ろうそくは消えるその瞬間、少しだけ明るくなる。

「灯滅せんとして光を増す」

ろうそくは消えるその瞬間、少しだけ明るくなる。
これは本当。ロウがなくなって、芯が燃えるからだそうだ。

昔の人は、非常に聡明で、これを人の人生に見立ててことわざにした。
すなわち「人が死ぬ直前は少しだけ容態がよくなる」と。

歳を重ねるごとに、小さな命が生まれるところを見ることも、この世からあの世界への引き渡しを見届けることも増えてきた。
この言葉に思い当たることもある。

命ある生き物って不思議なチカラがあるのでしょう。

何かを辞めようとするとする人にも、この言葉は当てはまる。

よく転職前日の人は無敵なんて揶揄される。
失うものもなにもないし、明日のことを考えなくていいから吹っ切れるように明るくなるのだろうか。

そして自ら命を絶とうとしている人間も、最後はなぜか少しだけ明るくなる気がする。
たびたびテレビから聞こえてくるニュースで「亡くなる前日は、普通に登校して、明るい印象だった」と耳にする。

覚悟を決めていたのか、衝動的なものなのかは、自分がそっちに行かない限り聞けないから、本当のことはわからない。

ただ少しだけ、普段より明るい人を見ると、気になってしまう自分がいる。
次の日も会えると安心する。

どうか覚悟が悪い方向に向かないようにしてほしい。
それは覚悟ではなく、諦めであると知ってほしい。
諦めをするときは、別のことに覚悟を決めてほしい。

今日も自分に言い聞かせよう。
誰か守りたい人を守れるように。自分を守れるように。


なんか重い話を書いた気がする。
疲れていると、こんな話をしたがってしまう。


ろうそくは寿命があるけど、ろうを継ぎ足せばいつまでも燃える。
継ぎ足してくれるのは、周りの人だったり趣味だったり人生を豊かにするものだよ。きっと。

貴方の人生のロウソク、今日も燃えているかな?

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