見出し画像

娘と私の入院中のはなし

2020.12.02
痛い、帝王切開、痛い。寝返りも打てない、痛い。娘に会いたい、痛い、会いたい、痛い。

リカバリー室から個室に戻っても、点滴やカテーテルなど、管に繋がれまくってるのでベッドでひたすら仰向けになっているだけ。
娘がどんな状況かも分からず、助産師さんに、頻繁に聞いてしまう。

いま、ミルク飲んで寝ましたよ、うんちしましたよ、とか。

会いたい、痛い、会いたい。

それだけで1日が終わった。

2020.12.03
母子同室が始まった。
とはいえ、基本は母乳を飲ませるときだけ。
これまた母体は不思議なもので、おっぱいが張るし勝手に母乳が出るのだ。
だがしかし、お腹が痛い、母乳をあげるために起き上がり、座るのも痛い。
赤ちゃんを抱っこするのに力を入れるのも痛い。
まだ、うまく吸えない娘と痛すぎてうまくあげれないわたし。初めての授乳は真冬なのに汗だくで終えたのを覚えてる。

ただ、1日ぶりに会った娘はもう誕生した時と少しだけ顔が違った。この時期は本当に1日1日が大事なんだと感じた。
写真と動画をひたすら夫と家族に送り、寝ている時以外は、常に家族とテレビ電話していた。
コロナ禍で面会できないこの時代にテレビ電話があってよかった。

ただ、娘が愛おしくてたまらない気持ちと同じくらい、夫にも会いたくて毎日泣いていた気がする。やっぱり初めての子育て、一人きりで個室にいると心細いのだ。こんな感情は生まれて初めてで戸惑ったし、ほぼホルモンの影響なのだけど。

2020.12.04-06
お腹の痛みはというと、最初は歩いて10歩でいけるトイレに10分かかったのも、5分、1分と短くなり、廊下を歩いたり、階段を登り降りできるようにもなった。母体すごすぎ。
本能で子を育てなきゃ、早く回復しなきゃ!と感じているのかしら。

食事も回復食のお粥からご馳走になって、毎日、寝ている娘の横で美味しいご飯を食べることが至福だった。

娘は泣いて飲んでおしっこうんちして、寝ての繰り返し。ふにゃふにゃな我が子のおむつ替えもこの頃にはもう慣れていた。爪切りもした。妊娠中は爪切りなんて怖くてできない!!なんて思ってたけど、怖くないし、できてる。
沐浴指導もしてもらって、さすがにこれはドキドキしたし、腕がやばかったので、夫の役目だなと改めて思った。笑

2020.12.07
やっときた退院日。この日が待ち遠しかった。夫がお部屋に来てくれた瞬間に泣いてしまって、抱き合った。嬉しい。
夫は1週間ぶりの娘と対面、嬉しそうで可愛い可愛いを連呼。そんなに子どもが得意じゃない彼も親バカだった。というか、親バカであってほしい。彼女の1番のファンは多分わたしじゃなくて、夫だ。
わたしは同性だし母親だから、既にファンとはちょっと違う。夫ももちろん父親なんだけど、やっぱりなんだろうね、一番近くで応援して、何もかも差し出してくれる熱烈ファン。まだとにかく可愛い赤ちゃんだからかな。きっと大きくなっていくにつれて、また関係性が変わるのだろうな。

車で帰宅すると、既にお義母さんがお部屋のお掃除や赤ちゃんの空間を整えて、美味しいご飯を作って待ってくれていた。
車を降りてお義母さんの顔を見た瞬間、泣いてしまった私に、頑張ったね、寂しかったよねと頭を撫でてくれて、ああ、この人達と家族になれて良かったと思った。

こうして1週間のむすめとわたしの入院生活がおわった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?