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ハラスメント対策は、『逃げ恥』でいいんです!

【ハラスメント自己防衛マニュアル(11)】

これまでに書いて来たハラスメント対策は、マガジンにまとめていますので、ハラスメント被害に遭っている方は参考にしてください。



1、「逃げるは恥だが役に立つ」再掲

 どんな対策を講じるよりも、ハラスメントから「逃げる」ことに勝る対策はありません。「ヤバイな」と感じたら、その状況に抗おうとするよりも、早い段階から、逃げる方法を考え始めた方が良いと思います。

 ハラスメントは、だんだん悪化するケースが多いので、「ヤバイな」と感じたら、心と身体が元気なうちに、そこから「逃げる」ことを考え始めましょう。

2、逃げ方(その1):「NGな人」とは関わらない

 ハラスメントは人と人の間で起こるので、仕事上、どんなメンバーと関わりを持っているのかが、重要になってきます。特に、パワハラやセクハラは、ハラスメントを起こしやすい性質の人がいます。そういった性質を持っている人には、とにかく近寄らないことです。

 「ウマが合わない上司が異動して助かった…」なんて話は、よく聞く話ではないでしょうか。人間同士ですから、上司や部下、同僚との性格が合わないということは、どんな職場でもある話です。

 ウマが合わないなと思ったら、先ずは、出来るだけその人物には関わらないようにしましょう。関係が深くなってから「逃げる」より、最初から関わらない方が簡単です。

 ハラスメントな、ささいなことが引き金になって始まると言われていますから、接触する頻度が多くなると、引き金となるきっかけが増えてしまいます。

 逆に言えば、パワハラもセクハラも、会う機会が少なければ、起こる可能性も低くなるのです。

 ある本に「NGな人とは議論しない。出来るだけ関わらない。」と書かれていました。自分にとって「NGな人」を見極めて、その人物との接触を減らせば、ハラスメントはある程度予防することができます。

3、逃げ方(その2):人事異動が来るまで、上手に待つ

 転勤や部署異動が多い職場なら、しばらく我慢していれば、人事異動で、ハラスメントの行為者と離れることが期待出来ます。

 ハラスメントの程度がそこまでひどくなく、現時点では違法行為とはまではいいきれないような「グレーゾーン」にある時は、どちらかが異動するまで待つしかないこともあるでしょう。実際には、こうしたケースが多いと思います。

 とはいえ、「グレーゾーン」だった行為が、いつ違法行為にエスカレートするかわかりません。「人事異動を待つ」としても、何も対策をしないで、単に「エスカレートしないこと」を祈るのではなく、これまで書いてきたような自己防衛策を講じながら、接触頻度を減らし、上手に待つ工夫が求められます。

4、逃げ方(その3):ホワイトな職場に転職する

 人事異動がほとんどなく、異動希望も叶わない場合や、そもそも職場の規模が小さくて、逃げようがない場合には、思い切って転職を考えた方がいいのかもしれません。

 職場のハラスメントが改善しないのは、その組織自体にも問題があることが多いので、個人で対策を講じるといっても、自ずと限界があります。

 僕は、これまでに400社以上の大企業や中小企業を訪問して、経営者や人事部門にメンタル休職者対策のアドバイスをしてきましたが、それらの企業を比較してみると、会社によってハラスメントに対する意識や対策に大きな差があることがわかります。企業の規模や業種に関わりなく、ブラック寄りの会社と、ホワイト寄りの会社があるのです。

 ブラック寄りの会社で、限られた人生の大切な時間を浪費するくらいなら、 思い切って、ホワイト寄りな会社に転職してした方がいいんじゃないかなあと、僕は、これらの会社を比較してみて思うのです。

 多くの人は、自分が所属している職場しか知りません。でも、400社以上の組織や職場を比較してみると、その違いは歴然としています。人に個性があるように、組織や職場にも個性があるのです。

 もし、あなたが、自分の職場はおかしいと感じていて、調べてみると法律に違反している状態だとわかったとします。そして、会社がその状況を把握しながらも、全く改善する気がない状況なら、心と身体が健康なうちに、職場を変わることを検討してみても良いのではないでしょうか。

次回も、「逃げ方」の話をしたいと思います。。