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『ハラスメントかな?』と思ったら、今すぐに始めたい対策があります。

【ハラスメント自己防衛マニュアル(4)】

これまでに書いて来たハラスメント対策は、マガジンにまとめていますので、ハラスメント被害に遭っている方は参考にしてください。



1、「逃げるは恥だが役に立つ」

 職場におけるハラスメントは、身心の不調を招き、ひどくなるとメンタル疾患によって、長期休養をせざるを得ない状況に追い込まれます。そんな事態に追い込まれないようにするためには、早い段階でハラスメントから「逃げる」ことが、最も効果的な自己防衛策となります。ハラスメントの被害から「逃げる」ことは、被害を防ぐという観点で、どんな対策よりも「役に立つ」のです。

 でも、ハラスメントの行為者は、「職場の優越的な地位」を使って、あなたが拒否できない状況を作っていると思いますので、そこから「逃げる」ためには、ハラスメントの行為者の「職場の優越的地位」の影響が及ばない人を、この話に巻き込んでゆく必要があります。適切な第三者を巻き込むことで、その瞬間から、ハラスメントの行為者は、「職場内の優越的な地位」による不当な影響力を行使できなくなります。 

 心身の不調がはっきりしているようなら、まずは、病院を受診して、医師を巻き込みましょう。担当医師に、ハラスメントの事実と身心の不調を訴え、アドバイスを受けましょう。そして、その内容を診断書にも記載してもらいましょう。

 次に、会社の相談窓口を巻き込みましょう。法改正により、多くの事業者がハラスメントに関する相談窓口を解説しているはずです。ハラスメントの事実と共に、身心の不調があれば、それも訴えましょう。

 いきなり、会社の相談窓口に連絡することが不安な場合や、そもそも相談窓口が無い場合には、厚生労働省に、電話やメールで相談を受け付けてくれる窓口(「ハラスメント悩み相談室」)があります。相談無料、匿名での相談も可能となっていますので、相談しやすいかもしれません。厚生労働省のホームページで連絡先が公開されていますので、「厚生労働省」+「ハラスメント悩み相談室」で検索してみてください。

2、ハラスメントの具体的な事実を証明するものを準備する

 医師や相談窓口に対してハラスメントの事実を訴える際には、「ハラスメント自己防衛アニュアル(3)」に記載した通り、ハラスメントの事実を客観的に証明できるものを提示したいところです。

 ただし、客観的な証拠が揃っていなくても、「逃げる」ことを優先した方が良いと思います。証拠を揃えるために、理不尽なハラスメントに耐え続ける必要はありません。

 病院で診断書を作成してもらう際にも、医師に、客観的な事実を証明できるものを提示することで、ハラスメントの状況を正しく認識いただいた上で、診断書を作成してもらえるメリットがあります。

3、ハラスメントによる「メンタル疾患」は労災か?

 厚生労働省は、「精神障害の労災認定」という冊子をWEB上で公開しており、この冊子の中には、どういうケースであれば、メンタル疾患が労災認定されるかという判断基準が示されています。

 また、(長い表題ですが、)「セクシャルハラスメントが原因で精神障害を発症した場合には労災保険の対象となります」といったチラシも公開されていますので、厚生労働省のホームページからダウンロードして読んでみましょう。

 これらの厚生労働省の冊子やチラシには、巻末に、相談窓口として、都道府県労働局「労災補償課」の連絡先が一覧で掲載されています。冊子やチラシを読んで、分からないことがあれば、直接、電話で問い合わせもすることができます。

次回は、「パワハラの6類型」について、書いてみたいと思います。

<「精神障害の労災認定」リンク先>

画像1

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/dl/120215-01.pdf

<「セクシャルハラスメントが原因で精神障害を発症した場合には労災保険の対象となります」リンク先>

画像2

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/panphlet_3.pdf