1969 そしてWoodstock 僕と音楽と⑻
1969 年・夏 7月、高校生になった僕は、サッカー部の夏練の校庭から、教員室へと抜け出して、TV中継を盗み見た。
月面着陸である。
その翌8月には、米国で史上最大のロック・フェスティバルが行われる。
WOODSTOCK MUSIC FESTIVALである。
尤も、史上最大となったのは、当事者たちにとっても結果論であり、僕等がその全容に触れるのは、翌1970年の映画公開となる。
1969年という年は、音楽史にとっても全く特別な年だ。
Led Zeppelin がデビューし、2ndアルバムからは、「Whole Lotta Love(胸いっぱいの愛を)」を大ヒットさせる。
King Crimsonは、あの鮮烈なジャケットの「The Court of the Crimsom King(クリムゾン・キングの宮殿)」でデビューする。
Rolling Stones は、「Let It Bleed」で70年代へと発展させる一方で、
THE BEATLESは、あの傑作「Abbey Road」を最後のレコーディングに、解散する。
71年に来日して、ぼくのRockライブ初体験となるChicagoも、この年デビュー作にして最高傑作の「Chicago Transit Authority 」でデビューする。
何より僕の永遠のアイドルとなる人達が、名盤の数々を世に出して行く。
Crosby, Stills & Nashには、その名をそのまま冠したデビューアルバムに魅了されるが、
その素晴らしいハーモニーワークを目にするのは、Woodstock の映画化を待つこととなる。
Buffalo Springfield 解散後、いち早くソロデビューを果たしたNeil Youngは、永遠の名曲「The Loner」をこの世に産み落とし、
盟友Crazy Horseと大傑作「Everybody Knows This Is Nowhere 」を発表して、
Crosby,Stills,Nash & Youngとして合流し、Woodstock に姿を見せる。
The Band は、Bob Dylanの元を離れ、名盤「Music From Big Pink」でデビューした後、「The Band」を完成させる。
愛すべきLaura Nyroが、名盤「New York Tenderberry」を発表したのもこの年だ。
そして後年、その姿を求めて世界中を訪ね歩くことになる、僕の最愛のVan Morrisonは、
既に、名作「Astral Weeks」を産み落としていた。
さらには、モダン・ジャズのMiles Davis までが、「In A Silent Way」から、「Bitches Brew」へと、Electric Milesへの変貌を遂げ、後年、その姿を僕は目にすることになる。
音楽遍歴の長い長い旅路が始まった。
本日の一曲
Crosby, Stills & Nash「Suite Judy Blue Eys(青い目のジュディ)」