ミスティックグロウの一周忌
ミスティックグロウの戦績は、2年9ヶ月で7戦3勝。元気な競走馬だった期間は、あまりにも短かったという印象ですが、その中でJRA3勝という数字は輝かしいものです。しかもデビュー3連勝という、地力が無ければ成し得ないものでした。
ミスティックグロウのデビュー戦は、2018年の安田記念デー、相手のほとんどが経験馬という3歳未勝利戦。
実はその日、ユキノマルガリータとユキノエルドールの応援で阪神に行っていまして、私はその大層なミスティックグロウのデビュー戦を見逃しました。
直線入口では、前に14頭がいる後方、そこから1頭、また1頭と、前方の馬へ馬体を併せて行く。決して器用とは言えない直線ですが、弾力に富んだフォームで素晴らしい時計を出して1着。
G1デーに非凡さを見せつけてのデビューとなりました。
そこから勝って、勝って。
勝ったけど、のどの手術して、休養。
明け2戦目の東京・甲斐路Sで、私は初めてミスティックグロウと対面します。
そこには生命力を目一杯ぶちまけたグロウくんが。
今でも思い出すと涙が出る。
パドックの爛々と輝く表情、コースに出た時の躍動感を忘れることはできません。
それから世の中はコロナの渦へ。
ミスティックグロウは、1年の休養中にセン馬となり甲斐路Sで再び戦線復帰。
出遅れや道中かかるなど、ますますお盛んな様子。
次の幕張Sでは、心房細動を発症。
その後の休養がグロウくんにとって良いものとなりますよう、祈るばかりでしたが。
その間、取り入れ始めた障害練習中に第3中足骨骨折で予後不良の診断。
病やアクシデント続きの競走馬生活。
ですが、改めてミスティックグロウのレース振りをすべて見返してみると、敗れたレースでさえなんて迫力があるんだろう、負けず嫌いの性格が出てるような走り方だな、弱々しさが微塵もない。
障害練習もがんばっていたんだろうな。
グロウくんが歩んだ道を全て誇りに思うよと言ってあげたいと思います。
どうか、安らかに。
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