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心肺蘇生とAEDの話し

   自身の話し

   4年前のある日、身内が突然亡くなった。そのころの私には誰かを助ける手段として119番に連絡するという知識しかなかった。消防署に連絡する、救急隊員の方が到着する、病院に行く。家族の死を知る。腹が立つほど知識のない人間だった。

   私の住む町では月の初めに広報誌が届けられる。何気に読んだ記事にAEDという言葉が書いてあった。なんとなくのイメージはあったけれど詳しくはわからない。有給休暇を3日取り、受講の申し込みをした。胸骨圧迫とは何か?ー胸の中心に長く伸びている骨を圧迫すること。圧迫位置はどこか?ー胸骨の下半分。心肺蘇生の手順とは?ー倒れている相手の反応を確かめる、119番通報、胸骨圧迫をする、気道を確保する、人工呼吸する。胸骨圧迫は強く、早く、絶え間なく。救急隊員の方が来るまで胸骨圧迫と人工呼吸をくりかえす。AEDの使いかたは?ー電極パッドを胸に張る、電気ショックをあてる。1日8時間かけてみっちり受講したなかで、一番学んだことは『体力が必要なこと』。腕力、肺活量の多さ、胸骨圧迫と人工呼吸器を続けるための体力。座学ではわからないこと。

 応急手当普及員という資格をいただいた。かといって、目の前に倒れている誰かを必ず助けることができるとはいいきれない。資格を持っていなくても助けることができる人はいる。

 だけれどあのときの私にその知識があれば、家族が減ることはなかったかもしれない。違う人生を歩んでいたかもしれない。毎日そう思っている。


❇️読んでいただいてありがとうございます。受講中に、肋骨は折れるかもしれませんが、命が助かることに重きをおいてくださいといわれました。心肺蘇生のやりかたは実践しないと身につかないと思います。講習時間やAEDの金額がもっと安くなれば、もっとメジャーになるのにな。