百年の孤独の衝撃。
先週末から貪り食うように一気に 読んでしまったガブリエル・ガルシア=マルケスの「百年の孤独」。昨夜読み終えてから、今もなお、この作品のことばかり考えつづけている。一言で感想を表すなら「衝撃」だろう。
本当はスペイン語で読みたいと思ったのだが、先月の日本滞在中に鼓直氏による日本語訳を見つけたので、こちらから読むことにした。以前読んだ鼓直氏によるフリオ・コルタサルの短編の翻訳が、名訳と言える素晴らしいクオリティだったことが後押しした。表紙はメキシコ人画家のレメディオス・バロの絵画が採用されている。
先週から狂ったような猛暑と熱帯夜が続いていたベルリンでこの作品を読んでいると、不思議と作品の舞台であるマコンド村の大地に吸い込まれていくようだった。ブエンディア一族がたどる数奇な運命と、この異常気象が完璧なくらいシンクロしていたのである。それにしても、これまでずっと読もう読もうと思いながらも何故か後回しにしてきたの本作、まさに気軽に読める一冊ではなかった。交差する数々のストーリー、数世代に渡って登場する同じ名前の別人物。。。。添付されている家系図なしでは完全に理解できなかったかもしれない。忍耐が必要となる一冊だが、私は忍耐を問われる以前に完全にのめり込んでしまった。
いわゆるネタバレのようなものは一切書きたくないので、内容には触れないことにするが、何か読み応えのある文学作品を求めている人には是非挑戦してもらいたい一冊。私はこれをきっかけに他のマルケス作品に次々と手を出してしまいそうだ。
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