エロ本とエロDVDを行商する男にその真意を聞いてみた件

「すみません」
「はい、いらっしゃい」
「あの、ちょっと話いいですか?」
「はい?」
「ここで最近こういった、やらしいDVDとか書籍を販売されてますよね?」
「ああ、はい。販売許可とかそういう話?」
「いえいえ、そういった話じゃないんです」
「そういうこと指摘する人にはさんざん話したんですけど、非営利ですから・・・」
「非営利?」
「そうです。お金をいただいてるふりをしているのであって、ほら、見てコレ。買ってもらったDVDのケースの中にその販売価格分のお金が入ってるんですよ」
「ほんとだ・・・」
「警察もたまに来るけどこれ知ってるからそれほど厳しく言われないよ最近は。ほぼスルー」
「いや、良い悪いとかの話が僕はしたかったんじゃなくって、ここでなにをしてるのかなって思って」
「見ての通りです」
「って言っても、わざわざこんな公衆の面前で売る必要もないんじゃないですか?」
「そこがミソだよ」
「ミソ?」
「最近ってエロDVDを買ったり、エロ本買ったりするスリルないでしょ?全部ネットで買えるし」
「たしかに」
「そのスリルを味わうためにここで販売してるのよ」
「わざわざ・・・そんなこと味わいたい人います?」
「これがね、いるんだよ。特に昭和の時代を生きたおじいさんたちが、あのスリルと興奮を味わいたくって来るんだよ。こないだなんてわざわざ博多から来たおじいさんもいたよ」
「博多?!新幹線で・・・すごい」
「エロって狩猟本能と直結してるところあるから希少性とかでアドレナリンがドバドバ出るんだろね。で、買うの?お兄さん」
「あ、じゃあ、このエロ漫画を」
「おっ、レアだよこれ。毎度あり」