しおばな祭新譜「綾を撮る」のあれこれ
こんにちは、氷笠家屋の十竜です。
今回は先日行われたTOKYO6オンリーイベント「しおばな祭」での新譜「綾を撮る」のいろんな話をしていきたいと思います。いろんな話です。
そして東6アドカレ2023 21日目の記事です。
企画という名の旅行記
「しおばな祭新譜どうしよっかな」
「せや、どっか旅行させよ」
雑。
極めて雑。
しかし話の起こりはそんなもんです。旅行先で情報量の多い六花の写真を撮る千冬ちゃんが見たいんです。
というわけで小樽飛び出てどこかに旅行に行く話にしてどこに行ったのか、という話が次です。
舞台
新譜「綾を撮る」のジャケットに描かれている駅、モデルにした場所が実在します。
小樽から旅行となると、道内でない限りはほぼ新千歳空港から飛行機で向かうことになるでしょうか。そしてどこかの空港から行けそうな駅とといえば……
そう、この駅です。
どこだよ。
という冗談はさておき、舞台としたのは岩手県大船渡市にある三陸鉄道リアス線の綾里(りょうり)駅です。
三陸鉄道 : https://www.sanrikutetsudou.com/?p=634
小樽からの最速のルートは 小樽→新千歳空港→花巻空港→釜石→綾里 で、最速でも7時間弱を要する大変な移動です。……さすがにこんなルートを地で行ってるとは思えないので設定上は近隣の旅行の一端くらいで考えてます。
え?それでも無理がある?夏色家のリムジンが解決する。
東京からでも片道5時間以上。遠いぜ。
そもそもなぜ綾里なのという話ですが、まあちゃんとした理由(?)で選出してます。
まず今回の舞台として「田舎にある海に近い両面式のホームがある駅」というのをイメージしていました。
(両面式ホームなのはそうでないとジャケットの構図にできないためです。)
(他にも細かな条件はあるものの割愛して)いくつか候補をあげてどこにするのかをより細かく調査して絞ります。
その過程で見つけたのが「みちのく潮風トレイル」というものです。
みちのく潮風トレイル
潮風!!!!!!!!!!!!!!
はい確定。
岩手県なら花巻とか遠野とか千冬ちゃん興味ありそうなとこ色々あるからいいんじゃね。(後述)
という流れで舞台は岩手県大船渡市綾里で決定。
「潮風」という単語自体は海岸部の地域でちらほら見かけるのですが、環境省主導は強い(?)。
ちなみに他の候補は和歌山県の南とか高知県の東とか。この作者まともに旅行させる気がない。
ロケハンの時間だ
候補が決まればロケハンの時間だ。というわけで
行きました。写真は釜石線からリアス線に乗り換える釜石駅。
なんで雨降ってんだ。
(ちなみにこの遠征の前週に行ったずんだの香りがするスタンプラリーや10月に行った小樽も大雨。なんでや。)
釜石を拠点に綾里近隣地区をロケハンします。とはいえ時間がかかりすぎるので初日は釜石でご飯食べたりお土産漁ったり。
なお、東京からは東北新幹線、JR東北本線、JR釜石線と乗り継いで行きました。遠いぜ。
翌日にロケハンスタート。リアス線に乗って綾里を目指します。が、まず降りたのは綾里の一つ前の駅「恋し浜駅」です。待合室には「ホタテ貝の絵馬掛け」が行われています。
三陸鉄道 : https://www.sanrikutetsudou.com/?p=12012
一体3人はホタテに何を書いたのか……案外ヨーグルト食べたいとかそんなのかもしれない。
ホタテヨーグルトとかあるのだろうか。
一通り駅の写真を撮って電車で綾里駅へ……とはいかず次の電車は1時間後。日中であれば恋し浜駅で数分間停車しますが、その日は朝方に乗ったため降りてすぐに発車。さてどうする。
恋し浜-綾里間のとある場所に用があったので約4kmを資料写真撮りながら徒歩で移動。恋し浜トンネル、綾里海水浴場(の近く)を経て綾里駅へ。駅間徒歩RTAは辛いぜ
その綾里駅の外観はちょっと変わった形をしています。
「旧三陸町(現大船渡市)の中心駅、童話的外観が印象的な駅舎」して、2002年に東北の駅100選に選定されている駅で、内観も駅という感じじゃなくて地域の憩いの場みたいな印象です。
しかし現在は閉鎖。中まで見れなかった……
ホームへは建物の横から回り込んで入ります。
そしてこのホームがジャケットの場所。ジャケットではある程度外観やものの場所を変えてもらっています。
綾里を存分に見て、再び電車に乗って終点の盛(さかり)駅へ。
盛駅付近でご飯を食べた後にバスで移動。路線の始点から終点まで約1時間。
終点はみちのく潮風トレイルの一部にもなる「碁石海岸」という景勝地です。
碁石海岸 : https://goishi.info/
海の観光地なので海を見に行く……のではなく今回の目的はすぐ近くにあるこっち。
世界の椿館・碁石 : http://www.sekaino-tsubakikan.jp/
世界中の椿を展示している施設てす。しかし旬でない時期に行ったので椿はほぼ咲いてません。(1-3月頃が最盛期)
この施設そのものが舞台になっているわけでなく、椿の資料集めが主体だったので問題なし。ちゃんと最盛期に行きたいが場所が……
一通り見たら帰りのバスへ。本数が少ないので乗り逃すと大変。
という感じで舞台となる場所を一通り見てきたというわけです。
収録曲
旅行記を書いたところで収録曲についてちょっと語ります。
Tr.01 綾を撮る
CDタイトルにもしている表題曲です。曲名は綾里という地名から、そして時間軸の交差という考えでの「綾」を持っているカメラで「撮る」というところからです。
駅で一人で歌う、というイメージだったため、最初はアカペラで、途中からもピアノ伴奏のみというシンプルな構成にしています。
当初は一番の最初だけをアカペラにする予定でしたが、一通りメロディ作った後にこれどこからピアノ入れようという話になり、
「せや、一番丸ごとアカペラにしよ」
と思いつき一番が丸ごとアカペラになりました。これが地獄を生む。
なんとかはしたもののまだ納得いってない……ので現在さらに洗練中です。
https://twitter.com/ToryuC/status/1733831351433089326
Tr.04 遼遠の恋
この曲は綾里駅が開業した1970年っぽい曲を作ろうとして作れなくてなんかそういう感じに収まった曲です。
千冬ちゃんが1970年に生きてたらどんな曲聴いてるんだろう、というところから1970年のヒット曲を調査。
参考 : https://folk.sk46.com/kayo/1970.html
とりあえず上から調べていく。とりあえず。
なるほど、そういうね、そう、うん。
作れねぇ!!
そもそも根本にあるルーツが違いすぎて無理だこれ。どうにかならんか、どうにかなれ、1970年千冬ビーム!!
普通に作るのは無理なので1970年っぽさを色々と勝手に解釈して再構築してできたのがこの曲です。もうわからん。わからんけどなんかそれっぽくなったんじゃないかな。なったのかな。わからん。
寄り道駅
このロケハンでは、行きでは花巻、帰りも余裕があったので遠野をに少しだけ寄り道しました。
花巻は宮沢賢治の出身地で、多くの作品は岩手県をモデルにした「イーハトーヴ」にある場所を舞台にしています。また、途中で乗る釜石線には銀河鉄道にちなんだSLが走っていたり、作中にエスペラント語の単語がよく登場していたことから通常の駅名に加えエスペラント語の愛称が付けられていたりします。
遠野市は柳田國男が編纂した遠野近郊の神話・逸話などをまとめた「遠野物語」で知られています。遠野の成り立ちのような神話じみたものや河童や座敷わらしなどの妖怪の話等、全119話の物語が記されています。
こんな感じで釜石線の通る地域は名のある文学と関わりがあったりします。
じゃあどこぞの文学少女と絡めて何か作れないかなーとか考えたり考えてなかったり考えてたりするかもしれない。
長い話だったな、よし、買おう
旅行先の大雨ほどクソなものはない。
なんで行く先々で大雨が降るのか、我々はその謎を解き明かすべく
というのはさておきしおばな祭新譜の舞台とか曲とかの話でした。
気になったらイベントやboothで買ってくれるととても嬉しいです。ものがすごいんですよこれ。
紙ジャケットとA5リングノートのブックレット。そういうことするから別で作ってたM3の新譜(12曲1000円)よりも金がかかる。曲数半分なのにこっちのが高いのはそのため。
まぁ色々楽しめるように作ってますんで、金かかりすぎて金が欲しいので是非ご視聴ください。
最後に綾里や碁石海岸からさらに南、県を跨いで宮城県気仙沼市にある非常に興味深い場所を貼ってこの記事の締めとしましょう。