人間カメラ 春を振り返る

春の花々に、ぶらんこ
何度か通り過ぎてきた公園に、こんなツボを突く光景がひろがっているとは
もっと撮りたかったのだけど、運悪くスマホの充電は1%、シャッターを押した瞬間に画面が真っ暗…(泣)
撮れていないかもなぁと残念に思っていたけど、残ってくれていた

撮影したのは4月10日
春の風景は移ろいやすい
もうこの景色は見れないかもしれないけれど、行けなくはない距離なのでまた覗いてみよう

この公園の隣にある緑道では、桜の花びらが木の根元に無数に落ちていて、とてもうつくしかった
じっと見ているうち不思議な気持ちになり、ハッとした
木の根はたくましく複雑に絡み合い、その隙間にぼうっと白く浮かぶ花びらたち
生命の縮図を垣間見たようで、ひどく感動してしまった
手元にカメラが無いことを呪った
代わりに焼きつけるかのようにじっと見つめる
おかげでまだ鮮明に思い出すことが出来る 人間カメラも捨てたもんじゃない

そういえば、桜が満開の時期にオフィス 街の小さな公園で微笑ましい光景を見た。
3、40代のスーツを着た男性が突然しゃがみ、3cmほど積もった桜の花びらの中へ手を入れたのだ。ズボッと。

見た瞬間、「何してるんですか?」と声をかけそうになった。
近寄っていくうちに男性は立ち去ってしまったけれど、わたしはその男性がいた場所に立って、おなじように桜の花びらを眺めた。そして、無粋なことを聞かなくてよかったと心底思った。

無表情な、何食わぬ顔で立ち去った見知らぬサラリーマン風男性。この桜の花びらを前にして、彼の気持ちがよく分かった。これは触りたくもなる。きっと、つい手が伸びてしまったんだろうな。去り際のあの無表情。見ていたわたしに気づいたのだろうか?そう思うとちょっと可笑しい。

しかしまぁ、花びらに触ることは春を感じる一番良い方法かもしれない。
桜ってふしぎで、毎年驚かされている。生命の息吹き。新鮮な輝き。
来年はわたしも、触ってみたいものです。さようなら、春。また来年会いましょう。

↓件の公園の別場所 これよりもっと大量に花びらがありました


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