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ハラスメントを受止める『心のスペース』って、広かったり、狭かったりするのかな?

【ハラスメント自己防衛マニュアル(15)】

これまでに書いて来たハラスメント対策は、マガジンにまとめていますので、ハラスメント被害に遭っている方は参考にしてください。


 前回に続き、「ハラスメントをどのように受け止めるか?」「ハラスメントに対してどんなリアクションをするのか?」について、書きたいと思います。


1、ハラスメントを受け止めるための「心のスペース」

 職場の三大ハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)については、企業に法律上の防止義務がありますが、その他のハラスメントについては、犯罪行為にならない限り、被害を受けている自分以外に頼れるものはありません。

 ですので、私たちが「ハラスメントをどのように受け止めるか?」、「ハラスメントに対してどんなリアクションをするか?」が大事になってきます。

 前回、「ハラスメントをどのように受け止めるか?」ということを考える時のヒントとして、私たち「外からの刺激(ハラスメント等)」を受けたとき、その刺激を一旦受け止め、評価をする場所として、「心のスペース」があるという話を書きました。

 私たちは、外からの刺激(ハラスメント等)」に対する「心のスペース」の評価次第で、これらを、ハラスメントだと感じたり、感じなかったりするのです。もしも、この「心のスペース」が、自分の意思でコントロールできるものならば、自己防衛策を考える上で、重要な機能を果たすハズです。

2、「心のスペース」をコントロールする

 心の中の話なので目には見えませんが、「スペース」というからには、何かしら広さがるようなもなのでしょう。昔から「心が広い人」「心が狭い人」という言い方をします。

 「心が広い人」は、確かに、少しぐらい嫌なことがあっても、直ぐに怒り出したりはしません。人から嫌味を言われても、聞こえてないふりをして、聞き流すような度量があります。心に余裕があるのですね。

 なぜ心に余裕があるのでしょうか?

 お金持ちだったら、心が広くなるのでしょうか? 確かに「金持ちケンカせず」と言いますね。でも、お金持ちでも、何かあれば直ぐに怒り出すような「心が狭い人」もいますから、単純に、お金がたくさんあればいい、という訳ではないようです。

3、「心のスペース」が広い人は「自己肯定感」が高い

 僕は、「心のスペース」が大きな人は「自己肯定感」が高いのだと思っています。自己肯定感とは何でしょうか?辞書的な意味は、以下のようなものです。

「自己肯定感」;①自分の存在を積極的に評価できる感情、②自らの価値や存在意義を肯定できる感情、③自己否定的な感情の対義語

 つまり、自分で自分のことを認めてあげられる感情です。

 ハラスメントを受けたときに、「心のスペース」が広い人は「自己肯定感」が高く、自分で自分のことをしっかり認めているので、他人からの刺激(ハラスメント等)を受け取っても、それが、自分を否定する感情に結びつきにくいのだと思います。

 一方で、「心のスペース」が狭い人は「自己肯定感」が低く、自分で自分のことを認めてあげられない(=他人の物差しで自分を評価してしまう)ので、他人からの刺激(ハラスメント等)が、自分自身の価値や存在意義を落としめるものだと感じ易くなってしまいます。

 僕は、ハラスメントを受けた時のダメージの違いは、ハラスメントの内容の違いよりも、その時の私達の心の有り様、「心のスペース」の広さの違いが大きな影響を及ぼしていると考えています。そして、「心のスペース」の広さに大きな影響を与えるのが、「自己肯定感」だと思います。

4、「自己肯定感」がハラスメントへの耐性を高める

 ハラスメントを受けたダメージを和らげるための対策は、ハラスメントからできるだけ早く逃げること、そして、そもそもハラスメントを受けないように予防することです。

 でも、世の中に溢れる全てのハラスメントを予防することも、逃げることもできません。だとすると、ある程度、いろんなハラスメントに遭遇してしまうんだけど、その影響を最小限に留めることができるように、心と身体の耐性を高めなくてならないと書いてきました。

  ハラスメントへの心と身体の体制を高める方法について、これから書いてゆくつもりなのですが、先ずは、僕が一番大事だと考えている“「自己肯定感」を高める”という自己防衛策について、次回以降も、書いてみたいと思います。。