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誰が給料払ってると思ってるの?

「誰が給料払ってると思ってるんだ」

ある社長が言っていました。

従業員の働きが悪かったのか、言動が気にくわなかったのか、ケースバイケースでしょうけれど、このように考えている経営者は多いです。

この考え方は色々ヤバイです。

金を払う人が偉いという思想

まず、こういう言動をする人は、「給料を払う立場である自分のほうが偉い」という考えをしています。

給料払ってやるんだからもっと働け、逆らうな、ということです。

これは明らかに間違っていまして、そもそも労使というのは、対等な関係です(法律上、労働者を保護する規定はありますが、それはひとまず置いておきます)。

労働者は労働力という役務を提供し、使用者はその対価として給料を支払う、ただそれだけの関係です。

もちろん業務上の指揮監督命令の関係で一定の上下関係のようなものはありますが、それはあくまで業務上の話です。

人として、上下があるということではありません。

であれば、当然他人に対しては礼節をもって対応するのが、常識的な大人のあるべき姿です。

にもかかわらず、給料を払う側が偉いと思っている経営者が多いです。

大っぴらには口には出さなくても、内心そう考えている経営者が大半でしょう。

経営者でなくても、店員に対して横柄な態度をとる人もいますから、「金を払うほうが偉い」と考えている人が多い、ということなんでしょう。

そう言いたくなる気持ちもわかりますが・・

さて、私も経営者の端くれですから、思わずそう言いたくなってしまうこと自体は理解できます。

自分はリスクを負って経営し、もし倒産しても生活の保障もないわけで。

そんな中従業員は毎月決まった給料をもらい、それでいて期待する働きもせず、文句ばっかり言っている。

「誰が給料払っているんだ!」

と言いたくなるのも当然です。

雇ったのはあなたです

しかし、人を雇って事業を拡大する、という選択をしたのは、その経営者です。

別に、人を雇わず、自分一人で小さいままで経営していくという選択もできるわけです。

にもかかわらず、そうしなかった。

ならば、その状況に文句を言うのはフェアではありません。嫌なら、一人に戻ればよろしい。

実際、人を使うことのストレスに耐え兼ねて、一人経営者に戻った社長もたくさんいます。

もし従業員が全員辞めたら?

従業員に不満がある経営者は是非考えて欲しいのですが、もし明日、全員が一斉に辞めると言い出したら、どうしますか?

法律上は2週間前に申し出をすれば、退職は可能です。

2週間で、同レベルの人員を確保できるでしょうか。

業務は回りますか?

困るなんてものではないですよね?

困るということは、従業員のおかげで会社の仕事が回っている、ということです。

感謝の気持ちを持ちましょう

であれば、まず従業員には感謝の気持ちを持つべきではないでしょうか。

もちろん、従業員に改善してもらいたいことはたくさんあるかもしれません。

それでも、最初に持つべきは

「誰が金払ってやってるんだ」

ではなく、

「あなたたちのおかげで会社が回っています、ありがとう」

ですよね。

この気持ちが持てない、使えない従業員にはウンザリ、という方は、どうぞ一人で経営なさってください。

そのほうが、従業員もあなたも幸せになれます。

まとめ

・労使は対等。金を払うほうが偉いのではない

・人を使うという選択をしたのはあなた。嫌なら一人でやれば良い

・まず感謝の気持ちを持ちましょう

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