嗤う繊月⑩


魔が魔がしきに触れるな


そうですよ!

何でも聞けばいいというもんじゃないし、
何でも知ればいいというもんじゃないんだ。

視界に扉が見えてても、ドアノブに手を回さない勇気だって、必要なんですよ。

世の中にもね、オレ達がわざわざ知らなくて良いことは、たぁくさん、たぁくさん、ありますから。
それによって命拾いしてることだって、無自覚でしょうけど、日々生まれてるんですよ、無数に。



んっふっふ。


ん?さっきの、自分が心霊スポットに行ったのが、何故わかったのか、教えてくれ?知りたい。気になる。…………って?

…………やだな。今言ったばかりじゃないですか。

わざわざ知らなくていいことは、この世に山程あるんだ。



んっふっふ。



悔いが残らないように、毎日お暮らし下さい。








→ 閑話「ダムを見下ろして」を挟んで第4章「国栖法之」へ、後に最終章「あなた」へと続く

よろしければサポートお願いします。 いただいたサポートはクリエイト活動に費やします。