見出し画像

『自分自身を客観的に見る』って、具体的にどうすればいいのか、よくわかりません!?

【ハラスメント自己防衛マニュアル(9)】

これまでに書いて来たハラスメント対策は、マガジンにまとめていますので、ハラスメント被害に遭っている方は参考にしてください。


今回のテーマは、自分を客観的に見れるようになることが、ハラスメントからの自己防衛策として、重要だという話をしたいと思います。


1、「自分自身」と「自分自身を見ている私」

 ここで、皆さんに考えてみて欲しいのは、自分自身を客観的に見るというのは、具体的にどんなことを指しているのか?と言うことです。このことが、具体的にイメージできないと、自分自身を客観的に見ることは出来ません。

 自分自身を客観的に見ると言うのは、ズバリ、心の中で、「自分自身」と「自分自身を見ている私」を分ける訓練をするということです。

 「自分自身」は、ハラスメントを受けて、苦しみ、悩んみ、悲しんでいる感情です。同時に、ストレスからくる、頭痛や胃痛、肩凝りに悩まされている身体でもあります。

 「自分自身を見ている私」は、心の中にいて、「自分自身」の様子を実況中継している、もう一人の自分、とでも言う存在です。

2、「自分自身」の様子を実況中継できますか?

 「自分自身」を客観的に見ると言うのは、言い換えると、「自分自身」の様子を実況中継すると言うことだとイメージすると、分かりやすいと思います。

 例えば、上司から言葉のパワハラを受けているとします。その時、心ない言葉を浴びせられて、苦しんでいるのが「自分自身」

 一方で、その「自分自身」を、「今、机の前に立たされて、酷いことを言われています。あんなに酷いことを言われて、辛いでしょうね。あと、5分は、これが続きそうです。同僚たちも、心配そうに見ています。頑張れ。」と、その様子、少し離れたところから、実況中継しているのが「自分自身を見ている私」です。

3、自分自身を、客観的に表現する訓練をしよう

 ハラスメントからの自己防衛に取り組むためには、まるで、友人を近くから眺めているように、「自分自身」を少し離れたところから冷静に見ている存在が必要です。

 自分自身のことは客観的に見れないけれど、友人のことなら客観的に見れているハズです。そういう客観的に状況を把握できる存在を、「自分自身を見ている私」として、心の中に育てていきましょう。

 「自分自身を見ている私」を上手く育てていくためには、紙に「自分自身」の様子を、まるで、友人が自分自身のことをはたから眺めているように書いてみることが効果的です。

 実は、紙に自分自身の気持ちを書き出すことは、漠然とした不安を明確化して、その対策を考えられるようにする効果があると、昔から、いろいろな人が説いています。そう、日記にも、同じような効果があります。

 慣れてくると、紙に書かなくても、「自分自身」が受けているハラスメントの様子を、その場で、アナウンサーが実況中継しているように、喋ることができるようになってきます。

 そうなると、「自分自身」はハラスメントを受けて、痛みを感じ、動揺していますが、同時に、その様子を冷静に眺めている「自分自身を見ている私」が、 ハラスメントへの自己防衛を実行できるようになります。

 これが、自分自身を客観的に見れている状態と言うことです。

4、友人にアドバイスするように、語りかけてみる

 ハラスメントへの自己防衛に取り組む時は、「自分自身を見ている私」から「自分自身」に対して、まるで、友人にアドバイスするように、語りかけさせてください。

 例えば、上司に言葉のパワハラを受けている友人がいたら、あなたはどんなことばをかけるでしょうか?

 僕なら、こんなアドバイスをすると思います。

「今日は、酷いことを言われしまったけど、あれは、あなたが悪いんじゃないよ。気に病んじゃだめだ。」

「あれは、業務上の指導なんかじゃない。人格否定をしているだけの、パワハラなんだよ。法律に違反した行為で、このことが公なれば、会社は防止義務を果たさないといけないんだ。」

「相手は上司だから、簡単ではないけど、どんな自己防衛が出来るか、一緒に考えてみよう。」

 僕なら、友人に、こんな風に話しかけて、一緒に自己防衛の手段を考え始めるとおもいます。

 今回は、メンタル面の話をしたので、ちゃんと伝わっているか少し不安なのですが、ハラスメントへの自己防衛を考えていくために、一番大事な部分なので、また、機会を見つけて解説したいと思います。