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喫茶店の夢

いつも早朝バイトをしているコンビニは2店舗あるのだけど、木曜はそのうちの温泉場に位置する方の店舗に出勤をしている。

先日、木曜が1週間のうちで1番すきだとふと気がついた。木曜のコンビニバイトは6〜9時までの3時間だけだし、シフトが一緒のおじいちゃんも優しくてへらへらニコニコしていていつも助かっている。CD屋でバイトをしていた時は新譜の入荷日、特に金曜がすきだったなあと思い出した。

木曜には、何もないようで誰もが意識していないゆっくりとした空気感がある気がして、その良さを最近になって感じている。

まだ今日は夜になったら別のバイトがあるけど、ひとまずは自由で落ち着いた時間の上を夢心地で歩きながらバイト先から温泉場街を抜けてすぐの喫茶店にはいる。


曖昧な記憶だけどここには小さい頃に母と姉と来たことがある。その時はこのお店で目玉というのか、めちゃめちゃ縦に長いパフェを食べた。小さい頃から甘いものを多くの量食べることが苦手なので、その時も全然戦力にならず唐揚げとかを食べていた気がする。今思うと母たちは優しかったんだなと思う。

ひさしぶりに喫茶店に来た。自分が以前働いていた喫茶店と同じコースターをみて少し和みながらアイスカフェオレを頼む。本当はアイスコーヒーを頼みたいけど、初めて行くお店のコーヒーは失敗するときついのでいつも初手はカフェオレである。どうでもいいけれど。

夏に飲むアイスコーヒーってなんであんなに艶やかでおいしいのだろうか。でも夏でも変わらずホットコーヒーを飲んでいる渋い人を見て憧れたりもしていた。わたしはまだまだ子どもなので、暑い時には冷たい飲み物が飲みたい。

喫茶店には小さな憧れがたくさん存在する。そのうちの一つがブラックでコーヒーを飲みながら吸う煙草だ。コーヒーを飲みながら煙草をスパスパ吸う男の人をみていると、すごくおいしそうに吸うものだから何度も煙草に手を出しそうになった。その度に、肺くらいは綺麗でありたいと必死に気持ちに蓋をした。伏し目がちに嗜好品に手を伸ばすその仕草は何だかとても色っぽくてすきだったし、綺麗なガラスの灰皿をみているとうっとりする。ただその憧れの人の大半は喫煙可能な場所を確保するためにコーヒーを頼んでいて、コーヒーはただの場所代なのかもしれないなと思う。だとしてもその嗜好品の合わせ技はやっぱり発明なんじゃないかと思う。実際試したことはないのだけど。

窓際の席に座り、艶々と光るグラスと氷を眺めているだけで気持ちがゆっくり溶けていく、そんな午前中の時間はとてもおだやかだった。こういう何でもない時間が本当にすきだなと思う。

それからひさしぶりに虹をみてうれしくなった。
写真だと全然わからないけど。

またアイスコーヒーを飲みに行こうと思う。





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