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あいのりを見てアフリカのことを知る

久しぶりのnote。

このnoteを書いていない間、何をしていたかというと大学生に戻っていました。(笑) 周りの同期は卒業し地方へ行ったり大手企業に就職する人もたくさんいて彼ら、彼女らの見送りをしていました。みんな本当にすごいなと。僕も負けてられないな。それと同時に1年間企業でインターンをしてきて、あと1年ある大学生活、無駄に過ごしてはいけないなとも思いました。「社会」というものは1学生がちょろっと体験したようなことで役に立てるような甘いところではない。だから日々一歩ずつ成長していくつもりで臨まないと。

さてこんな前置きなのにも関わらず今日のテーマは「あいのりを見て」というテーマです。みなさんあいのりって知ってますかね?(笑)友達に話したら知名度は半々くらいでした。僕はnoteを書かない間、卒業生を送り出し、その合間の移動にネットフリックスであいのりを見るというくそみたいな生活を送っていました。(笑)

1.そもそもあいのりとは?

さてここから本題。あいのりとは7人の男女が海外での旅を通して真実の愛を探す(?)恋愛観察バラエティ。たぶん僕の親世代の人は最初のシリーズとかを見ていたのではないかなと思う。ラブワゴンという車に乗り込み、その車で観光地やときには大自然の中を旅し、お互いに絆を深めながらときには恋愛をしていくというものだ。2019年に放送したのはアフリカンジャーニー編でケニア、ウガンダ、ルワンダ、タンザニアでの旅だった。

僕はあいのりを恋愛バラエティとしても色んなところで恋愛が動く様子は面白かったし感動もしたのだが、それ以上に旅を通して成長していくメンバーたちだったち現地の人たちを見てとても深い学びになったので今回その学びを記していこうと思う。

2.大人が全力で何かに向かって突っ走ること

まず僕が一番感じたのは何かに全力で向かう大人たちの姿。メンバーはみんな若いとはいえ僕よりも年上。大人になればなるほど純粋に何かに向かって全力で突っ走る経験って難しい。そして大人が恋愛して涙するのって普通に日本で見たら「痛い!」って見られるかもしれない。でもアフリカという、言語も、文化も違う世界では皆生きることにも必死だし、皆そこにいる気になる異性に思いを伝えるのに必死だった。

ゆーじーという今まで恋愛で負け戦をしたことがないと豪語した男がいたのだが、彼がアフリカでの旅を通してはじめて恋愛本気で向き合い告白する姿はとても胸を打たれた。本気で何かと向き合うことはカッコいい。これは社会人になる手前の今だからこそ心に刻んでおかなければならないことなのだと思う。

3.自分と向き合う

そして僕はこの番組の魅力は恋愛以外のところにあると思っている。僕が強く感じたのは本気で自分と向き合い成長していく姿だ。あいのりの舞台はアフリカ。水や食料を口にしただけで死に至りかねない病気になることだってある。実際番組ではメンバーがアメーバ赤痢という重病にかかって入院したり、リタイアしたメンバーもいた。そんな過酷な環境の中で「自分がなぜなんのために生きているのか」という根本に立ち返るメンバーたちを見て考えさせられることが多くあった。

僕が印象に残っているのは男子メンバーの「しゅうまい」。彼は昔からかなりぽっちゃりで彼女いない歴=年齢の大学生なのだが、旅を通して自分を見つめなおす。彼はアフリカの現地の人の話を聞いたりする中で「見返りを求めない優しさ」を追求したいと思うようになった。自分の恋愛だけでなくみんながどうやったら旅を楽しんでもらえるのか。彼は結局最後まで相手を見つけることはできなかったのだが旅の最初と最後での彼の顔つきは見違えるほどに変わっていた。画面越しでもわかるほどに。たぶん日本では絶対に得られない何かを感じたのだろうなと思った。

4.アフリカの今。そして「過去を許す」ということ

そしてもう1つ。僕はこのあいのりを見ながら現地の人たちの過去の悲劇を知ることになった。あいのりはただメンバーの恋愛の様子を垂れ流すだけでなく、現地の人との交流や体験を通して彼らの文化的、歴史的な背景をメンバーと一緒に学んでいくコーナーがある。(僕はそこを含めてこの番組が好きなのだ、、)

僕はそこで衝撃的な映像を目にすることになった。それはルワンダ編でのことだった。実はルワンダは今世界各国から「アフリカの奇跡」と呼ばれ、ICT環境の発達、教育の整備など様々な面で世界から注目されている。気になる方はぜひこの記事を読んでみてほしい。そしてぜひネットフリックスであいのりアフリカ篇の12話を見てみてほしい(笑)

実際映像でルワンダの都会を歩く様子が流れるのだが、冗談抜きで新宿や池袋といった都市部を見ているようでとても僕が知っているアフリカの様子ではなかった。

一方でルワンダには民族同士の長い長い対立、そしてルワンダ大虐殺という悲しい過去があり、大虐殺ではなんと1日で45000名もの人が殺害された。この爪痕は今も大きく残っている。対立した民族はツチ族、フツ族というのだが僕はそこで衝撃的なシーンを見た。

それはメンバーがある家を訪れたシーン。その家には虐殺で夫を亡くしたフツ族の女性と、その夫を殺したツチ族の男性が隣に座っていたのだ。話している途中で知った時、あいのりメンバー全員言葉を失っていた。僕も電車でそれを視聴していたのだが思わず声をあげてしまった。

実はこの2人、男が虐殺して牢屋から釈放された後、この女性に直接旦那さんを殺したのは私ですと謝罪したのだそう。そしてその女性は彼を「許す」という選択をした。

そして僕はその話をした後に彼女が言った言葉がとても印象に残っている。それが

「悲しみを乗り越えるために必要なのは許すことなのです」

という言葉。この瞬間僕は色んなことを考えた。自分が彼女だったらどういう選択をしていたのだろう、許せていただろうか、と。でもあまりにも自分にとって非現実な世界すぎて答えは出せなかった。

このようにアフリカでは今急成長と過去のヨーロッパ進出による争いの遺産が数多く残っている。もちろん未だに貧しい、争いが起こっている国もたくさんある。そんな当たり前だけどどこか遠く感じてしまっていた問題が映像を通して少し自分事に寄せて考えられるようになった。そしてこう考えたからといって結局何もできない自分の小ささというものも実感した。

5.最後に

最初は暇つぶしにと思ってみていたあいのりだが、気づいたら自分の様々な人生観について立ち返ろうと思うほど深い内容だった。人としてどう生きるか、どうやって人とともに生きていくか。大げさともいわれそうだけどそんなことまで考えさせられるあいのり、めちゃくちゃよかったです。

そして僕はこの物語とともにテーマソングであるOfficial髭男dismの「ビンテージ」という曲が本当に好きになった。

悲しい過去なんか1つもないのが理想的だって価値観を持ってた。
きれいとは傷跡がないことじゃない。傷さえ愛しいという奇跡だ。


この歌詞はもちろん恋愛を意識して書かれたものだと思うけどあいのりでのアフリカ旅の様子を見てから改めてこの曲を聞くと、戦争があって、それでも生き抜いてきた人たち。心にも体にも傷が残ったまま生きているけれど、それでもその傷さえも大切にしていこうというメッセージなのだと僕は理解した。

ぜひ興味持った方はネットフリックスで見てみてください(回し者ではありません笑)



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