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「起業家養成講座|共感を呼ぶ事業計画書」イベントレポート

昨夜(2020年1月14日)起業家・起業を考えている人向けのイベントがHATSU鎌倉で行われたので参加してきました。

学生ビジネスプランコンテスト世界大会決勝に4度出場し、世界一を獲得した講師から魅力的な事業計画書を作成するために必要なエッセンスを学んできました。

企画は、地域とつながる起業支援施設HATSU鎌倉

マインドマップで、その内容をメモにまとめていたので、事業計画書に関して気になるかたは是非のぞいてみてください。

ここからイベントのレポートになります。

※かいつまんでメモをしていました。情報に漏れがある可能性がございますが、ご了承ください。

講師の方

廣川克也さん(@Hirokawa_IM

詳細はこちら

廣川 克也/Katsuya Hirokawa
一般財団法人SFCフォーラム事務局長兼ファンドマネージャー
1993年上智大学経済学部卒業。同年住友銀行入行。1998年通商産業省出向、債務保証審査事業、全国新規事業発展基盤調査事業、起業家精神涵養教材開発事業等に従事。2000年7月銀行復帰、成長企業取引推進担当となり、ベンチャー企業、株式公開志向企業に対する将来性評価による融資業務を担当。2004年1 月同行退職、同年2月より北海道大学知的財産本部着任。2005年12月より慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスインキュベーションマネージャーとして着任、起業家に対する事業計画作成、資金調達、販路拡大支援等を実施。2017年SFCフォーラムファンド設立、ファンドマネージャー就任。I2P Global Competition にて、慶應チームを世界一に導く。

ーその1ー 時代・社会の変化

様々な観点からの時代の変化、実際の事例から共感を呼ぶ事業計画書の重要性についての学びです。

【価値】
物そのものからストーリーで語られなければならない時代へ

【分断から繋がり】
匿名性から顕名性社会へ

【確定から揺らぎ】
購入、所有、専門性から借用、共有、知識の民主化

【リソース優位性から限界費用ゼロ】
希少性を生み出せない、購入・消費で利益が出ない
シェアリングエコノミーの勃興・共感の需要

【具体例】
某女子大の学園祭で売れたもの


ーその2ー 事業計画書で書くべき7つのポイント

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①What is your pain? ーポエムじゃなくてプランー

painとは顧客が抱える課題であったり、理想の未来とのギャップとのこと。

顧客とは価値を届ける具体的な相手であり、ヒフミ(非・不・未)に注目した課題とギャップがpainとなるそうです。

課題を抱えているのは誰?課題と思っているのは誰?それってほんとに課題なの?より具体的に深掘りすることが必要だそうです。

完成した後に、チェックとして「ワンフレーズで表現できるか?課題の正体は?正しい顧客は?」を1分で説明できるようにとのことでした。20分で説明すれば誰でもできる。でもそれではいけない。1分という時間でできなければ解像度が低いとのことでした。


②How to solve the problem(s)

ここで具体的に紹介してしまうと、聞いてる方が飽きてしまうので簡単に。
何をどう売るのか?仕組み、中身、機能は?

新規性を出すためにどうして私がやるとできるのか?なぜこれまで世界中の賢い人たちは実現できなかったのか?を説明します。

1分チェックは①で設定した課題を(その方法で・・本当に)解決できますか?


③I am/We are

3番目にやっと自己紹介です。ここまでの相手の流れが、
「確かに課題深刻だなぁ、いいとこに目をつけたなぁ、確かにそれなら解決するかも!ぜひやってもらいたい!でも今まで誰もできなかったんでしょ??」っとなっているところに、自己紹介と経営陣、参加メンバーの紹介をするそうです。


ここまでが事業計画書のWhyの部分になるのですが、余談として「Which should we bet? Jockey or Horse.」を話されていました。
これは、一般的人的資質、特定人的資質、経済的資質、社会関係資質の4つの資質に対して、どこがあって、どこが足りなくて、どこを伸ばしていけばいいのかの参考にできるそうです。


④Application

4×7の組み合わせで全ての価値提供を説明できるそうです。
特定の地域や属性は、実現可能性とともに時間軸と説明すると良いとのことでした。

⑤How does it works?

相手が望むものをぶら下げ、ブラックボックスのままにしないことが大事だそうです。今後の課題として、①のpainの課題ではなく、チームの課題を提示する。
人材が足りてないのか、お金が足りてないのか。
質疑応答で焦って失望させないためにも、包み隠さずに、解決方法・時期・コストまで説明すると良いそうです。


⑥Who will buy it?

お客さんについての説明です。市場・業界・属性を、設定した課題とともに徹底的に検証します。算数ではなく数学を。
仮説を立てる→裏付けるデータを探す→仮説を立てる…の繰り返し

参考文献:とことん観察マーケティング


⑦Who is the competitor?

競合分析をするけど、競合の本質を間違えない。

具体例
首都圏のサラリーマンが出張で関西に行く。羽田から関西、JALで。
JALの競合は?

ANA、航空各社?それだけ?
新幹線は?夜行バスは?
行った先のコミュニケーションをするという面ではSkype、zoomは?
JALの価値は移動手段なのでマイクロソフトをベンチしても意味ない。
JALぐらい大手なら新規事業でトばしても平気だけど、スタートアップは生活がなくなってしまう。
自分たちの価値の本質でぶつかる相手はなんなのか?

参考例:KAJIOSU(価値の本質を把握し、言語化する)


①〜⑦プラスSummary

❌ご静聴ありがとうございました
審査員・投資家・オーディエンスに向けて、最後に表示されるスライドとして、課題・ビジョン・説明したりなかったところ・決意などを用意すると良いそうです。


ーその3ー 見直し

①〜⑦まで順番に書いていったところで、つながりがおかしいな?なんかモヤモヤするな?ってところがあるはずとのこと。

その時は、二つ前に戻って検証します。

具体例:⑥のWho will buy it が高齢者なのに、④のApplicationがゴリゴリIT

③のチームに違和感ある場合は、①の解決したい課題に戻る


ーその4ー 課題・解決方法・チームの三角関係

ゴール・理想の状態を目指し、課題・解決方法・チームの三角形の収益モデルが大事になってくる。この収益モデルの点に関して会場から多くの質問が出ていました。


ーその5ー 結果を出すプロセス

出発点→準備→結果のプロセス
単純にこのプロセスを経るわけではない。
出発点と準備の間には(課題→観察→仮説)、
準備と結果の間には(失敗→生存→学習→準備→…失敗→生存→学習)がある。

課題を深く掘り下げる
どうして放置されているのか?法律があるから?仮説を立ててアプローチする。

重要なのはいかに生存するか。質の良い失敗をする。
このプロセスにおいて大切なことは「準備してもだいたい失敗する。」ということ。鎌倉から大船に行く途中で北鎌倉を通り過ぎるぐらいの確率で失敗するそうです。だから、聞けば・調べればわかることで失敗しない。HATSU鎌倉のような場所で起業家支援の方々にアドバイスをもらい、余計な失敗、避けられる失敗をしない。もらえるものはもらうことが大切とのことでした。

ーその6ー まとめ

ビジネスプランを作るときに、最も大切なもの
初めは「夢・信念・情熱・志」がある。そこから抽象的なままにするのではなく、具体的かどうかで判断されていくのでポエムはやめます。
数字・企業名・地域の名前・お客さんの数・流通経路からどこまで具体的に書けるか、本気度が伝わるので解像度を高くする。
最初はぼんやりでも勝負のプレゼン事業計画では、時間軸やマイルストーンまであると良い。


感想

今までの考えはただのポエムだったと、自分の甘さを痛感しました。しかし、ポエムからプランに変えていくための掘り下げ方、考え方など、結果を出している人にとっては何のこともない当たり前のことかもしれませんが、改めて当たり前のことを再確認することができてよかったです。

また、グループを作って感想を出し合ったところ、実際にチームづくりで課題の共感ポイントから分裂した経験を持つ方、お店ができては潰れる状況に課題を持つ方からは、根本のところで改めてためになったとの感想を聞けました。

ただ、実際にすでに事業を行なっている人が多く、収益モデルの詳細や事業の拡大について、もっと話を聞きたかったという声も多く聞きました。

今回は、事業計画書の大枠と、効果的かつ印象に残る事業計画書を構成するための項目やストーリーの重要性について解説していただくということだったのですが、

次回、1月28日(火)19時から「起業家養成講座|儲けのカラクリ」が行われるようです。九つの収益モデルを実際の企業・事例と照らし合わせながら解説してくださいます。

それまでに自分の事業計画を、今回の学びを生かして、より具体的に、仮説と準備から結果に向けて動き出したいと思います。

次回は、より具体的なインプットをすることを目指して…それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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