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Ordinalsの音楽NFTを作ってみた【和楽器×ビットコインNFT】

Ordinals NFTとは

一言でいうと「ビットコインのNFT」です。

今までNFTといえばイーサリアムでしたが、ビットコインでもNFTを作れるようになったよ、ということでNFTクリエイターの間で話題になっています。

イーサリアムとは全く違う個性を持つビットコインでNFTが作れるということで、これまでのNFT文化とは異なる文化ができるかも?と個人的にすごく興味がありました。

技術的なところでいうと特に、フルオンチェーン音楽NFTが現実的になった、というのがやはり熱いです。

イーサリアムでフルオンチェーンNFTを作ろうとすると、容量は小さくガス代は法外に高いため、殆どのクリエイターにとって選択肢になり得ない状態でした。

ところがOrdinalsは、イーサリアムよりもはるかに多くのデータをオンチェーンに書き込むことができ、かつ手数料も(高いことには高いのですが)まあ現実的なお値段に落ち着いています。

ただでさえ音楽は画像に比べてファイルサイズが大きく、フルオンチェーンなんて夢のまた夢だったのですが、Ordinalsの出現によりついにこれが現実的になりました。

『結局データ自体は外部ストレージにあるんだよな…』と現実に戻されることはもうありません。

正真正銘の音楽NFT!何というロマン!

Ordinalsの和楽器NFTコレクション

ということで早速、「Ordinalsの和楽器NFTコレクション」を始めることにしました!

とはいえ、鼻息荒く「フルオンチェーン音楽NFT!!!」と息巻いたはいいものの、現実問題音楽のファイルサイズは画像に比べてやっぱりめっちゃデカいので、現時点では音質や収録時間にかなりの制約があります。

NFTを作るために必要な手数料を考慮すると、現時点では『そこそこの音質で長くても30秒程度』が限界でしょう。(音質の妥協が可能なジャンルであれば、もう少し長くても大丈夫かもしれません)

しかし、こういった制約こそがクリエイティブの源泉であるとも言えます。

制約があるからこそ、新しい表現が生まれるのです。

特に日本人は、古来から制約による芸術を得意としています。

その代表例が和歌です。

これこそ、限られた文字数のなかでいかに表現するかを突き詰めた究極の制約芸術です。

そして僕は音楽においても、このような「限られた容量の中でどれだけの表現ができるか」という挑戦をしてみたいと考えました。

せいぜい数十秒の音楽しか作れない… ならばこそ、その中でどれだけできるのかに挑戦してみたい…

そこで、「100 Music Waka Poems - 音楽和歌」というコレクションを作成しました。

このコレクションは、和楽器を用いて百人一首に収録された和歌を表現したものです。

百人一首には、天智天皇の歌から順徳院の歌まで100首があり、それぞれに和歌番号が付されています。

この和歌番号に対応する100の音楽作品(=音楽和歌)を制作するコレクションです。

ということで、記念すべき#001は天智天皇のこちらの歌

秋の田の かりほの庵の とまをあらみ
わが衣手は 露にぬれつつ

後撰集秋中302

収穫期の田園の風景を詠んだもので、晩秋のわびしさから感じる美を表現した歌です。

19秒間の箏(琴)演奏で、この歌から感じられる「美しさ」と「わびしさ」を表現してみました。

(イメージビジュアルは画像生成AI「Stable Diffusion」を使い、和歌に含まれる単語から生成したものです)

やってみて感じたのですが、たった数十秒で何かを表現したり、展開を作るのは想像以上に難しいことでした。

古の歌人が直面したであろう悩みを、現代人である僕も体験することができたと思うと、とてもわくわくします。

NFTの黎明期だからこそ存在する「制約」のお陰で、新たな創作体験をすることができた、というわけです。

歴史的に、芸術はメディアや技術の進歩や制約に多大な影響を受けて発展してきました。

これからもweb3の技術の進歩が、新たな芸術の形を生み出してくれることに胸を躍らせています。

ということで、記念すべき初めてのOrdinals NFTが販売中です。 売り切れました。

Inscription Numberは#340483。

Ordinalsの音楽NFTは世界的にもまだほとんど存在しておらず、ナンバー30万台の音楽NFTはかなりレアなのではないかと思います。

そして、「日本の伝統音楽の」作品という意味で言えば間違いなく『世界初』のOrdinals作品です。

そういえば、最近Twetchというweb3系SNSをはじめました!

よかったらこちらも遊びに来てください!


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