の尊敬する愛すべき馬鹿どもを汚しているように思うのだ。
世の女性は男性が恐ろしい?
なんてことだ。男性ほど素晴らしい生き物はいないよ。
力強くて我が侭で楽しくて、努力を忘れない素晴らしい生き物だ。私は彼らに届かなくて届かなくてあがいているに過ぎない。
彼らの背中はもう見えない。私なんかの声が届かない所まで行ってしまった。
でも目を閉じれば、彼らが私に与えてくれた素晴らしい贈り物が蘇る。彼らの傍でまた笑いたいと思うけれど、それは多分ありえないことなんだろうな。
私もまた、それでいいと思っている。今は、彼らの前に顔を出せない。
私はまだ、ZOIDOを作っているんだよ。
幼い頃作れなかったZOIDO。
誰よりも早いミニ四駆が作りたいし、皆が笑える推理小説を書きたいんだよ。
我が愛すべき、馬鹿という名の天才達。
貴方達は今、どんな高みにいるだろう。
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昔から男の子の遊びが大好きです。
男の子の部屋はおもちゃ箱だと思ってます。
んで、可愛いピンクの小鳥よりも、恐竜の凶暴さが好きなのです。
今でも多分、恐竜の名前いえるんじゃないかな。
本当に好きだったのでw
宇宙の広さが魅力です。自分ではどうにもならない、圧倒的なものに惹かれます。
そういったものに、滅ぼされてもいいのです。
気持ちのいい敗北を、常に繰り返してゆきたい。
男の子はいつも、私の新しい扉をあける鍵になってくれる。
いいわすれた。ここに上げる男性は私の性の対象ではない。
私を育て励ましてくれた、素晴らしい「人間」である。
ユニ・セックス、なんて言葉は使いたくないが、私は人と接する時、性の違いを理由にしない。
男である前に、女である前に、人間である。
そして人間であるまえに、その人自身である。
その考えの下に接している。
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