面白い未来の作り方15「星野リゾートの公式」

「日本の観光をヤバくする」
そんなヤバいミッションを掲げ、星野リゾートを率いるのが、星野佳路(よしはる)社長です。軽井沢の老舗温泉施設から、日本全国で人気のリゾートを運営する企業へ飛躍させた4代目の経営者。
もちろん、ヤバいとは「VERY GOOD」「COOL」という意味です。
一度は泊まってみたい憧れのリゾートブランド「星野リゾート」。

今日は、その星野リゾートから学ぶ
面白い未来を迎えに行くフォーミュラ(公式)を紐解きます。

星野リゾートは、高級旅館・ラグジュアリーホテル「星のや」、和の趣の温泉旅館「界」、スタイリッシュなリゾート「リゾナーレ」など、国内を中心に、新しいコンセプトで、宿泊施設を次々に創造している、日本を代表するリゾート会社ですが、破綻しかけていた旅館や温泉施設(だから決して設備が良かったり、オシャレだったりするわけではない施設も)次々に、リピーターが多い大人気の宿泊施設として再生させていくその手腕もまた見事なんです。

星野リゾートだけでも、いくつものフォーミュラ(公式)をあげられるんですが、今回、1つに絞るとしたら「認識力」。ここがすごいのです。

星野リゾートは、「車で60分以内に行けるところは全て自分の旅館の魅力である」と認識している節があります。
例えば星野リゾートの「界 津軽」がプライベートツアーでオススメしているプランに「世界自然遺産の地・白神山地へ専任のガイドと行くプライベートツアー」があります。

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宿泊費とは、別料金になりますが、白神山地の魅力を存分に知りつくしたガイドさんに案内してもらう白神山地、その美しい森の探索は、清々しい空気に心身が浄化されるような最高の体験となります。そして、その満足感は全て「星野リゾート、素晴らしかった」という感想に集約されていきます。車で60分以内に行けるところは全て自分の旅館の魅力であると認識し、プロデュースしているんです。
旅館の近くに、星空が綺麗なところがあれば、そこへお連れするコースを別途有料ですが作り、そこでは折りたたみベットの上で寝袋に包まれて星空を眺めるコースを用意したり(音楽もかけてくれて、温かい飲み物も用意してくる)、その土地土地の魅力を最大限に楽しめるコースに仕上げているのです。

また、青森の「青森屋」では、標準語を使わずに津軽弁だけで接客サービスをし、スタッフが何をしゃべっているかわからず、まるで外国にいるみたいになることも時々あるそうですが、津軽弁もこの土地ならではの「魅力」として認識し、エンターテイメントとして楽しんでもらう演出になっているのです。
また「青森屋」では、夏祭りの季節には、街を彩る「金魚ねぷた」にちなんで廊下の天井一面に金魚ねぷたが吊り下げられた「金魚ねぷた回廊」が作られます。
青森の文化も旅館の魅力として演出しているわけです。

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星野リゾートは、その土地の魅力がそれぞれ活かせるように、各旅館やリゾートによって、ひとつひとつコンセプトやこだわりが違います。

星野さんは言います。
「企業経営は、経営者個人の資質に基づく『アート』の部分と、論理に基づく『サイエンス』の部分がある。私は経営職に就いた当初から、自分にアーティステイックな経営判断を行う資質があるとは思っていない。どんな時にも直感を信じることができず、それはあまりにもリスクが大きいと感じてしまう」
『星野リゾートの教科書』著:中沢康彦著/編:日経トップリーダー(日経BP社)より

アート(直感)とサイエンス(科学)は、右足と左足の関係と言っていいでしょう。どちらも必要で、両方あって初めて一歩前へ踏み出せます。
しかし、星野さんは、自分にはアートの資質がないと自覚している。この視点こそ、星野さんの最大の凄みです。自分の欠点をしっかり自覚し受け止めているからです。だからこそ、自分は、資質があるサイエンスの道を極め、サイエンスの枠組みの中で、ひとりひとり、社員のアートを引き出す経営をしてバランスを取っているのです。
事実、若手の社員でも、星野さんと気楽に話し合える空気があり、宿のコンセプトも現場のスタッフたちが自ら練り上げて決めるのだそう。その土地の魅力を活かすアイデアも現場の人だからこそ出せるわけです。

星野リゾートは、車で60分以内に行けるところは全て自分の旅館の魅力であると認識しているわけですが、この公式、僕らも応用できるんです。

例えば、僕は、僕と出会う人は皆、僕の可能性の一部であると認識しています。
その認識で作ったのが、この本です。

名言セラピー緑

僕の本の読者さんも僕の可能性の一部であると思っているので、読者さんから感動ストーリーや名言エピソードを寄せていただき編集して、読者さんたちと一緒に作った本です。
また、下記は、息子の面白エピソードをまとめた1冊です。息子の面白さも僕の面白さの一部だと思っているんです。

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当然、僕の友達も僕の可能性の一部だと思っていますので、下記は友達の大嶋啓介さんと作った本です。大嶋の必殺技と僕の必殺技を掛け合わせてコラボした本です。この本は2019年度のビジネス書グランプリの自己啓発部門でグランプリをいただき11万部を超えるベストセラーになりました。

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僕の場合は、共著がとても多いのですが、出会った人は皆、僕の翼の一部、僕の可能性の一部だと思っているからです。

同じように、お客さんを自分の店の魅力の一部と考えている飲食店があります。
居酒屋「魚串炙縁」(うおぐしあぶりえん)です。
東京・池袋駅から20分、立地も悪く、1回行っただけでは辿り着けないような小道を行くんですが、全国からこのお店目当てで訪れる人がいる超人気の居酒屋で、第6回居酒屋甲子園で1371店舗の中から決勝進出を果たしています。

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「魚串炙縁」は、「居酒屋はお客さんの夢を叶える場」=「パワースポット」と捉えているので、お店の人が夢を聞いてきたりするんです。それで、独立してラーメン屋をひらきたい方がいたら、その人に料理長をしてもらって1日限定ラーメンナイトをひらいたり、ミュージシャンを目指してる人がいたら居酒屋で投げ銭ライブをひらいたり、話が面白い人がいたら、開店前にお店を講演会場にしちゃってみんなで話を聞いたりするんです。それで、お客さんの夢を応援できちゃうし、お店としても他にはない、魅力的な店になっていくわけです。だから、1週間に8回も来るお客さんもいるほどです(笑)。週8というのは本当で、1日に2回イベントがある日は2回来てくれるからです。お店に毎日来たいから、近くに引っ越したというお客様もいます。
「魚串炙縁」に通ううちに、お店の人が自分の夢を知ってくれるようになるので、お客様同士を紹介してくれたりもします。すると、出会いも生まれ、恋も生まれ、子どもも生まれる居酒屋(笑)。それで、この居酒屋を中心にコミュニティが生まれて、お客様同士で休日ピクニックに出かけたりもしているのです。
出会った人全てを自分の魅力にできるんです。


Hi Future!
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「出会った人」(お客様)=「自分の魅力」。
出会う人、お客様すべてが自分の魅力だとしたら
新たにどんなことができそう?
どんなコラボが生まれそう?
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君が出会った魅力は
すべて君の魅力にできるんです。
そう考えたら、
素敵な人に会えば会うほど、自分の魅力もましていくわけです。

●THE WORK!
あなたの故郷、あなたの住んでいる地域、
そして、あなたの出会った人すべてが
あなたの魅力だとしたら、
どんな楽しいことができそう?
どんなコラボが生まれそう?


●THE WORD!
「素敵な人に会ったら、未来の自分だって思うようにしてる」
by絵本作家のぶみ


WE ARE THE FUTURE
ひすいこたろうでした。
▲▲▲アリガ島▲▲▲

今日の参考文献はこちら。
編集者の滝本洋平さんが僕に本を書いて欲しいと依頼しにきてくれたんですが、よくよく話を聞いてると、この滝本さん自身がすごく面白かったので、「あなたが半分書いてくれたら本を書きます!」と言って、無理やり著者として表に出てきてもらい共著で仕上げた本です(笑)
おかげでめちゃめちゃ面白い本になっています。これも出会った人の魅力は僕の魅力でもあると思っているからこそのコラボ作品だと言えますね。

Hisui_Book_カバー_1028_帯有

なぜジョブパネル_o


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