見出し画像

大人はもっと勉強しようよ

僕は昔、新卒で入社したサイゼリヤというところで店長をしていました。その後転職をした際に、資格取得の必要が生じ勉強場所に困った経験から、2008年に「勉強カフェ」という社会人の勉強場所を作りました。そこから11年、山あり谷ありというよりも谷に落ちてばかりですが、なんとかやっています。

ところで、「勉強」というとどんなイメージが浮かびますか?

きっとこんな絵ですよね。

画像1

殆どの方は、勉強というとこのようなイメージが真っ先に浮かぶはずです。自分が学生時代に経験した「勉強」。

その証拠に、大人のための勉強場所をビジネスでやっていると言うと、未だに多くの方に驚かれます。特に60代以上の人には経験上殆ど理解してもらえません笑

勉強カフェが混雑するのは、平日だと仕事帰りの夜、週を通して最も混雑するのは(スタジオによりますが)基本的には土日の午後から夕方なのですが、これもまたよく驚かれます。そんな時間に勉強しに来る人がいるの?と。その裏には「自分には無理だわ〜」と。

たぶんそう思う背景にあるのは、勉強=資格の取得だったり、TOEICのテストで高得点とるとかというイメージがあるからと思うんですよね。

自分たちが勉強のイメージを変えよう!ということでやっていたときもありますが、自分たちが小さく勉強カフェをやっているだけでは世間が変わるものでもなく、、でも最近少しずつ風向きが変わってきているように感じます。それは時代が変わってきたから。

「勉強=試験に合格」だけじゃなくなってきてると思うのです

600ページを超える長編作「週4時間」だけ働く。という本にWork for Work(W4W:仕事のための仕事)という表現が出てくるのですが、それになぞらえると、これまでの「勉強」は、Study for Study(S4S:勉強のための勉強)だと思います。

サイゼの店長時代、いわゆるStudy for Study、資格取得のための勉強の類のものはまったくしていませんでした。

しかし今思えば、僕は当時よく「勉強」していたのだと思っています。初めて店長に昇格し、自分でひとつのお店をマネジメントしてお客様を増やすということが楽しくて楽しくて、そして売上ランキングが発表されるのに燃えて、どうしたらもっとお客様が来てくれるか考えては(会社に怒られなさそうな範囲で)試してを繰り返していました。うまくいったものがあれば会社に提案し、やってみていかなかったのがあれば修正してまた試して、、自然とPDCAを回していました。

「いらっしゃいませ」じゃなくて「こんにちは」「こんばんは」を言っていたサイゼリヤは後にも先にも僕のお店だけじゃないでしょうか笑(当時の上司の皆さんにはこんな僕を泳がせてくださり本当に感謝しています)

脱線しましたが、要は、勉強は机に向かってするものだけではないんじゃないかと思うんですよね。

画像2

勉強をアップデートすれば、勉強は身近なものになる

こういう話をすると従来の勉強を否定していると思われがちなのですがそうではありません。机に向かい、資格取得のための勉強ももちろん大事です。(ただしS4Sではないという条件付きで。合格したその先が明確であればいいのです)ではこれからの学びとは何だ。語学か。プログラミングか。はたまた教養か。

そのような勉強の対象が何に変わるかという話ではなく、今必要なのはアップデート。NewsPicks風に言えば「勉強2.0」みたいな感じでしょうか。勉強の対象領域の拡張です。

すなわち、学生時代に経験した延長線上のS4Sが「勉強1.0」。それに対し、読む。聞く。考える。話す。書く。やってみる。意識して行うこれらすべてが勉強。これが「勉強2.0」

どうでしょう。これなら、グッとあなたの近くに勉強が来ませんか?

そうは言っても、必要に迫られるとかでもないと、生活のスタイルまではそう変わらないのが人間です。特に勉強や運動、早起きなど、やったほうが良いと頭では分かっていることほどできないのが人間。そういう生き物です。

でも、世界の変化のスピードはどんどん増しています。一昔前までは、一度大人になれば、ある意味「逃げ切れた」。今は若いうちから世界の情報にダイレクトに簡単にアクセスできるようになったことから、一度大人になっても若い人に簡単に負けます。僕もキャッチアップするのに必死です。

人間は自分が興味を持っている範囲、知識として知っている範囲、スキルがあって動ける範囲の中で生活しています。

今の時点で自分が興味があること。知っていること。できること。これらはインプットをしないとそれ以上広がることはありません。つまりは勉強しないことには、自分という人間はそのまま。そこから成長できないのです。そして、現状維持は衰退を意味します。


勉強することで、人生の選択肢が増える

いや、そんなことはない。もしかしたら、勉強しなくても生きていけるのかもしれません。日本はなんだかんだ言って保障制度もあるし、生活保護のようなセーフティーネットもあります。だから勉強しなくてもいいのかもしれない。将来のことは分かりません。

でも、勉強するとその分、選択肢が増えて、自分の人生を自分で生きられる可能性が上がるのは間違いないと思います。

今いる会社が嫌なら辞めたらいい。転職活動がうまくいかなくても、自分で事業をやってみたらいい。勉強していればそういう「もうひとつの選択肢」が生まれやすくなるでしょう。

ローマは一日にして成らず

画像3

ちなみに、勉強カフェのビジョンがこのLEARNING NEVER ENDS.(for enjoy your life)です。創業して10年が経ち、次の勉強カフェの目指す世界観を表現したものです。

勉強カフェを11年やってきて改めて思うのは、上述したとおり勉強が必要になってきていること。そして、やっぱり人はひとりで勉強を続けるのはしんどいわけです。なので、自分以外にもそれぞれの勉強している人がいる環境で、ときには休みながらも勉強することを生涯かけて一緒に続けていきませんかー?っていつも思っています。

ただの自習場所だけではなく、学びたいなと好奇心が湧いてくる場所。そのうえで、読む。聞く。考える。話す。書く。やってみる。これらのアップデートされた「新しい勉強」ができる場所でありたいなと思っています。

というわけで、大人はもっと勉強しようという話でした。これを読んでくださった方の中から、自分も勉強しようと思ってくれる人が増えれば嬉しいです!