一物多価の「携帯料金を下げろ」と民間への恫喝が目玉政策という痴態~店舗・接客サービスの価値(価格)は高い

「携帯料金を4割下げろ」と民間企業へ恫喝が新内閣の目玉政策という痴態に、問題提起です。 痴態な理由(政策の問題点)は以下2つ。

1 携帯料金は一物多価 (高い方法もあるが、格安な方法が既にある)
2 携帯料金を下げる努力は全て民間、国・行政は何も努力してない

 
2は、4割削減すべきは「議員の報酬・人数、公共事業費」という当たり前な話。以下、1の話です。

商品・事業は「一物多価」になり、事業は多様化

 一物多価とは「同じ商品が、販売する場所・方法・時期等により、価格が大きく違う」事。 販売する場所・方法・時期等が更に変動すると、価格は更に大きく変動します。

一物多価の例は携帯料金の他に、飛行機代、宿泊費、カフェのコーヒー代。

カフェは、座席飲みと立ち飲みで、価格が3倍違う

 カフェのコーヒーは西欧では、立ち飲みと座席飲みで、価格が3倍ほど違う。カフェ事例は、新内閣の目玉政策が正しくない説明に最適!

携帯は、キャリアと格安SIMで、価格が3倍違う

 携帯料金は、月額使用代も端末代も、一物多価。組み合わせ次第で、価格は異なる。 まず、ここを正しく定義・理解しないで「携帯料金を下げろ」と曖昧すぎる点でダメ!

事実、2年前に菅氏が「携帯料金は高い、4割下げろ」と恫喝した時、キャリア各社は定義・理解の曖昧さを踏まえて「4割下げた」と言い、一見落着。

菅氏は不満で、総理になって捲土重来。だが、今度も曖昧なまま「4割下げろ」と。菅氏の意図は「月額使用代が、キャリアは格安SIMより3倍高いから、4割下げろ」と推測します。

この菅氏の意図は「カフェのコーヒー代が、座席飲みは立ち飲みより3倍高いから、座席飲みを4割下げろ」という屁理屈と同じ。 
これを以下、NTTの携帯事業で説明します。

NTTは、ドコモでキャリア、OCNで格安SIM

 NTTは、NTTドコモという子会社でキャリア事業を営み、OCNモバイルという子会社で格安SIM事業を営む。
 カフェが座席飲み事業と、立ち飲み事業を併行するのと同じ!

OCNモバイルの月額使用代は3GB、1480円。日本で最も安い。 NTT、努力してます! しかも、固定電話でNTTか、プロバイダーでOCNを組み合わせると、更に安くなる。

価格を安くできる理由は、店舗を持たない(店舗代、人件費が不要な事業だ)から。

NTTドコモの月額使用代(3GB想定)は、OCNモバイルより3倍は高い。
価格が高い理由は、店舗が多い(店舗代、人件費が高額だ)から。

価格(価値)の差は、店舗代と人件費(接客費)

 一物多価になる要素として「店舗代、人件費」の2つが大きい。流通業はこの節約に「街の小店舗→郊外大型店→ネット通販」という進化・使い分けを実現。

 そう、使い分け。 カフェで、立ち飲みより3倍も高くても、座席飲みを選ぶ顧客は「店舗での居心地、接客に価値」を感じて、自らの意思で、高い価格を払っている。

 携帯の月額使用代が格安SIMより3倍も高くても、キャリアと契約する顧客は「店舗での接客サービスに価値」を感じて、自らの意思で、高い価格を払っている。

価格(価値)を下げると、店舗と雇用が消失

 この価格を「高いから下げろ」という新内閣の目玉政策は一見、顧客志向の様だが「店舗・接客サービスの価値」を否定、店舗と雇用を消失させる!

 街の小さな店舗が、郊外大型店・ネット通販と価格で競争しないで、
店舗・接客サービスの価値を高めて、利益と顧客満足度を上げる方法は
以下の連載が参考になります。


1話 成功例を、縦割主義で定義・美化するから、読者は失敗する

2話 歴史を書き換える出版で、シビックプライドを創造→移住者が増加

3話 金/予算が無いなら、協働のプル戦略~努力しても成功できない原因

4話 地方が衰退する原因は弱いくせに、競争するから~競わない地方創生

5話 個性を磨け~ありきたりな政策は供給過多で、価格競争/デフレに陥る

6話  連携ありきで無節操に人を集める失敗~連携/恋愛は1本釣りで成功 

7話 顧客目線とは顧客を絞る事~嫌われる勇気を持つと顧客目線になれる

8話 売上増加より、コスト削減に、予算を使え~代理店へ丸投げ多すぎ

9話 地域おこし協力隊の採用/活用5分類~人を使い捨てるブラック自治体

10話 役所の広報予算は 1/10に抑制できる~役所は広告代理店のカモ

11話 役所の 婚活パーティが酷い~政策と情報発信を改革する公務員研修録

12話 ゆるキャラ使い、重い結論を、軽い言葉で依頼するな~公務員研修録

13話 政策を考える前提~研修は同じでも環境が正反対なら、成果も正反対

14話 公務員は博打好き~成功確率1%で、いきなり多額投資の政策は博打

15話 帰納法で創造力と個性を高める~演繹法は皆が同じ(無個性)になる

16話 政策立案ノウハウ全公開~成功例だけ紹介→真似するから地方は衰退

17話 「裏が見えない=表面だけ視る」から失敗する~質問力を高める方法

18話 論理偏重は信頼されない~感情と論理の調和で、信頼される公務員に

19話 人材育成(研修)の基本~今は大物の恩師は新人の私をこう指導した

20話 創造的&貢献的な仕事だけが残る~役所仕事と裁量仕事は消滅

21話 地域資源がPRしても「埋もれる、顧客に伝わらない」訳と解決策

22話 オール与党化の地方自治・議会は、学習と改革を放棄して腐敗

23話 農業や観光をブラック産業にする地方(ブラック自治体)は衰退

24話 箱物(ハード)を集客を高める鍵は、ソフトの切り口

25話 個性あるブランド都市vsミニ東京化で個性を喪失して衰退する都市

26話 役所の仕事をした「ふり、アリバイ作り」が地方衰退の元凶

27話 人口減少策に成功した海士町と下諏訪町の共通項~連携、市民主役

28話 成功者は育てる~成功者に惹かれて、起業者・移住者が地方に集まる

29話 コニュニティの「しがらみ」を価値に変える~久繁哲之介の講演録

30話 地方創生は顧客価値の創造~顧客の声は面倒だから無視して商店街消滅

31話 できない理由・批判されそうな事を先に探して失敗する地方創生の真実

32話 地域ブランドと、ぼったくりは紙一重~ぼったくりでないブランド化

33話 市町村合併で、個性を無くして、地方は更に衰退

34話 お上が認める表彰・計画だから、地方と人を骨抜きにする

35話 人口誘致も、NHK大河ドラマ誘致も、手段が目的化して失敗

36話 定住志向だから失敗~2地域居住など利用志向の地方は成功

37話 空き家と地方衰退は、シェアリングエコノミーで解決

38話 人口減少政策の間違いが、空き家急増や街中衰退を加速

39話 郷に入れば郷に従えは人が流出→人口減少vsダイバーシティで人口増

40話 仕事の引継ぎは、前例と方法でなく、目的と価値を伝え価値を高める

41話 内定辞退率63%のブラック自治体に見る、マザコン公務員

42話 関係人口⇔交流人口⇔定住人口の質量で、政策を創る~商店街再生1

43話 車&ネットは、まちと人を変え、関係人口も変える~商店街再生2

44話 失敗は「良いvs悪い」失敗と「自責vs他責」に分ける~商店街再生3

45話 皆が自分の為だけの消費に走り、地方・商店街は衰退~商店街再生4

46話 子育て政策も商店街政策も、公私連携な働き方で成功~商店街再生5

47話 久繁哲之介の経営指導で再生・成長した商店~商店街再生6

48話 地方創生は個性の創造が必要~地方は閉鎖的・つまらないから衰退

49話 自由裁量が高い町で、移住者が急増~自分探しの若者を受け入れろ

50話 地方移住の成功法~住む場所・目的を変えて、失敗が成功に変わる

51話 事業を始める事しか考えない役所の事業は失敗~育成と撤退も考える

52話 難易度・投資は低く、効果は高い事業を創れ~協働、パラレルキャリア

53話 できる2割を活かすパレート法則で地方創生~ダメな者の保護で衰退 

54話 関係人口・顧客の口コミで観光者と移住者が急増~役所広報がダメな訳

55話 自分探しの若者・定住意欲が低い者を応援できる地方に、移住者が急増

56話 忖度させる首長が、公務員と地方を劣化させる~地方衰退の真実


57話 ふるさと納税&クラウドファンディングの欠陥~寄付で稼ぐな

58話 自治体がクラウドファンディングを運営する効果

59話 住宅の空き家・店舗の空室化を「予測、代替、関係」で解決

60話 スキル無き素人な公務員の補助金ばらまき、6つの病と処方箋

 
 60話の内、読者(地方議員・公務員)から反響が大きいベスト3

3位 働き方をこのように改革したいと、公務員向け研修の依頼
40話 仕事の引継ぎは、前例と方法でなく、目的と価値を伝え価値を高める

2位 人口減少対策・地方へ移住政策に活用したいと、講演の依頼
54話 関係人口・顧客の口コミで観光者と移住者が急増~役所広報がダメな訳

1位 これが地方と公務員が劣化する真の原因。本にして世に問うてほしい
56話 忖度させる首長が、公務員と地方を劣化させる~地方衰退の真実


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