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写真じゃなく、ゴールの話をしよう(副業撮影を始めてみようという方への超基本)その2.

こんにちは、あなたのココロのスキマ♡ライカでお埋めします、hirotographerです。前回、以下の記事で副業撮影を始める方への仕事初心者の方へのアドバイスと考え方を簡単にまとめてみました。

今回はそこから一歩進んで「お客様の問題を解決するためのゴール」

課題解決ためのゴールの確認

許可をいただいているの最後のゴールは実例を出してお伝えしようと思います。スタチューパフォーマーのジェンガ金次郎さんという方からの撮影依頼が「面白・ばかばかしいプロフィール写真が撮りたい。」というリクエストでした。

よっしゃ!そういうのめっちゃ得意です!早速撮りましょう!

・・・とはなりません。

その方のホームページやSNSを事前確認したうえで、まずはなぜ写真を撮りたいと思ったのか?というレベルからまずはZoomでヒアリングを行いました。「お仕事の機会を増やしたい」と聞けば想定通りの回答ではありますが、ここで、なんでなんでおじさんの登場です。
どれくらい増やしたいのか?それはなぜなのか?現状はどうなのか?
どういう写真であればお客さんのお仕事の機会が増えるのか?・・・etc
基本は以下を整理するための情報を確認してまとめていきます。ここが本当に千差万別。お客さんが欲しいものは写真ではなく「解決策」なのです。
よく言われることですが、お客さん自身は「何が解決策なのかを理解していない」ことがあるのでそれを整理する必要があります。少しアレンジしてありますが、簡単なフレームワークを紹介しておきます。

⓪リクエスト:「写真を撮って欲しい」
①現状:As is
②ゴール:To be
③ギャップ:①と②の差および課題
④アクション:③を埋めるために写真+私に何ができるか?
⑤埋まったギャップ:解決策の価値

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①~④の詳細はお客様事情なのでざっくりとした表現にして伏せますが、以下提案した内容になります。本来はマーケットでのポジションや他のパフォーマーとの比較なども必要になりますが、二宮金次郎とジェンガを一緒に楽しめるという大道芸はその時点でめちゃくちゃ面白く、差別化ができているのでそれをわかりやすく伝えられることを意識しました。Web屋さんなどだとここにPageViewやConversionなどのKPIを設けて継続的に・・・ってことになったりするんでしょうけど、今回は突発予算だったのでワンショットで完結するかたち・範囲での提案です。
④の自分にできることを明確に伝えることで、出来ないこともクリアになります。お互いの役割分担や欠けていたアクションなども明らかになることもメリットですね。

提案したこと
・キャラクターのTwitterを分けて新規に作る
⇒元々の個人のTwitterだと何をしている人なのか初見の人にわかりづらく、Twitterで検索してもすぐ出てこなかった。かつ、写真をアップし続けないといけないInstagramよりも大道芸中に他の人の撮った動画や写真の投稿をRTで拡散できるTwitterの方が向いていると判断。
・そのプロフィールをわかりやすくする
⇒どんな特徴があり、どんなイベントが向いているのかをプロフで記載する。またパフォーマーを探しているイベンターの方の目に入るように名前の後に@マークで「対戦型銅像パフォーマー」と入れてもらう。
・少し大げさでもインパクトを残せる写真にする
⇒PhotoShopで加工した千手観音バージョンも加えるなど破壊力のある写真を入れてイベンターの方の目に留まるようにする
・4枚でそのキャラクターがやっているパフォーマンスを理解できるようにする
⇒インパクトのあとに具体的に活動やパフォーマンスのイメージをTwitterの1投稿でつかめるようにする

あれ?途中まで写真の話じゃないじゃん?と思った方、正解です。Twitterについてのアドバイスなどは撮影のお仕事の範中外ではありますが、ゴールを達成するためにお手伝いできることはありますし、なおかつせっかくの写真を有効利用してもらうための施策なので積極的に提案しました。かつお金も手間もかからない。すごくシンプルな話ではありますが、抑えるべき4枚もこの提案の中でより明確になり、お客様にとっての価値が増していると思います。「え?お客さんが『写真くれ』って言ってるんだから写真撮ればいいじゃん?」という方、どんな写真が欲しいか、それによって何を達成したいか、というのをお客様自身が要件化、明文化、言語化できていないことはいくらでもあります。
このあたりは発注する側に回ったことがあるかどうかなどの経験があるかどうかも影響する部分かもしれません。

繰り返しますが求められているのは写真ではなく「解決策」です。「美味しんぼ」のように旨い料理を作ったら、問題万事解決してみんなハッピーめでたしめでたし!みたいなことは現実世界にはあり得ないので、写真でできることは限られますがギャップを埋めるために写真や自分ができる最大限のお手伝いをする、ということになります。一方「この写真を撮ったやつを呼んで来い!」という海原雄山的クレームをもらう可能性だけは常にあるので注意しましょう。

こういった課題解決の確認やヒアリングが少なければ少ないほど撮影はほぼ「作業」に近づきます。作業に徹することが求められる場合ももちろんありますので不正解ではありませんが、問題を解決できたほうがお互いに価値があり、両者ハッピーな結果にたどり着くのは間違いありません。基本的な考え方として、どうしたらお互いに最大幸福をもたらせるか?という判断基準を持つことが大事ではないかと思っています。
というわけで何か街イベントなどがある際に、よかったらジェンガ金次郎さんにお声がけいただけると幸いです。

ジェンガ金次郎撮影のポイント

ちなみにライティングについては銅像のような質感を出せるようにメインにソフトボックスを使っています。グリッドを入れた方が陰影が出るのですが、こちらのスタジオでは用意がなかったため、多少現像でも調整しました。一灯だけだと背中に背負ったジェンガが何かわからない状況だったので、サイドから二灯目を白カポにバウンスさせて背のジェンガが浮かび上がるように調整しました。一人なので基本はシンプルに組みます。最後の千手観音金次郎は複数枚をPhotoshopで重ねましたが、インパクトがありすぎたのか「問い合わせが多かった」とのことで、最近では「実際の腕は2本です」というキャプションをつけていただいてます。。。(やりすぎた?

撮影した写真

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まとめ

というわけで、前回記事も含めざっくり3つの区分に分けてゴールを確認していくことでリピートや新規の案件を紹介してもらえるような副業撮影、無駄や負担のない撮影につながるのではないかと思います。

ちなみに同じような質問を毎回聞いていると本当に「なんでなんでおじさん」と呼ばれてしまうので、回数を重ねるごとにある程度「察する」という技術も必要になります。ただ、「わかってくれてると思った」と言われないように漏らしてはいけないポイントは必ず抑えることが必要です。

あとはお客様との信頼関係も大事です。今回のは過去のお客様からの紹介案件でしたのでその信頼を裏切れないこともあり、ご予算なども最初から明確にお伝えいただいていたので+αの部分にも結構力をいれました。

全部が最優先事項ではなく、BetterなゴールとMustなゴールがあります。ただ、これも人や状況によって大きく変わってきますので、優先順位を確認して高いものから提供できるとよいですね。

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