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海で拾った小瓶のような


便箋の宛先はきっと私じゃないけれど
それを拾ったわたしは、あなた宛の返事を書くよ




背景、海の向こうのあなた


すてきなお手紙をありがとう
内容、読みました。


あなたは誰かに届けたくて
この手紙を書いたんですよね

だからお返事に書くことは
一つだけだと思います。

届いてるよ
読んでるよ
あなたは存在していいんだよ
わたしが、あなたを知っている


一つといいながら、長くなりました。
でも、意味はすべて同じです。


このお返事は、あなたに届くのでしょうか

でもきっと、
あなたは受け取ることを
本当に求めていないと思っています
そのために書いてるわけではないですもんね
拾ってくれる誰かがいればいい、と。


なので、この手紙は
もしかしたらあなたじゃない
知らないだれかが拾うかもしれません


でも、そのだれかは、
もし、こころがすこい大きいひとだったら
あなた宛の手紙を書いてくれるかもしれません


私の手にあるこの手紙も、
もしかしたら
だれかの手紙を読んだあなたのやさしさが
海に送り出したのでしょうか

私にはわかりません



でも、わかることは
世の中って実はそんなかんじなのではないでしょうか



だれかにもらったものを、まただれかに届ける

そうやって、たくさんの手紙が
書かれていくのではないでしょうか



お返事が直接届くということは
奇跡のようなことで
しあわせなことなんだと思います

そう思うと、手紙を手渡しできるわたしは
とてもしあわせなのではないかと思います

しあわせを知ってしまったわたしは
あなたに届くといいなと、思ってしまいます。

また、手紙を書いてくださいね。待ってます。


敬具


きっとこのボトルメールの送り主は
空にことばを放りなげるわたしといっしょ

だから、あなたがいることで、わたしもいる
あなたを知ることで、わたしを知る



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