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なぜスタートアップに特化したのか。騒動があった中でも「WEIN税理士法人」を立ち上げ、参画した理由

初めまして、藍原博也です。この度、多くの仲間と共に、挑戦者やスタートアップ支援に特化した「WEIN税理士法人」を立ち上げました。

■スタートアップ支援を積極的に行う税理士はなぜ少ないのか?

税理士なら、どこでもスタートアップの支援を行っていると思うかもしれませんが、実は、積極的に支援している税理士は多くありません。特に、起業して間もない法人向けの支援を専門にしている税理士はかなり稀です。実は業界では、避けられがちで、陰であまり良くいわれていないことも多いです。

その理由は、税理士の平均年齢と報酬の低さにあります。

まず、税理士の平均年齢は60歳です。平均年齢が高めである理由は、税理士のうち約40%を国税OB税理士が占めているからです。税務調査をされてきた先生方が退官してから税理士になるため、どうしてもある程度の年齢を経てから税理士になる方がほとんどです。

ベテランの先生は経験が豊富ですが、一方でスタートアップ起業家の求めるスピード感やニーズ、環境によって変化するストラクチャー等々のギャップが生まれることから、自分と同世代の成功している経営者への支援を優先しがちといわれています。

もう一つの、税理士報酬について。
税理士業界には報酬の相場があり、売上の金額と顧問報酬は連動します。
この点からすると税理士事務所としては、採算を考えると、

・顧問報酬を上げる
・業務効率化を図る


上記のどちらかを選択することになります。

ITや仕組化を苦手とする年配の税理士からすると、顧問報酬の予算(単価が低い)がとりにくいスタートアップよりも、顧問報酬が高いクライアントを抱えて安定経営させたいと考える税理士が多いのです。

その点、経験豊富なベテランの先生からは、立ち上げ時期で売上が低く、またそれゆえに顧問報酬が低くなるスタートアップに、あえて積極的に取り組む税理士は、言葉をの濁さずに言えば、業界内では(高報酬の)仕事が取れない三流の税理士だと思われてしまうことも多いです。(つらいです・・)

■三流といわれてもなぜ、私たちはスタートアップ支援を貫くのか


それでもなぜ、私たちはスタートアップを支援しているのか。業界では避けられがちな、スタートアップ支援にどうして特化したのかというと、僕自身が税理士事務所立ち上げの際にとても苦労したからです。

新卒で入社した税理士法人でサラリーマン税理士として働いていた当時、若手にもチャンスをくれる、とてもいい環境だったので定年まで働こうと思っていましたが、どうしても、スタートアップの支援がしたいという気持ちが強くなり、独立しました。(一般的には、クライアントを引き連れて独立するのですが、私はそんなこと考えつきもしませんでした。笑)

お客さまも、事務所立ち上げの知識や経験もないなか、想いだけでいきなり独立をしたのですが、当然のようになかなかうまくいかず。。。そのため、当時は、売上もなく、仲間は辞めてしまうし、支えも何もない状態で精神的にとても苦しい状況が続きました。

その当時は、自分が未熟であったことに加えて、毎日が苦しすぎたことで目先に集中してばかりで思い至りませんでしたが、今振り返れば、経験のある方からの専門的なアドバイスをもらってさえいれば、もっと効率よく立ち上げをできたはずです。また、自分の目指す方向性を理解して、一緒に頑張ってくれる仲間がいれば精神的な支えにもなるし、より一層事業に集中できると心の底から思うのです。

そのような中で、起業をする人たちが周りから心無い言葉を投げかけられたり、人的にも資金的にも苦しい状況でも「事業に集中できる環境」が必要なのだと考えるようになりました。

またスタートアップ業界は、目まぐるしく市況や常識が変化していくのが当たり前の業界ですが、日々刻々と変化していくルールやストラクチャーをキャッチアップでき、また税理士業界の代表としては若手に入る30代前半の自分が持つスタートアップ特有の財務・税務の知識は非常に役に立つのではないかと思うようになりました。

これらの背景から、自分が担うべきだと使命を抱くようになり、スタートアップ支援を中心に生きていくことを決めたのです。

■会計士・税理士からみるスタートアップ支援に必要なこと


今日に至るまでスタートアップ支援を行う中で、起業家からもらった問合せの多くは、通常の税理士が行う税務書類作成や税務署対応だけではありませんでした。中には、神経がすり減るような起業家の危機やハードシングスにまつわるものもありました。例えば、

・Q 資金繰りが悪化し、倒産がしそう。
  →債権者集会での説明した。銀行とも返済時期延期などのを交渉した。
・Q創業者同士が喧嘩して解散するかも。
  →仲直りするまで両者の言い分きいて、創業株主間契約を締結。
・Q上場会社に株式を売るのだけど、いくらで売ったらいいの?
  →いろんな方法で株価算定し、交渉する戦略を提示。
・QシンガポールでのIPOを目指したいのだけど、シンガポール人の対応お願いできますか?
  →絶対負けられない日本代表と同じ気持ちでシンガポールと対応した。

それらを起業家とともに乗り越える中で、起業家に寄り添い、起業家を誰よりも理解し、その前提で専門家としての知識を活かして考えきることが重要だと気づきました。

■WEIN騒動があった中でも参画した理由。

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2020年11月末に知人から紹介され当時のWEINのグループ会社社長達をはじめ、他数名と面談しました。その中で、当時のN氏をはじめとした経営陣からWEINグループ全体の決算依頼を受けました。

決算業務をおこなっていた最中の2020年12月1日の日に、メディアや業界を賑わした騒動が起きました。WEINGROUPの現代表である溝口さんとは、私がWEINのオフィスで私のチームの税理士数名と、当時の代表であったN氏側から依頼を受けたスタッフとのミーティングをしていた時にばったりオフィスでお会いし、その際に「もしかして、決算を対応してくださっている方達ですよね?唐突で驚かれるかもしれませんが、まったく心当たりがない中で、僕がWEINやファンドのお金を横領した、私的流用した、不正会計をしたという疑義が発生しているのですが、調査をしてもらうことはできますか?」と依頼がありました。

正直、溝口さんとは、たくさん参加者がいる中で、一度ランチを1時間程度ご一緒したことくらいだったので、あまりどのような方かは理解していませんでした。そのため、調査報告の際に心がけたのは、エビデンスに基づいて記載することでした。報告書を書くことで、結果によっては、良くも悪くも書かれてしまう可能性があることは覚悟しましたが、それでも専門家としての使命は、データ基づく事実を粛々と報告することであると考えていたためその依頼を引き受けました。

調査を進めていく中で、溝口さんをはじめ、残った人たちのことをあまりに不憫に思うようになったこと、またWEINの「挑戦者を支援し、自らも挑戦する」というビジョンやチームメンバーの人柄や想いに深く共感を覚えるようになっていきました。

そして私の仲間の税理士チームのメンバーとも議論を重ね、いろいろ考え抜いた末に、才能を持った人が不条理に苛まれることのない社会をつくりたい、自分たちの存在によって挑戦する人をたくさん輩出・支援したいという思いが強くなり、双方で話し合いを重ねて、この度2021年春にWEIN税理士法人として参画することを決めました。参画を決めてから今日まで、私も、仲間も、自分たちの選択は間違っていなかったという思いが日増しに強くなっています。

■挑戦者・スタートアップを支援することで得られる醍醐味


この仕事の最大の醍醐味は、起業家が起業時から半年、1年、2年、3年と時間が経つにつれて、人としても事業としても成長していく過程をそばで応援できることに尽きます。

まだまだ立ち上げたばかりのWEIN税理士法人ですが、融資や補助金活用に強い中小診断士、事業計画策定に強い経営士や英語対応可能な税理士、元国税局職員などなど、すでに多彩なメンバーが集まり、現在は上場企業グループや大手芸能事務所、たくさんのシードスタートアップをはじめ、素晴らしい顧客に恵まれるようになっています。(基本はスタートアップです!)

私たちの目標は、まずは国内で最も顧客数を抱える税理士法人です。当然、その中心はスタートアップになりますが、たくさんの顧客を抱え、そしてあらゆる効率化を推し進めることで、スタートアップにとって良心的な価格で、また顧客同士の良質なコラボレーションを私たちがハブとなって実現することを目標にしています。

それらの目標を叶える上でも、まだまだ仲間が足りません。またおかげさまで現在もたくさんのお仕事の依頼を抱えています。

なのでぜひ、私たちとともに「挑戦する起業家を支援したい」と思っている税理士の方をはじめ、経営管理の領域に関心のある方がいれば、ぜひ藍原又はinfo@wein-tax.comまでご連絡いただけますと幸いです。

今後とも、引き続きよろしくお願い申し上げます。

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(また下記当てはまる起業家の方はお気軽にtwitterかfacebookでDMください!)

■起業を本格的にすすめたい方

・会社設立支援(株式会社or合同会社?)
・開業支援(HP、名刺・ロゴ、口座開設、役所届出等)

■資金調達したい方

・融資(元銀行員を含む資金調達の専門家が対応)
・補助金(採択率90%以上の中小企業診断士が対応)

■国内orシンガポールIPO及びM&Aを目指している方(シードスタートアップも大歓迎です!)

・資本政策(CFO経験有公認会計士よる策定支援)
・ストックオプション導入支援
・IFRS支援(シンガポールIPOも見据えたIFRS対応可)
・英語対応可(国際専門税理士によるクロスボーダー取引対応可)

■大手・中小・ベンチャーの事業拡大支援

・事業計画の策定支援(融資・補助金の資金調達にも活用可)
・CFO派遣(資金調達からバックオフィスまでワンストップ対応)

■資産形成を考えている方

・経営者/芸能人の資産管理会社設立支援
・税務リスク相談、税務調査(元国税調査官による対応可)

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