HBMとDRAMが今後不足する!?

HBMとDRAMの市況と今後の市場逼迫具合

HBM(High Bandwidth Memory)の市況

HBMは、AIチップの需要増加に伴い、急速に市場シェアを拡大しています。2024年には、HBMの需要成長率が200%に達し、2025年にはさらに倍増する見込みです[1][4]。HBMの価格は従来のDRAMの数倍であり、特にDDR5の約5倍の価格が設定されています[1]。この価格設定とAIチップ技術の進化により、HBMの市場価値は2024年にはDRAM市場全体の20%以上、2025年には30%以上を占めると予測されています。

DRAMの市況

DRAM市場も引き続き成長を続けていますが、HBMの需要増加により、DRAMの生産能力が圧迫されています。特に、DDR5やLPDDR5/5X、GDDR6/6Xなどの製品が引き続き重要な役割を果たしています[2]。主要メーカーであるSamsung、SK hynix、Micronは、EUVリソグラフィーやHKMG技術を導入し、次世代DRAMの開発を進めています。

市場の逼迫具合

HBMの生産には、従来のDRAMよりも大きなダイサイズと長い生産サイクルが必要です。HBMのダイサイズはDDR5の同等プロセスと容量のものより35-45%大きく、TSV(Through-Silicon Via)パッケージングを含む生産サイクルは1.5〜2ヶ月長いです。このため、HBMの生産能力は限られており、供給が逼迫する可能性があります。

2024年には、DRAM業界全体の生産能力の約14%がHBMの生産に割り当てられる見込みです。主要メーカーであるSamsungとSK hynixは、HBMの生産能力をそれぞれ130Kと120Kに拡大する計画ですが、これでも需要を完全に満たすことは難しいとされています。

今後の展望

2025年には、HBMの需要がさらに増加し、供給不足が深刻化する可能性があります。特に、AI関連の需要が引き続き高まる中で、HBMの生産能力を迅速に拡大することが求められます。一方で、DRAMの生産も引き続き重要であり、特に次世代DRAMの開発と生産が進められています。

総じて、HBMとDRAMの市場は今後も成長を続ける一方で、供給の逼迫が予想されるため、メーカーは生産能力の拡大と技術革新を急ぐ必要があります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?