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私の夢、

これは私の勝手な妄想だから、今この気持ち、感覚を大事にしたい。

夜になると、不思議な気持ちになることがある。あの気持ちをなんと表現したらいいのかわからないし、言葉にできるとも思わないけど、残しておきたい。

私は学校や用事がないときは一日の殆どを家で一人で過ごす。家というと少し狭いけど、部屋というには広すぎる。

新宿の真ん中に立つマンションの11階。都会の光の一端だ。

ベットの横にはベランダに続く窓がある。正方形の小さなベランダには非常階段と室外機があるだけで、心ばかりにおいてあるプランターには名前もわからない植物がもう枯れてしまってぐったりと倒れている。

特に魅力もなく、理想の部屋ともかけ離れているけど、私にとって大切な空間だ。

夜、寝ようと思って電気を消しても、外の光が入ってくるようで少し明るく感じる。ブラインドを閉めようと思って、窓に近づく。

この刹那、窓から感じる少しの冷たさと、暗くなった部屋に独りの私、星の見えない都会の空、すべての感覚が研ぎ澄まされた気がして、心地良くなる。すごく独りで孤独を感じるのに、この空の下には人が生きていて、好きな人も今この瞬間この空を見て生きていると思うと、その一瞬陶酔感に浸ることができるのだ。

そんな夜は、ふわふわした気持ちのまま眠りについて、永遠のような夢を見る。

あれはきっと、春だったと思う。気づいたら私は、君のとなりを歩いていた。横に広がる道路、両脇には満開の桜が永遠と続いていた。青空の下、花びらが雨のように降る道を、ただ二人で歩いていた、世界に君と私だけだった。


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