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フランス修士課程留学準備とその時系列

このブログの本題である、フランス大学院正規留学に必要な準備について紹介していきたいと思います。簡単にまとめるとこんな感じです。
①DALF C1取得
➁資金調達(奨学金とアルバイト)
③専門分野を決める。
④写真付きCV(履歴書)作成
⑤受け入れ先大学院と教授探し
⑥フランスの教授にコンタクトを取り、指導可能かどうか聞く。
⑦住居の選択肢を知っておく。

準備期間

私は奨学金審査に応募したかったので、進学の1年半前から準備をしていました。というのも、どの奨学金コンクールもたいてい留学出発予定の1年前に審査が行われるからです。2019年9月から留学予定だった私の場合、2018年夏の審査までに上記のリストの①、③~⑥を完了させておく必要がありました。
時系列順にざっくりと並べてみます。

大学3年生 (2017-2018)

4月
・歴史学ゼミを選択。
 当初のテーマはフランス植民地時代のベトナムの歴史。
・資金を貯めるためにカフェのバイトを始める。それまでは塾講師のみ。

7月
大学院探しスタート

8月
複数のフランス人教授と学事にメールを送り始める。
今考えれば早すぎたので、この時点でメールを送る必要はありません。

9月~
・バイトとフランス語の勉強(大学の授業とDELF B2対策)
・11月頃に研究テーマの変更。ベトナム植民地の歴史から「19世紀のフランス暗黒小説」へ。
*「暗黒小説」とは、犯罪や貧困といったいわゆる社会の闇を主題にした小説のジャンル。19世紀のパリで特に流行した。起源を18世紀のイギリス文学とする見方もある。
*学部3年生の時点では、犯罪史というより、犯罪の描かれ方を分析する表象史がメインテーマ。

大学4年生(2018年4月-2019年3月)

4月
・給付型奨学金を探し始める
*大体この時期にはまだ前年の情報しか載っていませんが、エントリーの時期や必要書類はほぼ変わらないので、しっかり確認しておきましょう。

‐平和中島財団日本人留学生奨学金

‐フランス政府給費留学制度

https://jp.ambafrance.org/Bourses-France-Excellence

-JASSO大学院学位所得型

*その他の奨学金はこのサイトで探せます。

5月
DELF B2獲得

6月
・受け入れ希望大学と教授にコンタクトを取る。この時点で教授からの受け入れ許可が出ていると、奨学金審査の書類に書けるので説得力が増す。
*当然ながら正式な「受け入れ許可証」を大学側から発行してもらうのは無理なので、教授とのメールでの「口約束」で充分
・新年度の奨学金コンクールの詳細が発表される時期なので、書類の準備を本格的に開始。

7・8月
・アルバイト
・奨学金審査準備(履歴書、大学院での研究計画書、志望理由書など)
・飯田橋にあるInstitut françaisの夏季講習DALF C1対策に2か月通う。

*奨学金審査結果
①平和中島財団:一次書類審査の不合格通知を9月に受け取る。

➁フランス政府奨学金:
一次書類審査の合格通知を11月に受け取る。

12月の二次審査(口頭試問)で補欠リストに。

2019年5月、出発直前に「予算調整」という名目で繰り上がり合格。

③JASSO:語学資格条件が変わり、申請できず。2017年まではB2レベルを持っていれば出願できたが、2018年からはC1が必要になった。2018年夏に時点ではC1未取得。

9・10月
・卒業論文
・DALF C1に向けて猛勉強
・フランス政府奨学金二次審査の準備
・ひたすらフランス語勉強

11月
・DALF C1獲得
・Études en Franceのアカウント作成
*大学院への申請時期(特に細かい日付け)はその年によって変わるので、必ず確認しましょう。2019年9月に大学院留学予定の学生の申請受付期間は2018年11月から2019年3月。卒論の提出が1か月後にせまっていたので、卒論が終わるまでは申請に関しては一切何もしませんでした。

12月
・卒論提出
・Études en Franceの申請準備開始 →特にCVと lettre de motivation
*卒業見込証明書、語学力証明書、成績表は2月~3月にならないと手に入らないので、それまで待つので問題ありません。

3月
・大学卒業
・Études en Franceの必要書類がすべてそろったので、申請を完了させる。
*必要な書類が全てそろうのは、大学の学事日程の都合上、申請締め切りギリギリになってしまうのは仕方ないので慌てなくてよいです。早く申請を完成させるよりも、書類に不備がないように、何日もかけて正確に、何度も確認して準備することの方が大切です。
・フランス大使館での面接(日本語とフランス語)。質問は忘れてしまったがそんなに難しくなかったです。大半が自分が大学でしてきたこと、そしてフランスで勉強したいこと、だったような気がします。

出発前の半年間

卒業してから出発直前の7月まで百貨店の契約社員として働いていました。ひたすら働いていたので、机に向かってフランス語の勉強をしている余裕はあまりありませんでした。電車の中や仕事の休憩中にフランス語の記事を読むか、ラジオを聴くくらいです。

5月~7月前半
・7つの大学院から合格の連絡が来る。→Aix-Marseille Université に決定。

!超重要!
留学1年目の手続きは全てEtudes en France上で進めます!ParcoursupやE-candidatはフランス人学生用の申請システムなので日本人留学生には関係ありません。出発2ケ月前、フランスの指導教授が親切心から、「あなたの名前が登録されていないようだけど、大丈夫?」とメールを送ってくれ、パニックになりました。ただそれは、ParcoursupやE-candidatなど、フランス人学生が使用する登録サイトに外国人留学生のリストが載らないのは当然なので心配することはありません。1年目はEtudes en France上のみでの登録!


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