しんがりの亀


街に出て用事を済ませてから、ブーゲンビリアと、水色の花(ジャスミンのような香り)の小さな木のポット、室内用の観葉植物を買った。3つで1080円。エアコンがあまり効いていない高架下の喫茶店で、生搾りグレープフルーツジュース、680円。


原田マハさんの小説、リボルバーが最近読んだ本の中では面白かった。ゴッホは、本当はもっと生きたかったのだと思う。37歳で自らの胸を撃ち抜いた。2ヶ月間で70枚の絵を描き、命をたった。精神を病んでからの絵がとくに素晴らしかった。

アルルの町の人々は、ゴッホのことを恐れた。人々が警察に請願書を出してゴッホを拘束して監禁した。

「ぼくのことを、自由な生活を送る資格のない人間か何かのように名指ししたのだ」「たったひとりの病気の人間に大勢で立ち向かってくるような卑怯な輩が、ここにはこんなにいることを知った時、まさに胸の急所を棍棒で突かれたときの衝撃がどんなものだったか、想像してみてくれ。」「気晴らしがないので ー ほかの病人には許されているのに、ぼくには煙草を吸うことさえ禁止されている ー ほかにはやることもないので、ぼくは日夜知っている人たちのことをずっと思っている。
なんと情けないことだろう。」
- テオ宛の手紙より -

ゴッホが亡くなり、担当医師や、テオやヨーや、母や妹やゴーギャンや、モネ、多くの知人、友人がどれほど、どれほど彼の喪失を嘆き悲しんだことか、彼らの手紙に残されている。


友だちがふたり遊びにきた。
夜はホドロフスキーの飼い猫のタロットカードでふたりの相談事を占った。

翌朝は朝ごはんの前に、コンビニへバニラアイスと氷を買いに行き、アイスコーヒーを作り、アイスをのせて、アイスオンアイスオレにして食べ飲みした。
蝉が鳴いて、山の鳥たちが鳴いていた。いかにも夏らしい夏だが、今年の夏は何か胸がすこし苦しくなる。理由など知りたくない。早くすぎてくれと願うのに、近頃は時の流れの遅さを感じる。まるで最後尾をすすむ亀。

猫は夜通し家を出たり入ったり、いそがしく過ごし、朝に帰宅して床の隅っこで熟睡していた。写真を撮るのが好きな友だちが、うちの猫の写真を何十枚も撮っていたらしく、ラインで送ってくれて、嬉しかった。

友だちと夕方まで遊び、バス停で見送り、またねと別れた。寂しくなった。近ければいつでも会えるのだが。

Aマッソの単独ライブのビデオ配信を観た。面白かった。あいぴーの声が枯れてハスキーになってしまっているのが、個人的には残念におもう。加納さんに負けないようにと声を張り上げすぎて、声帯を壊しちゃったのか。中華のコントからの、歌。でむちゃくちゃ笑った。食い逃げしたあいぴーを加納さんが死守する漫才も、おかしかった。フリーメイソンで革命の話は加納さんに振り回された。小さすぎて外されてしまった惑星の話がとても印象的。わたしはこのふたり組に、今とてもいい夢を見させてもらっているのだ。今夜も観ますよ。


リリーフランキーのラジオで、リリーさんのオカンがオカンの姉たちへ悪戯(ゴムヘビのおもちゃを湯船に投下)する話をしていて、急に、無性にあの映画を観たくなった。東京タワー オカンとボクと、時々、オトン。何度も泣けた。日本には、中川雅也がいる。がんばれ 中川さん


これから夜の準備。花の水やり。










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