幽玄狂鬼!9
「ハァァッ!!」
逃げ惑うラウ。
構わず追いかけてくるランタオ。
飛び出た眼球は白く、得体の知れぬ粘液を眼窪から出している。溶液の様にどろどろに溶けた頭部が、ラウを目標にして追いかけて来る。
扉を開けた。
地下の儀式場だ。
室内を迫ってくるランタオ。
後退りすると何かがガツンと腰にぶつかる。
後ろを向くと祭壇だった。
祭壇の上にあるツボを取りランタオに投げつけた。
壺が割れ中の粉塵が飛び散る。
バチバチバチィ!
蟲粉を浴びせられた上半身が火花を吹いて爆発し、ランタオは腕をかいてもがいている。
(何これ……効くじゃない!)ラウの目が輝いた。
こちらに歩みなおすランタオ。
ラウは壺の側にあった香皿を掴み、ブン投げる。
バチバチバチィ!
肉灰を投げられたランタオの胸がまたも火花飛び爆発した。
小休止するが、それでも迫るランタオ。
祭壇を更に探すが、手はスカスカとからぶる。
(あっ!なんにもない)
……と思ったが遅く、ラウは喉元を手に掴まれ、祭壇に押し倒された。
ランタオと顔を見合わせる形で、喉を締められる。
舌を出し息を吸い込もうとする苦しいラウ。
「うげげっ」
(あっ!……あっ!……何にもない!)
それでも体をねじらせ両手で祭壇をまさぐる。
何かを掴んだ。この感触は。
盤の上の土人形達に刺さっている針を2本抜き、両の手に持ち、ランタオの両目を打つ!
両目に針を刺し、目が潰れたまま、向かってくるランタオ。しかしこちらは見えていない。
完全に視力を失っている。
インが現れた!「ラウっ!」
見えないランタオに回り込んで祭壇に飛び上がり
二人でランタオの延髄に向かい
右手を前に構えたインとラウの正対象同時キック!
「「ヤーーーーッ!」」
少しランタオの頭が弾かれた。着地をし目を合わせ頷き合うラウとイン。
もう一回はずみをつけて祭壇に足をかけ宙に飛び上がり、二人で急所キック!
ランタオが足をついて倒れかかる。
重ねてイン、ランタオの頭めがけて「ヤーーッ!!」と思い切り助走をつけ蹴撃に向かう。
も、化け物に蹴ろうとした足を掴まれ逆にピンチ。
思聡助ける。
ラウ、赤ちゃんキャッチ!
ランタオ消滅!
女消滅、赤ちゃん無事キャッキャ笑う。
そこに巨軀に貫かれてた見張りの男現れ、すっかり魅了され「どこ~」とメロメロ、呆れられる。
見張りの男はキョロキョロと探し回り
「どこ~~?あの逞しい透明な巨人さま、どこ~~!」
➖劇終!!➖
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