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がんと『都市伝説』その2

サンタクロースって「都市伝説」って言えますよね?
本当はいない(いないですよね?)のに、皆でいることにしているのには、理由があると思うわけです。
そして、サンタさんがいることになっている一番大きな理由は、やっぱりお金かな?と(ゲスな話ですみません)。
子供の頃からクリスマスになるとサンタさんがプレゼントをくれるという風習のため、大人になった今でも、あげたり、もらったり・・
クリスマスが近くなると、恋人同士はソワソワ
恋人が居ないなら居ないもの同士飲み会したり・・・
クリスマス商戦なんて言葉もあったりしますしね!

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▼トンデモ医療
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トンデモ医療に関して、話を戻します。
トンデモ医療の実態と対策に関してYouTubeやSNSで発信されている東京大学病院の上松正和先生(なんと!辞職されて政治家になられるようですね!!)によると、トンデモ医療とは「高い有効性や最新の治療などをうたい魅力的な言葉で耳に響くものの、効かない治療、高額な医療費―現代医学の常識を大きく逸脱した科学的根拠のない医療」とのことです。
僕的には、どんな類いの「トンデモ医療」においても、効果が出た方はわずかながらいるのだと思っています(詳しいデータは知りませんが)。
そしてその確率は、食事療法でがんが治るのと同じくらいの「1万分の1」くらいではないかと勝手に推測しています(「都市伝説」の話ということで、数字に関しても都市伝説ということで・・)。
確率が同程度であれば、あえて高額なお金を支払わず、食事療法に専念した方がいいのではないかというのが僕の考えですが、食事療法も色々と制約があったりして結構大変そうなので、「トンデモ医療」の方が楽(お金さえ払えばいい?)という考えの方もいるのかなって思います。
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▼トンデモ医療と保険適応
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「トンデモ医療」は何故高額な医療費がかかってしまうのか?
日本は国民皆保険制度という素晴らしい医療費助成制度があるから、安く医療が受けられるだけであって、医療自体が安い訳ではないのはご存知かと思います。
話題の「オプジーボ」などは今でこそある程度薬価も安くなりましたが(それでもまだ高いけど)、出たばかりの頃は1年間続けるとしたら3600万円!かかると言われていました。
3600万円かかると言っても、保険適応され、限度額が適応され、実際には1年間約100万円ほどの自己負担で受けられると思います(計算間違っていたらすみません)。
「トンデモ医療」も保険適応となれば、もっと、ずっと安く受けられるようになるわけですが、保険適応となるためには、キチンと効果を証明する必要があるわけです。
「トンデモ医療」が効果を証明する場合、比較対象は「プラセボ」になると思います(抗がん剤ではなくてよいことに注意が必要です)。
「プラセボ」とは、何もしないことではなく、その「トンデモ医療」が点滴で行うものであれば、その「トンデモ医療点滴」の代わりに「生理食塩水」や「ブドウ糖」などを同じに見える点滴ボトルに入れて、「トンデモ医療点滴」をしている風な感じで点滴する必要があります。
さらに、患者さんだけではなく、担当医もスタッフさんもどちらの点滴をやっているかわからない状況で実施される必要があります(二重盲検と言いますね)。
患者さんとしては、高いお金を払って点滴を受けているのに、もしかしたら「ただの点滴」かもしれないわけですから、たまったものではありませんね。
ですので、「抗がん剤」の場合は「治験」として、医療費がただ(無料)になったりしますから、「トンデモ医療」もこういう場合は「ただ(無料)」で受けてもらうことになるのだろうなって考えます。

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▼トンデモ医療がもし「ただ(無料)」で受けられるとしたら
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「トンデモ医療」がもし無料で受けられるとしたら、がん患者さんは殺到するでしょうか?
僕の考えは「No」です。
「トンデモ医療」を受ける人の気持ちを想像してみると
・高額な治療を受けている
・他の人と違う治療を受けている
・自分にだけは効果があるはずだ
こういう「特別感」みたいなところが大きいのではないかと想像します。
そしてこの「特別感」は明らかにプラセボ効果を増強する働きがあると僕は考えています。
ですので、「トンデモ医療」がもし無料で受けられるとしたら、その「特別感」は失われてしまうことになり、結構受ける人が少なくなってしまうのではないかと考えるわけですし、プラセボ効果が弱まり、効果が出る確率も低下してしまう可能性があるなぁ~って考えています。

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▼値段って大切?
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クリスマスプレゼントも高額な方が嬉しかったりしますよね?
あげる方も、せっかくクリスマスだから奮発しよう!って考えたりします。
愛情はお金では買えないとか言われますが、愛情表現の一つとして「値段(金額)」というのはそれなりの地位を占めていることは間違いないだろうなとは思っています。
昔はモノの値段を調べるの大変でしたが、今はインターネットなどですぐにわかっちゃいますので、余計「値段(金額)」の意味合いが増している気がします。
最近は、そのものの値段よりも、メルカリなどで高く売れるものの方が喜ばれたりして、ちょっと複雑な気分になったりしちゃいますけど・・・
「トンデモ医療」も、「10万円」のものより、「200万円」の方が効きそうな気がします。
この「効きそうな気がする」が「プラセボ効果」を誘発しているのは間違いないです。
ですので、「10万円」の「トンデモ医療」を受けて効果がなかった場合、やっぱりトンデモ医療はトンデモ医療だからやめようというのではなく、「『200万円』の方を受ければ良かった!」ってなっちゃうのかなって考えます。

つまり、「トンデモ医療」が保険適応をとらないのは、戦略としての部分もあるのかもしれないなぁ~って思いました(違ったらすみません・・・)。

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
がん治療における「都市伝説」って、まだまだ他にもたくさんあるので、その辺のお話しもまたできたらなぁ~って思っています。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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