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2014年8月の記事一覧

亡霊

女は白痴が好いね、とその男は言った。
長閑な小春日和の中、団子屋の軒先で男二人で交わす会話にしては少々毒が強すぎるので、銀時は顔を顰めた。隣に座る線の細い青白い男は、散る桜を眺めながら笑っている。
「俺ァ、馬鹿は駄目だなぁ。何するかわかんねぇだろう」
そう呟いて団子の串に噛り付いた。隣の男の毒で苦くなった口内が、桜団子の程よい甘みでどうにか緩和されていったので、銀時は散る桜に目をやることが出来た。

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