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2013年中カ国際列車+新疆伊寧(イーニン)旅行(中国東方航空編)

 中国は国土が広いからか、長距離移動には飛行機を使う。20年前に比べてたくさん飛行機が飛ぶようになった。鉄道は線路の上しか走れないのに対し、飛行機は空港さえあればよいので増便が簡単だ。日本では、空港建設は無駄な公共事業の例として挙げられるが、中国の場合は、人民がそれを無駄と思っているかどうかはともかくとして、街に一つずつ作られるぐらいの勢いだ。土地収用の手間も基本的人権が尊重される日本では考えられないくらい強引かつ大胆で、なおかつ成田闘争のような事態は直ちに当局が抹殺するので、あまり手間がかからない(100%きっとそうだろうという想像)。また人民が豊かになって飛行機が使える層が増えてきたのも要因だろう。
 この度の旅行では名古屋発上海経由西安行きを利用した。乗ってみてはじめてわかったことだが、乗客の大半は上海で降りる。で、西安行きの乗客も一旦下ろされるのだが、飛行機を降りたところで集められ、一旦入国審査を受け、その後わけのわからないところを誘導されながら通って、飛行機に戻った。すると飛行機の中には先ほどとは別の乗客が座っていた。国際線と国内線の客が混じっているらしい。西安に到着すると、再度名古屋からの乗客が集められた。今度は預け荷物を受け取って税関検査を受けた、といっても何のチェックもなかった。羊のようにおとなしく誘導に従わずに群れからはぐれてしまうと、二度と元に戻れない恐ろしい仕組みである。
 中国の最近の空港はやたらばかでかい。ばかでかいことが立派とでも思っているのではないか。そのため、国際線から国内線に移動するのが結構大変だったりする。西安からはウルムチ行きの国内線に乗るために結構長く歩かされた。言葉はできなくてもチェックインは問題なくできる。ところで中国の飛行機は割りと遅れることがある。LCC並みにあまり時間に余裕のない飛行機運用をしているため、一旦どこかで遅れると折り返し便もドミノ倒しのようにどんどん遅れてしまう。そのせいなのかはわからないが、ウルムチ行きの搭乗時刻がいつの間にか遅れていた。ついでに搭乗口もいつの間にか変更されていて少しあせった。で、飛行機に乗り込んで、動き出してうとうとして少し眠り目が覚めると空港ターミナルのそばに止まっていた。決してウルムチに到着したのではない。そのうちに案内があって飛行機を下ろされた。出口にはバスも待機していた。フライトキャンセルになったのか、えらいこっちゃと思ったがどうにもならない。と思ったら、しばらくの間飛行機の横で待機し、その後再度搭乗となった。理由はわからないが、ある荷物を回収していたように見えた。チェックインしたが結局乗らなかった人騒がせな人物がいたのかもしれない。結局3時間ほど遅れてウルムチに到着した。
 日本へ帰るときのこと。ウルムチからは行きと真逆のルートをたどる。去年のウルムチ空港の混雑具合を知っていたので、今回はそれなりに時間に余裕を持って空港に向かったつもりだった。しかしながらターミナルに入るための荷物検査を、長い時間をかけて通過したら、そこはまるで秋の京都駅だった。チェックインカウンターを探してうろうろし、チェックインの行列の長さに、乗り遅れやしないかとひやひやし、保安検査では、自分の前に並んだ中央アジア人がやたらと引っかかるのにいらいらした。搭乗口に着いたのは、搭乗開始10分前だった。それでもお土産を買うならここしかないと思ったので、ここで買い物したが、普通なら空港の売店の名前が入った袋に入れてくれるのだが、なぜかくれなかったので、袋はないかと求めたら、店員は引き出しからビニール袋を出して、その中にお土産を入れてくれた。よく見たらその袋は北九州市の指定ごみ袋だった。わざとやっているのか?あれほどあせらされたにもかかわらず、いざ搭乗してもなぜかすぐに飛んでくれない。結局飛行機の中で1時間待機したあと飛行機はウルムチを飛び立った。

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 ところでこの日は、西安で飛行機を乗り換えるのだが、待ち時間が2時間しかない。あまり乗り換えに余裕がないので、荷物を預けにしなかったのは正解だった。西安に到着した時刻は、名古屋行き出発1時間前だった。またよりによって、ウルムチからの飛行機は空港の端っこに停まったらしく、出口までたくさん歩かされた。そしてそこから国際線窓口までまたたくさん歩かされた。
 窓口に着いたのは30分前、乗客は誰もいなかった。おまけに係員は、こんな遅い時間にやってきやがってとでも思っているのか無愛想。それでもなんとか間に合った。ところがこんなに必死こいてやってきたのに、またもや出発が遅れるようだ。ご丁寧にこちらも1時間遅れだ。ところで、日本にいる上司からのメールで、自分がこれから乗る上海経由の名古屋行き飛行機に、偶然にも職場のボスたちが上海から乗ってくるようだ。ヨーロッパ旅行とは聞いていたが、またよりによって中国の航空会社を選ぶなんて、ずいぶん物好きだと思う。
 上海ではボスたちになんて声をかけようかと楽しみにしていたが、いざ上海に到着すると、上海空港での出国検査でも係員から「急げ急げ」とせきたてられた。もうこればっかり。やっとこさ辿り着いた待合室を見回してみたが、ボスらしい人物は見かけなかった。搭乗した飛行機の中から声がかかるかなと思ったが、それもなかった。セントレア(中部国際空港、名古屋)で会うかもしれないと思ったが、そっくりさんさえ見かけなかった。実はボスたちの上海行きも遅れてしまい、名古屋行き飛行機から置いてかれたとのこと。自分は乗ることができたものの、名古屋到着が遅くなり、豊川に行く列車はもうなかった。仕方がないので、名古屋のネカフェで夜明かしをした。
 翌日は金曜日で、1日だけ出勤して翌週からの社会復帰に向けた慣らし運転とするつもりだったが、本当に疲れたので休ませてもらった。まともに飛んでくれない中国の飛行機はもうこりごりである。そんなわけで、当分中国には行かないつもりだ。

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