【麻生区】片平川沿いの「仲堰跡」の碑を何度でも読んでしまう
麻生区を流れる河川は、僕の知る限りではそのほとんどが堀込河道(ほりこみかどう)でブロック積護岸となっている。堤防を作らず、万が一大雨や台風で決壊しないようにするためであろう。
そんな麻生区の河川のひとつに片平川というのがある。麻生区の栗木というところに源を発し、2.5km弱で麻生川に流れ込む川だ。柿生に住む僕はたまに片平川沿いを歩いて黒川方面に行ったりするのだが、その途中に大好きな碑がある。
「仲堰跡」と書かれた石碑、これに書かれていることが好きすぎて、ここを通るたびに必ず2回か3回は読んでしまう。何が書かれているのかというと、ちょっと抜き出してみる。
いまは片平川沿いは住宅が並んでいるが、昔は田畑と山だったのだろう。片平川のこの場所に仲堰という堰を造り、田畑へ水を供給していたというのが読み取れる。
現代になり、田畑もすっかり減少して堰としての役割がなくなったことから堰の撤去をする際に、この石碑は設置されたものと思うのだが、ちょっと僕なりの言葉で意訳してみるとこんな感じなのかな。
この石碑の文言を読むと、どうしても関係者たちの「なんだよ、俺たちや祖先があんなに苦労してきたのに、堰無くしてコンクリート護岸と堀込しちゃうのかよ」って嘆きが読み取れちゃうし、さらに行間を読むなら「どうせなら俺たちが苦労する前にこうしてほしかった」ってのが感じられるんですよね。
もちろん、これは僕の勝手な想像だし、穿った見方なので実際はそんな感じではないと思われますが。そこまで極端な意味合いではなくとも、どこか悔しいなぁってのを感じるんですよね。だってわざわざ石碑と言葉を残すんですよ。
昭和54年ということなので、それから40年以上経って当時を知る人もかなり少なくなっていると想像するが、この石碑がある場所で、かつてここに堰が存在し、それに関わった人たちがいたというのは十分に伝わってくる。時は確実に流れているけど、この石碑だけは時間が止まっているようだ。もし、当時の堰の写真があるのであれば見てみたいものだ。
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