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MacユーザーがWALKMANとLinkBuds Sで外出時リスニング生活をする話

外出時リスクニング事情の話です。

どうでもいい人にとってはどうでもいい話ですが、音楽はロスレス以上のビットレートで聴きたい派です。

聴いていて音の詰まり感というか、狭い空間に閉じ込められている感じのする圧縮音源の音があまり好きではないのです。「ビットレート高めのAACとロスレスの差を、素人の耳で聴き取れるわけがない」と言われそうですが、そう聴こえちゃっているのでこれはもう仕方がないのです。

外出時リスニング環境の変遷

最初はiPhone+有線イアフォンでした。イアフォンはRadiusのHP-NHR31という、ハイレゾ周波数帯まで再生できる製品です。

2年前にiPhone 11にしてからはヘッドフォン端子がなくなってしまったので、SONYのBluetoothイアフォンのWF-H800を組み合わせて聴くようになりました。iPhoneのBluetoothのコーデックはAACですね。ここで音が不可逆圧縮される環境になりました。通信時の不可逆圧縮化で環境的には劣化したのと都内や電車の中でWF-H800のBluetooth接続が片チャンネルもしくはどちらも外れてしまう(ケースにしまうなどの再接続が必要になる)現象に散々悩まされたので、再び有線接続を考えました。

そこでLightning DACを介して有線イアフォンを使うようになりました。ただ、iPhone側のLightning端子は割とぐらつきやすいのか、歩行時にLightning接続が切れてしまうこともあるのであまり安定性はありませんでした。

また、それより以前からの悩みがありました。Apple Musicのおまけ機能であるiCloud Music Libraryは、Mac側のミュージックアプリに保存した楽曲と同じ曲がApple Musicから配信されている場合はロスレスかハイレゾ音源を、iPhone側にストリーミングもしくはキャッシュとしてダウンロードすることができます。ですが、そうでない楽曲の場合はAACに変換されてしまいます。

他のクラウド同期音楽アプリ等も検討してみましたが、ロスレスでの同期機能がなかったり、プレイリストをMacと同期できないなどの機能不足のため採用には至りませんでした。

長くなりましたが、そういうこともあり根本的に方法を変えるために表題の環境に移行しました。700枚近くのCDをミュージックアプリに取り込んである事情もあるので、他のクラウド同期サービスに乗り換えるのも面倒ですし。

音楽ライブラリのコピーとプレイリストの共有

WALKMANは半年前に中古で手に入れたNW-A100シリーズです。MacのミュージックアプリとWALKMANの同期機能なんてのは当然ながらありません。SONYが推奨する方法はミュージックアプリ(もしくは実ファイルの保存フォルダー)から、カードリーダー等でFinderにマウントしたMicroSDカードに手動でコピーするか、Android TransferなるアプリでWALKMAN内部のストレージに手動でファイルをコピーするかです。

MacにはParallels Desktopもインストールされているので、Windows側にSONYのMusic Center for PCアプリを入れて転送することも考えたのですが、ファイルの二重管理が意外と手間だったのでMac側で作業を完結することにしました。

となると後の問題はプレイリストです。幸いミュージックアプリはm3u8形式のファイルにエクポートができます。WALKMANで使用するのはファイルの中身を書き換える必要があるので、下記の4点の作業が必要でした。

・ファイル保存のパスをMacでのパスからWALKMANでのパス(アーティスト名から始まる)に書き換える
・ファイル内の文字列をUTF-8-MAC形式から標準的なUTF-8に書き換える
・パスの階層区切りを「/」から「\」に書き換える
・ファイルの保存形式をミュージックアプリの改行コードCR+UTF-8から、改行コードCRLF+UTF-8(BOM付き)に変更する

これらは手で行うのが面倒なため、シェルスクリプトで行うようにスクリプトを自作しました。UTF-8-MACからの変換はmacOSに付属しているiconvコマンドで可能でした。

Bluetoothイアフォン所感

現状のBluetoothは、常時データが流れ続けかつ高い再現度を要求されるイアフォン用途には不向きな気がしています。接続の維持が不安定な感じは、20年前のWi-Fi普及初期を思い起こさせます。

新しく導入したLinkBuds Sは、それまで使用していたWF-H800に比べればだいぶ接続が安定しています。通勤時間帯の東京駅のコンコースを歩いてみましたが、1分に1〜2回程度片チャンネルの音が乱れる(バリバリいったり、ステレオイメージが崩れる)などの現象は起きましたが、WF-H800のように接続が外れてしまうことはなく、接続はなんとか維持してくれました。WF-H800はAAC、Link Buds SはLDAC接続(音質優先)と設定の差異があるため、より不安定になる可能性のあるLink Buds Sはよく頑張っています。

なおWALKMANやLinkbuds Sには実装されていませんが、今後徐々に導入されるであろうBluetoothの新コーデックの「LC Audio」は、策定団体のインタビュー記事などを読む限りは、接続の安定性やハイビットレート化よりも機能やエクスペリメンツの向上に主眼を置いている印象を受けました。そのため日本独自の事情である通勤電車や街中での接続の不安定性さといった悩みは、この先10年はまだまだ付き合っていかなければならなさそうです。接続の安定化は規格よりも通信チップ側の課題かもしれませんが。

使用に際し、Link Buds Sの本体側のタッチアクション類は全て無効化してあります。イアフォンを外すと再生を停止する機能などは、イアフォン自体があまり耳にしっかりハマらず緩みやすいため、センサーが過剰に反応してモノラル定位に切り替わってしまったり(これは手動で設定不能)、Bluetooth接続が外れてしまうなどの現象に悩まされたためです。それらの機能を切った状態では、挙動不審な点は解消されています。

Link Buds Sは最近流行りのマルチポイント接続にも対応しています。複数の親機に接続して、どちらかの親機で音声を送り出すと自動的にそちらに接続が切り替わる機能です。WALKMANはWi-Fiには対応しているとはいえ、常時Wi-Fiを有効にしているとバッテリーの減りが相当早いです(バッテリー容量だけなら、その辺の携帯バッテリーよりも低容量らしいです)。なので、ストリーミングやYouTube、ニコニコ動画などはiPhoneで視聴しています。その際にイアフォンの接続を手動で切り替えたりイアフォンを2つ持ち歩くことを考えると、これは相当便利な機能に思えます。

最後に

といったお話でした。「音質がどうこうって話はしないんかーい」というのは一般のレビュー記事が既にたくさんあるので、僕の外出時リスニングの話を中心にさせてもらいました。

NW-A300の発売が近いという話題がありますが、A100を買ったばかりですし、使用目的的に積極的には欲しがらないかもしれません。Andoroid 11と内部パーツの高音質化には興味がありますが、最終的に音がアナログに変換されるのがBluetoothヘッドフォン側なのでデジタルレベルでそこまで恩恵があるのかどうかが未知数です(OS内部でのデジタル処理的には多少恩恵があるのかもしれませんが)。お金が大量に余っていたり気まぐれを起こしたら買うのも検討する、程度の話かな?

それでは。

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