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○○の主役は我々だ!さんのマイクラ人狼動画を全部見た話

 最近、作業用に色んな実況動画を流しているうちに「○○の主役は我々だ!」さんのMinecraft×人狼ゲーム動画を一通り見ていました。

 この人狼ゲームでは、預言者(本家人狼ゲームでいう占い師)や霊媒師が一度しか能力を使えない、どちらかの陣営が過半数をとるまでではなく全滅するまで勝負が続く、処刑の方法が投票ではなく弓矢やアイテムを使った戦闘であるなど、人狼ゲームの面白さとマインクラフト人狼ならではの面白さが合わさったルールになっています。実況者さんの軽妙なやり取りと、新しく追加される役職、同じ展開は二度と無い話し合いや戦闘によって、どのセッションも非常に楽しみながら一気に見てしまいました。

 この記事では、マイクラ人狼の特徴や面白さに触れつつ、特に好きなセッションについて個人的に感想を書いていきます。以下、各動画の内容についてネタバレを含みます。ご留意のほどよろしくお願いします。


■ガチ推理!推理考察が飛び交うマイクラ人狼

 議論の進行が今現在上げられている動画ほどスムーズではなく、それ故に味わい深いセッションです。手探りで話し合いが進む中で丁寧に盤面整理の考え方が話されており、人狼ゲームの考え方に不慣れな人も情報を追いかけやすくなっています。
 二人COしている預言者のうち片方が対抗の預言者を占ってしまうといった人狼ゲームに慣れないうちにありがちな動きから、狂人が人狼を間違えて倒してしまう・戦闘で操作をミスして自滅してしまうなどマイクラ人狼ならではの動きまで、この動画で基本的な行動を一通り学ぶことができました。
 また、人狼ゲームの他にも預言者同士の罵り合いとその末に生まれる謎の親近感までの会話も面白くて好きなところです。セッション中は動画のタイトル通り推理・考察が飛び交うと共に、「変態クソチワワ」「クソ平均化野郎」と切れ味の鋭過ぎる罵倒も一緒に飛び交い、セッションが終わった後はお互いに健闘を称え合い自分の動きを省みるという、我々だ!さんの実況者グループとしての魅力が感じられる点も、この動画の好きなところです。

 このセッションに限らず、マイクラ人狼が投稿され始めたばかりの頃の動画では、単独COした役職持ちや預言者全員から白出しされた村人が何故か人狼じゃないかと疑われる、確定白ではなくグレーの人が指導者になっている、今誰が生きていて誰が死んでいるのかの生存確認があたふたしているなど、初期ならではのもどかしさがあります。直近で上がっている動画のスムーズな進行と見比べて、メンバーの立ち回りの成長や新しく編み出される色んな戦法が見られるのも、マイクラ人狼シリーズの好きなところです。


■大白確が命ずる圧倒的残虐命令!!

 一つ前に挙げた「ガチ推理! 推理考察が飛び交うマイクラ人狼」のセッションを踏まえて、議論の進行に安定感が感じられるセッションです。確実に村人陣営だと分かっている霊媒師が議論をしっかり仕切る、預言者二人が同じ人を占って霊媒師の他に確実に信用できる村人を一人作る、能力を使い終わった預言者のうち片方は必ず人狼陣営なので無条件降伏しない限りはどちらも処刑する……といった、村人陣営がしっかり結束している良い議論の基本がこの動画では見られます。人狼ゲームでは、場を動かす情報を持っている役職持ちが議論の場で目立つ反面、役職を持っていないただの村人は何も仕事が無いと思われることもあります。しかし、このセッションや「黒出しされた俺は鮭と泳ぐ事を選んだ」のセッションを見ると、ただの村人がしっかりと結託できている白陣営は強いと改めて感じさせられます。

・黒出しされた俺は鮭と泳ぐことを選んだ

村人なのになぜか人を攻撃し始めるなど所謂”リア狂”のイメージが強いシャオロンさんですが、白確定の重要な役職になった時は堅実な立ち回りをすることも多いです。この動画は、シャオロンさんの立ち回りで村人陣営が上手く結束できていたセッションです。

 この動画で早々に村人陣営だと分かったのは、霊媒師の鬱先生と預言者二人から人間だと占われたコネシマさんだったのですが、鬱先生から預言者二人の討伐を引き受けて、村人から様々なアイテムを貰い装備を強化したコネシマさんを見た周りの人の「シッマばり武装しとうやん」「見た目完全に勇者やからな」という反応には思わず笑ってしまいました。セッションは順調に進むものの、大白確!小白確!と呼び合う鬱先生とコネシマさんのやり取りが安定した進行を飽きさせません。

 また、前に挙げた「ガチ推理! 推理考察が飛び交うマイクラ人狼」のセッションと合わせて見ると、ただの村人でグレーの位置にいるゾムさんは確実に白だと分かっている人の周りをうろついて守ろうとするといった、各陣営に割り振られた時の各メンバーの特徴も見えてきます。このような、視聴者という神の視点から分かるメタ的な推理も、マイクラ人狼動画の面白さの一つだと思います。もしかしたら狂人かもしれないグレー位置にいたところから、武器を捨て、完全に抵抗をやめて鬱先生曰くの「偵察用ドローン(肉盾)」となった真預言者であるエーミールさんの自己犠牲的な動きも、プレイヤーの人となりが感じ取れて個人的に好きなところです。


■鬱先生大ピンチ!?本気の1vs3!!

 一つ前の「大白確が命ずる圧倒的残虐命令!!」は村人陣営の堅実な動きが光ったセッションですが、こちらは人狼陣営の動きが光ったセッションになります。
 所持していると非常に有利な不死のトーテムを村人陣営に渡して一旦信頼を得るといった動きに始まり、相方を失いつつもグレー同士の戦い(所謂グレラン)を勝ち抜き、粘りに粘って戦いを終盤まで持ち込んだ人狼の鬱先生と、最後の最後まで自分が狂人だと明かさず長時間嘘をつき続け、人狼陣営二人vs人間陣営一人の盤面になったとき満を持して人狼にこっそり「自分は狂人だ」と明かし、不死のトーテムを持っている人間を確実に二撃で討ち取ったロボロさんに思わず拍手を送りたくなります。

 このセッションでは二人の戦闘が上手いのは勿論、嘘のつき方も鮮やかです。後で全員の役職を把握した後にもう一度動画を見返して驚いたのは、透明化して人間陣営の二人を倒そうと移動しているロボロさんを鬱先生が見かけ、二回ほど撃った後「何やった今の……」とだけ言って流す場面です。セッションが終わった後の感想戦で、鬱先生は「もしかしたら透明になっていたのがロボロじゃないかと思って、その時にロボロが狂人じゃないかとうっすら察した」と話しているのですが、透明化した人の足跡を見つけて一瞬驚くものの、すぐに流して人間陣営側に”透明になったのに鬱先生を攻撃しないロボロが怪しい"と思わせないようにする話し方が咄嗟にできるところに嘘が上手い……!と舌を巻きました。同時に、この時鬱先生に思い切り撃たれているのに一切声色を変えず、「地下一階かあ」と他の人間陣営と一緒に鬱先生を探しているふりをしながら話すロボロさんの嘘の分からなさも凄いです。

 実際にセッションに参加しているとほとんど分からないだろう部分ですが、しっかり役職を頭に入れて見直していると、人間陣営のシャオロンさんを倒したという鬱先生の報告に、ロボロさんが「やられた?」ではなく「やった?」と人狼陣営の視点で言葉を返しているあたりからほんのり狂人が透けて見えるなど発見が沢山あります。村人陣営を次々に倒していくスーパープレイと人狼陣営の嘘のつきどころ、そして冷静に無事に勝利した後の心から嬉しそうな鬱先生の声が聞ける感想戦まで含めて何度も見返したくなるセッションです。人狼陣営が全員割れた後のバトルロワイヤルも手に汗握る展開で好きですが、最後の最後まで人狼陣営が嘘をつき続けて人間陣営を騙そうとするセッションも、本家の人狼ゲームらしさが出ていてとても好きだなと感じさせられます。

■石造りの建物でマイクラ人狼!ショッピが容赦ねぇ

 マイクラ人狼の大きな特徴の一つに、人狼の処刑方法が多数決の投票ではなく戦闘でとどめを刺すことというものがあります。そのため、どれだけ確実に人狼陣営だと分かっていても戦闘で倒されない限りは生き延びられるところに、普通の人狼ゲームとは違う面白さがあります。その特徴が最大に出ているのが、このセッションではないかと思います。

 このセッションの終盤では人狼のトントンさん一人、村人陣営四人という圧倒的な人数差になっていました。普通の人狼ゲームなら四人が人狼に投票してつつがなく村人陣営が勝利するところです。
 しかし、マイクラ人狼では戦闘で決着をつける以上、トントンさんを倒さなければセッションが終わることはありません。結果的にトントンさんは、4vs1の戦いをひっくり返して人狼陣営を勝利させました。一人、また一人と村人陣営が減っていって、最後に勝ちを収める人狼の姿は正に圧巻で、マイクラ人狼ならではの決着だったと思います。このセッションの他、「チーノの本気、開幕30秒で魅せる圧倒的黒ムーブ!!」「圧倒的汚いマイクラ人狼」など、多人数vs自分1人になった時や、セッションの序盤に人狼陣営だと確定した時など、普通の人狼ゲームなら絶対に生き残れない状況でも生き延びられるところにマイクラ人狼ならではの面白さとトントンさんの耐久力の高さを感じます。

・チーノの本気、開幕30秒で魅せる圧倒的黒ムーブ!!

人狼陣営二人、村人陣営一人という絶望的な状況で粘り勝ちするトントンさんにテンションが上がる回です。その他にもタイトル通り人狼としてすぐに動き始めて、人狼としての立ち回りを色々試しているようなチーノさんの動きが好きです。

・「圧倒的汚いマイクラ人狼」

セッションの最序盤に真預言者から黒出しされたトントンさんがちゃっかり最後まで生き残っている回です。普通の人狼ゲームのように人狼の処刑方法として正式な投票時間があるわけではなく、人狼に戦闘という抵抗手段があることから、こういった展開が起こり得るのがマイクラ人狼特有の面白さです。

 マイクラ人狼動画を見ていると、生存手段である戦闘は勿論のこと、普通の人狼ゲームのセオリー通り盤面整理と話し方が上手な人はやっぱり動きが上手いなと感じるのですが、トントンさんはどの陣営に属していても話し合いで自分視点の情報をしっかりと話すこと、様々な可能性を考えながら盤面を整理してくれること、穏やかで落ち着いた雰囲気の話し方などから、周りから信頼されるのが上手だなと感じます。初期の動画では一回のセッションで一度しか使えない預言者の預言先にトントンさんが頻繁に選ばれがちだったのも、「敵でも味方でも非常に強力だから早めにどちらの陣営なのか確定させておきたい」という周囲の認識が伝わってくるようで好きなところです。

■CO人狼!俺を占ってみろ!!!!

 

 マイクラ人狼動画では定期的に新しい役職が追加されるのですが、中でも個人的に好きなのが「怪盗」の役職です。怪盗がどの役職を盗んだか、また怪盗がいつ役職をCOするかのタイミングなどによって話し合いに色んな可能性が生まれて、動画を見ながらメンバーの役職を推理するのがより楽しくなっていると感じます。怪盗人狼はどの動画もとても好きなのですが、中でも推理する楽しさを一番味わえたのがこの「CO人狼! 俺を占ってみろ!!!!」のセッションです。自分が人狼だと一見めちゃくちゃなCOをしているのはサムネイル通りゾムさんで、実際にゾムさんは「おそらく史上初の試み、カミングアウト○○!?」のように相方と一緒に人狼だとCOしてめちゃくちゃに暴れ回った回もあるのですが、このセッションでは人狼COにきちんとした理屈があります。

・おそらく史上初の試み、カミングアウト○○!?

人狼が二人とも自らCOするというバトルロワイヤル回。ゾムさんとシャオロンさんの二人が好き勝手に暴れている、この二人が人狼同士として組んだ時特有の動きが楽しそうで好きです。

 大抵の怪盗人狼では村人陣営の役職を盗んだ怪盗が程々のタイミングでCOして村人陣営をより盤石にするのですが、怪盗が人狼陣営を盗んだ場合は当然怪盗が誰の役職を盗んだかCOすることはありません。このセッションでは「怪盗で預言を盗んだ」と宣言したショッピさんの怪盗COが嘘だと途中で分かり、本物の怪盗が誰かという推理が話し合いの肝になっていきます。そうやって誰もが確実な盤面を把握できていない中、預言者に占ってもらって自分が人狼だと確信できる(=最悪の場合自分以外の全員を倒せば勝利できる)立場へ置かれに行ったというのが、人狼COの理由です。それと同時に、人狼COして自分が役職を盗まれていなかった場合確定で人狼陣営だと分かってしまい村人陣営から狙われるリスクがあるにもかかわらず、それでも生き残れるという自信のもと自分の立場を確定させる方を優先してCOしたのであろう点も好きなところです。「カミングアウトで狂った豚が暴れ出す!!!」 でのトントンさんの動きもそうですが、ある程度無理を通しても大丈夫だと自分の実力を信じ、ともすれば自分がそのまま死んでしまいかねない突拍子の無い行動をとれる強者らしい動きには痺れるものがあります。

・「カミングアウトで狂った豚が暴れ出す!!!」

預言者のトントンさんが、預言の結果ゾムさんが人狼だと知ったために「自分は狂人だ」と嘘をついて、場が混乱しているうちにゾムさんを倒しに行った回です。ゾムさんを倒すまで霊媒を使わせないよう上手く誘導して、倒した後にゾムさんを霊媒してもらい自分が預言者だと証明するという証明手段もしっかり残しているあたりに、立ち回りの上手さが感じられます。

 最終的に誰がどの役職を盗まれているのか確信が持てないゾムさんと、相方の人狼だったチーノさんは、「とりあえず絶対に倒さなければいけない村人陣営確定のエーミールを倒して、それでも決着がつかなかったら1vs1で戦おう」と話をまとめるのですが、いざエーミールさんのいる方へゾムさんが矢を放った時、瞬時にチーノさんの方へ無言で矢を向けてすぐに撃てるよう動いている(8:08の場面)あたりからも、戦闘における判断の早さがうかがえます。
 このセッションにおける怪盗の真実は、「怪盗が狂人の役職を盗み、狂人として『自分が怪盗だ』と騙った」というものだったのですが、自分が役職を盗んだ元狂人を真っ先に倒して、狂人として場をかく乱させた怪盗役職のショッピさんの行動も含めて好きなセッションです。

■『酔っ払い』となったショッピが大暴れ!そして村は大混沌に・・・

 マイクラ人狼で新しく追加される役職として「酔っ払い」というものがあります。酔っ払っていて自分の役職が判断できず、預言者がその人を占っても人狼かそうでないかを確かめられません。誰かを一人倒すことで酔い覚ましを飲み、そこで初めて役職を確認できるという役職です。どの役職が欠けているか分からないという推理面の面白さは勿論、酔っ払い役職に当たった人の酔っているRPもどれも楽しくて見所です。

 この「『酔っ払い』となったショッピが大暴れ!そして村は大混沌に・・・」のセッションは、ショッピさんが酔いから覚めた後に「自分は預言者だった」と宣言し、それまでの預言者COや占い結果が覆るという酔っ払い役職ならではの特殊な役職欠け要素で推理が進められていく面白さがあります。
 そして、このセッションで何より好きなのが、終盤にお互い村人陣営と人狼陣営で最後の一人になったシャオロンさんとエーミールさんの決闘です。どの陣営でも基本的に一つの部屋に籠もりがちなエーミールさんが、シャオロンさんからの決闘の誘いを受けて1vs1の戦いをするところや、周りから「強い」という認識のトントンさんとゾムさんを倒したエーミールさんに敬意を表して決闘を挑むシャオロンさんの言葉は、思わず手に汗を握って見入ってしまいます。決闘を始める前のシャオロンさんが「ゾムとトントンを倒したお前の栄誉賞に敬意を表して正面から戦う」とエーミールさんを褒めた後、「まあ芋ってた(部屋に籠もって有利な位置で待ち構えてた)だけやけどな」といつも通りの口調で煽り、エーミールさんが「えらく早く上げて落とすやないか」と謝りながら言うやり取りも、この二人らしくて好きな会話です。
 
 この決闘に関してもう一つの見どころが、ニコニコ動画に上がっている天界の反応です。それぞれ誰かに倒されて退場した後に、シャオロンさんとエーミールさんの決闘を観戦する他のメンバーの盛り上がりようは、さながら競馬場の観客を彷彿とさせる勢いで、熱狂が画面越しに伝わってきます。ゲーム本編は勿論、退場した後や感想戦も全力で楽しんでいるところが、我々だ!さんの動画で好きなところの一つです。

■霊媒確定!!村人コネシマが怪しい人を追いかけた結果・・・

 「兄弟」は人狼ゲームの「双子」に似た役職です。お互いが確実に村人だと分かる代わりに、片方が死ぬともう片方も道連れになってしまうため、村人陣営はより慎重な立ち回りを求められます。どのセッションも緊張感があって好きなのですが、マイクラ人狼での兄弟役職の立ち回りとして目から鱗の動きが見られたのがここで挙げている「霊媒確定!!村人コネシマが怪しい人を追いかけた結果・・・」のセッションです。
 
 大前提として、普通の人狼ゲームでは人狼が2~3人の内訳になっている場合、双子や共有者といった二人一組で確実に村人陣営だと分かる役職が人狼陣営に騙られることは基本的にありません。
①偽物として騙れば偽の情報を出して場をかく乱できる預言者や霊媒師と異なって、双子や共有者は「二人が確実に村人陣営である」という情報だけしか出せない
②双子や共有者を騙るには二人一組で騙りに出なければならないため、名乗り出た二組を順番に処刑すれば確実に人狼が処刑されてしまう
このように、騙るリスクに比べて得られるメリットが小さいことが、共有者や双子を騙らない理由として挙げられます。
 しかし、マイクラ人狼シリーズにおける兄弟役職の「兄からは弟が誰なのか分かるが、弟からは自分が兄弟役職なのかも兄が誰なのかも分からない」といった特徴が、人狼ゲームを面白くしています。
 兄だけが自分の兄弟役職と誰が弟なのかを把握しているということは、人狼陣営が二人一組で嘘をつかなくても、誰か一人が嘘をつけばただの村人に「自分は兄でお前は自分の弟だ」と兄弟を騙れるということです。普通の人狼ゲームであれば、投票先を絞り込むためや狩人等の人狼の襲撃から村人を守る役職の守り先を固めるために共有者のような役職は早めにCOするのが定石ですが、マイクラ人狼では人狼も村人も戦闘によって誰かを自分の意思のみで処刑でき、狩人のような人狼から村人を確実に守る役職が無いことから、兄弟役職は基本的に話し合いが煮詰まるか、相方が人狼に倒されて自分も退場するまでCOすることはありません。兄が弟に自分たちが兄弟だと伝えたり、兄弟のうち片方が村人陣営だと確定している人に相方を伝えたりする時も、口に出すのではなくジェスチャーで秘密裏に伝言がされます。だからこそ、兄弟でもなんでもない人狼陣営がこっそりと兄弟を騙ることができるのです。
 「霊媒確定!!村人コネシマが怪しい人を追いかけた結果・・・」のセッションで、本物の兄弟が爆発するのを見て、狂人に自分が兄弟だと思い込まされていたと村人が気づいた瞬間の一場面には、兄弟役職が入っているセッション特有のドラマを感じました。同時に、それまで頭になかった「兄弟役職を人狼陣営が騙ることができる」という発想に非常に驚かされました。
 
この他にも、兄弟人狼の動画には、「新役職!この村には『兄弟』が紛れ込んでいる!!2人は一心同体!?」や、「コントに狂人COに兄弟CO!?霊媒者が悩みすぎて大爆発!!一体その真相は?」など、兄弟役職ならではの動きが見られて楽しいものが沢山あります。また、セッションの最後に明かされる実際の役職内訳の画面で、兄弟役職の二人は向き合う形に顔のアイコンが置かれているのが仲良しに見えてとても好きです。

・新役職!この村には『兄弟』が紛れ込んでいる!!2人は一心同体!?

兄弟役職が動画として初めて出てきたセッションです。一人で二人分の命を背負っているため、必死に自分の身と弟の身を守り、 触れる者皆傷つける勢いで立てこもる、見るからに兄の役職が透けている鬱先生が面白いです。

・コントに狂人COに兄弟CO!?霊媒者が悩みすぎて大爆発!!一体その真相は?

唯一の白確であり、複数の人から「自分が兄弟の片割れだ」と報告を受け、誰を信じれば良いのか分からず「もう見かけた奴は全員倒す」とバーサークモードに入った霊媒師のゾムさんへ、ほぼ完全に盤面を整理できている兄弟の2人が誰を狙えば良いか指示を出しながら的確に人狼陣営を倒していく回です。兄弟役職の「自分を含めた2人が確実に村人陣営だとわかる」特性が活かされているセッションだと感じます。


 ■オオカミ少年の推理が難しすぎる!最後は漢の真剣勝負となるのか!!??

 我々だ!さんのマイクラ人狼では、人狼ゲームらしい推理やマインクラフト世界での戦闘の他に、軽快に交わされる茶番も見どころの一つです。プレイヤー同士の茶番が好きなセッションは沢山あるのですが、その中でも何度も見返して笑っているのが「オオカミ少年の推理が難しすぎる!最後は漢の真剣勝負となるのか!!??」の動画です。

 終盤まではいつも通りのマイクラ人狼なのですが、人狼の疑いがある人が鬱先生かコネシマさんかの二人まで絞られた時、鬱先生がコネシマさんに決闘を申し込んでからの流れに終始笑ってしまいます。
 決闘の場所を指定し、「漢コネシマ、不意打ちはしないと見込んで決闘を待つ」と言って仁王立ちで待っていた鬱先生に容赦なく不意打ちをかましていくコネシマさんと、その後何とか決闘に勝って“コネシマが倒れて終わらないから人狼は鬱”と判断した村人陣営三人に向かって「よーし三縦するぞー!!」と息まいた一秒後に背後から飛んできた矢が刺さって死ぬ鬱先生のテンポの良さが本当に好きです。決着がついた後、天界から決闘の様子を見ていた面々の「残された鬱先生に一気に押し寄せていく村人陣営三人の図が絶望的だった」「正面にゾム、背面にロボロ、その後ろにショッピくんがいる完全包囲網だった」という冷静な総括も、切な過ぎる最後を際立たせています。

 セッション中の掛け合いは面白いものが沢山あるのですが、中でも「黒陣営が太すぎるッピ・・・!!」「鬱先生がCO〇〇!?プチドッキリで衝撃の事実が発覚!!?」など、鬱先生が茶番の中心にいる回は個人的に特別面白くて好きなセッションが多いです。

・「黒陣営が太すぎるッピ・・・!!」

最初から最後まで下ネタが飛び交う回。初手で真預言者のコネシマさんに黒出しされた鬱先生と、鬱先生を煽るコネシマさんの疾走感のある会話が終始面白いです。

・鬱先生がCO〇〇!?プチドッキリで衝撃の事実が発覚!!?

セッション中御手洗いに行って離席している鬱先生がドッキリを仕掛けられる回。ついでにドッキリのとばっちりを食らったショッピさんの「あの便所コオロギのせいでよお!!!!」という心からの叫びも合わせて好きなセッションです。

 また、「日常組とコラボ人狼!え、人狼めっちゃうまいやんこの人ら」「覚醒ロボロVS最凶の引き篭もり」などでも見られる、ロボロさんが目の良さと耳の良さから時折見せるスーパーショットが個人的にとても好きなので、透明になった人狼の居場所を足音で正確に見抜いて射抜く格好良いロボロさんの場面が見られる点でもこの動画がとても好きです。

・日常組とコラボ人狼!え、人狼めっちゃうまいやんこの人ら

実況者グループ「日常組」さんとのコラボ回。コラボ先の4人の方たちがどういった人なのか、セッションの展開や掛け合いの中でわかる良質なコラボだと感じます。さりげなく身内切りをして自分を白く見せるのがうまいクロノアさん、相槌と共にトントンさんを誤射するコネシマさん、ロボロさんの本気の「自分は村人だ」という主張を信じた時同時に「トントンは狂人だったんじゃないか」と気づくコネシマさんとロボロさんなど、好きな場面は沢山あるのですが、ロボロさんが最後に1vs1の戦いで人狼を倒して勝ち名乗りをあげる場面が本当に格好良いです。

・覚醒ロボロVS最凶の引き篭もり

勝つのがほぼ絶望的な場所で敵に待ち構えられ、詰んだかと思われる状況で人狼を下して勝利するロボロさんの回。矢を避けただけでも凄いのに、水が流れていて地形的に不利なところから矢を当てるスーパーショットに魅せられてしまいます。


■確定黒民族の新人が本気で暴れ散らす!?

 COした二人の預言者両方から人狼だと言われたチーノさんが頑張る回です。すべてを知った後だとタイトルの「本気で暴れ散らす」の意味が違って見えるのがまた味わい深いセッションです。もしもまだセッションを見ていない方がいたら、今までこの記事で挙げた動画の中から何本か見た後に見てほしいセッションでもあります。

 結論から言えば、このセッションでは全員が人狼というドッキリだったのですが、何も知らずに動画を普通に見ているとどんどん内訳のつじつまが合わなくなっていって上手く混乱させられます。特に預言者の一人としてCOしていたシャオロンさんの「自分が人狼でチーノを身内切りした」という発言と、突然無差別に周りの人たちを攻撃し始めたショッピさんの場面では、一体誰がどう嘘をついているんだ……!?とずっと困惑していました。チーノさんの企画力が光っている良いドッキリ動画です。

 全員の役職を知ってから動画を見返すと、何故かいつもより攻撃的なエーミールさんやショッピさんの無差別攻撃などの挙動に納得が行く他、鬱先生のどう見てもただの村人にしか見えない演技力・シャオロンさんの人狼でありながら預言者の騙りに出て更に相方を身内切りするといった破天荒な行動など、人狼陣営時の各々の動きに特徴が出ていてとても面白いです。また、チーノさんと一緒に仕掛け人として参加していて、すべて分かっていながら預言者と霊媒師として振舞っていたロボロさんとコネシマさんの嘘の上手さにただ舌を巻いてしまいます。

 チーノさんはドッキリ企画の発端として「マイクラ人狼で皆に勝つにはもうチートしかないでしょ!」と話してロボロさんとコネシマさんに企画を持ちかけているのですが、順を追って動画を見ていると、「この預言者胡散臭い…ポンコツか?有能か?」ではトーテムを渡す時に一緒に弓を捨て、自分の白さを出来る限りアピールしてから確白と一緒に的確にグレランを遂行していったり、「史上初!突如消えた村人達!?残った者で騙り合え!」は相手との戦闘の腕の差を理解して騙し討ちで勝ちにいくチーノさんの上達が見られます。プレイヤーの方がどんどんマイクラ人狼の立ち回りが上手くなっていく過程を見られるのも、動画を見る楽しみの一つです。

・この預言者胡散臭い…ポンコツか?有能か?

ポンコツ預言者が人狼に黒出ししてしまうものの、確実に村人陣営だと分かっているシャオロンさんと早々に信頼を得たチーノさんを中心として村人陣営が協力し合って勝った回。ポンコツ預言者が登場して間もないセッションだったことから、感想戦で全員がポンコツ預言人狼ではどんな立ち回りをすべきか省みている会話も興味深いです。

・史上初!突如消えた村人達!?残った者で騙り合え!

ショッピさんと1vs1で残ったチーノさんが、「高所を取らないようにして戦おう」と協定を持ちかけた上で、素直に平地を移動していたショッピさんを高所から撃ち抜いた回。ある程度予想出来たものの綺麗に決まった騙し討ちに拍手を送りたくなる他、感想戦で騙して高所を取ったことを謝るチーノさんへ「いいよ。絶対高所取るなって思ってたよ」と敢えて提案に乗っていたことを笑いながら明かすショッピさんの、色んな信頼を前提としたやりとりが好きです。


■主人を失った従者ゾムは、記憶も失ったようで…

 マイクラ人狼はその仕様上、究極を言えば「狂人以外の役職は自分以外の全員を殺せば勝つ」ゲームになっています。勿論そんなことを毎回していたらゲームにならないので、プレイヤーは皆出てきた情報や周りの言動から人狼が誰かを推理するのですが、途中から何もかもがぶち壊れたのがこの回です。

 ただの村人であるトントンさんの従者になったゾムさんが明らかに暴れ足りなさそうにしょんぼりしているところからして既に面白いのですが、ショッピさんが間違えてトントンさんを撃ってしまった瞬間、確実に村人陣営だと分かっている探偵のショッピさんと、同じく確実に村人陣営だと分かっている(しかもトーテムを持っている)チーノさんを次々に倒し、残った村人と人狼の二人を困惑の渦に叩き込むまでの流れがすさまじいです。「ゾムはトントンの従者だから、トントンを誤射したショッピを倒すのは正しいのか?」「でもゾムの使命がトントン(村人)の遺志を継ぐことだと考えると確定白のショッピを倒したのは愚行とも言える」と戸惑っている二人をよそに大暴れしながら、結局ゾムさんがそのまま人狼を倒して勝ってしまう、正に暴力が全てを解決してしまったセッションになります。

 その後ゾムさんはその場に残っていて困惑させられたロボロさんとシャオロンさんを筆頭に感想戦で説教されるのですが、掘った穴に入れられマグマを流し込まれた中で「このゲームを人狼と呼ぶのをやめろ」と真っ当過ぎる正論で叱られている姿にまた笑ってしまいます。マイクラ人狼のルールを見た時に誰もが一度は考えるだろう「狂人以外は自分以外の全員を倒せば勝てるんじゃないか」という考えが実現され、それがどれだけめちゃくちゃな戦法であるかがよく分かるセッションです。


■歯抜け老人が好き勝手でうるさいんだけど…

 この感想記事を書いている途中で上がった、ごく最近の動画です。内容がとても好きだったので無理やりねじ込みました。
 このセッション最大の特徴は、議論と戦闘のどちらもが求められるマイクラ人狼において、戦闘以上に言葉が大きな力を持っていたところです。長老人狼では狂人にクォーツが渡ると人狼に誰が狂人なのか通知が来るという仕様上、狂人がクォーツを手に入れると人狼陣営が非常に有利になります。その上で、長老に弓矢を渡し、無抵抗を示して信頼を得てクォーツを手に入れたコネシマさんの動きはこの議論においてとても大きなものだつたと思います。
 弓矢を渡してしまえば攻撃手段が無くなり、暴れるのが仕事のような狂人にとってはかなりの痛手に思えます。しかし、コネシマさんはクォーツを貰った後もなど、言葉によって人狼陣営に非常に有利な行動をしています。特にさりげなく長老を示したことについて、感想戦で「皆が"コネシマならこのくらいガバった発言をしてもおかしくないだろう"と思う程度のやらかしを演じて、長老が誰なのか隠すふりをしつつバラしていた」と話されていた時には頭が良過ぎる……!と感嘆しました。実際にコネシマさんの発言で長老が誰なのか把握し、早々に人狼が長老を暗殺したことも、人狼陣営にとって非常に有利に働いていたと感じます。

弓矢を使わず言葉のみで完璧な立ち回りをしたコネシマさんは勿論、人狼2人の動きもこのセッションでは光っています。村人陣営2人を始末して自分が人狼だと声高に明かしてヘイトを自分へ集めたロボロさん、ロボロさんと敵対しているふりをして「人狼のロボロさんを倒しに行く前にもしかしたら狂人かもしれない預言者2人ともから武器を取り上げておきたい」と言葉巧みに真預言者を騙したショッピさんは、的確に村人陣営全員を倒した戦闘面でも、言葉の面でも、人狼として鮮やかな立ち回りをしていたと感じます。

最後に自ら武器を捨て、自決してしまったエーミールさんが、人狼陣営に綺麗に騙される形でセッションは決着します。冷静に考えれば、確定で人狼だと分かっているロボロさんを差し置いて狂人かもしれないエーミールさんのところに来るショッピさんは怪しいことこの上なく、エーミールさん以外の人であれば武器を捨てず抗戦していただろうと思うのですが、「コネシマは一体どこに消えた?幻影シマを追え!」のセッションでグルッペンさんから「エーミールは必要ならすぐ自分が犠牲になる」と評されているエーミールさんが最後の1人に残され、言葉でも分が悪過ぎる1vs3の状況でああいった行動をとるのは正直わかる……となります。エーミールさんが倒された瞬間のBGMと、表示される「人狼陣営の勝利!」の文字の演出は、痺れるような後味の悪さがあります。

コネシマは一体どこに消えた?幻影シマを追え!

我々だ!さんの一番初めのマイクラ人狼動画で人狼が死んだふりをしてずっと潜伏していたことから、マイクラ人狼では常に死んだふりをした潜伏が警戒されています。この回では生死があやふやなコネシマさんが潜伏しているのか皆で頭を悩ませる推理が面白い他、エーミールさんやゾムさんの癖を分析して立ち回るグルッペンさんのメンバーに対する理解力の高さが見られます。

村人のゾムさんが盤面の把握漏れと状況的に非常に怪しく見えてしまったこと、確白として怪しいグレーの人間を倒しに動いたトントンさんが撃ち負けてしまったこと、真預言者のエーミールさんが戦闘の起こっていた屋上に居なかったことなど、村人陣営にとって運の悪かった点も沢山ありましたが、人狼陣営全員が戦闘のスキルと同等かそれ以上に言葉によって上手く立ち回り完全勝利を収めた、思わずかっこいい……!と思ってしまうセッションでした。


YouTubeをさまよっている時に見つけて視聴したマイクラ人狼動画でしたが、どのセッションもとても面白く、ワクワクしながら一気に見られました。人狼ゲームの推理要素と、マインクラフトの戦闘要素が掛け合わさった、マイクラ人狼というゲームならではの楽しさと共に、議論も戦闘も悪ふざけも全力で楽しめる、それぞれ立ち回りの異なるメンバーの方たちが、何よりマイクラ人狼を面白いものにしていると感じます。
ここに挙げたもの以外にも好きなセッションは沢山あるのですが、中でも特に好きなものについて書きました。これからも楽しみに追いかけたい動画の一つです。







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