「英単語」の学習法


大学入試に向けて覚えなければならない単語数は3000以上!

大学入試を見据えて英語を学習していく上で、語彙の習得の必要性は言を待ちません。しかし、忙しい高校生活の中で「やらなきゃ…」と思いつつも、なかなかはかどらずに、挫折してしまうこともあるかもしれません。
受験する大学にもよりますが、大学入学共通テスト(旧:大学入試センター試験)の場合、必要とされる語彙数は4000語程度といわれています。ちなみに、中学校で習う語彙は、appleやbookといったレベルのものも含めて約900語です。ここから3000語以上も積み上げなくてなりません。もちろん、国公立大学の二次試験や、早慶上理/GMARCH/関関同立といった難関私立大の入試はそれ以上の語彙数が必要です。
それでは、今後どういったことに留意して単語の学習を進めていくべきかについて、以下に述べていきます。ぜひ、参考にしてください。

英単語学習のポイント―1 感覚器官をフルに活用すべし!

あなたは、英単語をどのようにして暗記していますか?

方法その1:単語帳や教科書を眺める
方法その2:ひたすら書いて覚える
方法その3:音読する

多くの高校生はこのいずれかのような方法をとっていると思います。
心理学の分野で明らかになっていることですが、人間は、使った感覚器官が多いほど、事物が記憶に残りやすいそうです。このことを踏まえて,上の勉強法を考察してみましょう。
まず方法その1ですが、これは文字を目で追っているので「視覚」情報に頼って記憶をしようとしていることがわかります。次に方法その2では、書く作業が加わることにより、「触覚(書いた感覚)」が視覚情報にプラスされます。当然、使っている器官が増えているので、暗記効率はよくなります。さらに方法その3になると、発音することにより「触覚(発音するときの唇の動き)」が脳に記録されるので、さらに暗記効率はUPします。
しかし…
人間の感覚器官は大きく分けて5つあります(「五感」と言いますよね)。そのうち、上記の方法で用いた器官は「視覚」と「触覚」のみでした。あと3つ、「聴覚」「味覚」「嗅覚」が人間には備わっています。もちろん、味覚と嗅覚は単語暗記には使えませんが、「聴覚」は使えますよね。これをフルに活用しない手はありません。
簡単に言うと、「リスニング」を上記の学習サイクルの中に取り入れるだけで、すべての器官が統合化され、単語が飛躍的に覚えやすくなるということです。

英単語学習のポイント―2 優先順位をつけること


単語の暗記は、1回で完結することはありません。2回、3回と反復する中で徐々に定着していくものですが、その際に注意するべきことがあります。それは、「追及する深さを段階的に変える」ということです。
 例えば、単語集を3周することにした場合、1周目=単語の意味のみ、2周目=派生語や関連語まで暗記、3周目=つづりと発音・アクセント、といった具合に徐々に負荷をかけていく方が、暗記が単なる繰り返しの作業にならず、その都度緊張感を持って取り組むことができます。反復の回数や回ごとに追求する深さは、あなたの能力に応じ、先生に相談するなどして決定するとよいでしょう。
 また、そうした目標は、あなたが無理なく達成できるレベルに設定することも大切です。目標設定に無理があると、途中で挫折してモチベーションが低下するばかりか、英語そのものも嫌いになってしまうかもしれません。とにかく単語暗記は、「無理なく焦らずコツコツと」を心掛けてください。

「欲張らない」こと


「単語の勉強が全然進まない、どうしたらいいですか」,という質問をしばしば受けます。こういう人に多いのはいわゆる「完璧主義」の人が多い気がします。
そもそも単語を1周で完璧に記憶することなど不可能であると考えています。ですから,上述のとおり,最低でも3周する覚悟をして,「7割程度できるようになったら次に進む」と決めて,何度も復習しながらスピーディに進めていくほうが(特に学習初期は)効率がよいです。2周目・3周目では気になった語は英和辞書や電子辞書に搭載されているシソーラスやコロケーションディクショナリーを参照すると作文や読解に使える「生きた」語彙知識となります

単語帳の選び方

個々の単語帳の特徴に関しては,他の先生の記事があるので割愛するとして…大きく系統として,配列順が「レベル別(難度/頻出度順掲載)」のもの(『システム英単語』,『ターゲット』など)と「意味系統順(テーマ/似た意味の単語をまとめて掲載)」(『速読英単語』,『リンガメタリカ』,(ちょっと違うけど『DUO3.0』))などのものがあります。
個人の考えでは,1冊目(殆どの人は1冊で十分と考えていますが…)は前者2冊目は後者を選ぶべきだと考えています。それは後者の単語帳を選ぶと,前半にも比較的難しい,頻出度の低い語彙が掲載されているし,終盤に絶対おさえないといけない頻出語が載っていることが多いため,「1冊まるまる全部」終わらないと最重要単語が身につかない=優先順位がつけにくいからです。
逆に2周目は1冊目で覚えた語彙+αを「テーマでまとめ直す」というのがテーマになるので後者の単語帳が威力を発揮します。よく難関大志望者の2冊目に『リンガメタリカ』が推奨されるのはそのためです。

語彙は語学学習の基本!語彙力がないとどれだけ思考力/観察力を磨いても砂上の楼閣です。腹を括ってやりきりましょう。



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