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[WORLD・WILD・LOVE]第1話 アン・ハッピー・ハロウィン

30回目のハロウィンを「無職・童貞・彼女なし」でむかえたヒロセは、出会いがほしくて渋谷に来る。夜は怖いから夕方のうちに。でもスクランブル交差点はコスプレした人であふれていた。ヒロセはお金がないからジャージにパーカー。警察官があちこちで規制線を張っている。

緊張しながら交差点をわたっていると、さっそく向こうから美少女が歩いてきた。20歳ぐらい。下着のようなコスプレ。もはやコスプレじゃなくて下着。目があう。(やばい、かわいすぎる)

じっと見つめていると、彼女はニコッと笑って、いきなり抱きついてきた。「パンダを探して。わたしは世界を壊したくないの」そのまま離れて去っていった。

「パンダってなに!?」ヒロセは大声を出す。「上野のシャンシャンのこと!?」

呆然と立っていると、警官の笛が鳴る。歩道に行けと注意される。信号はすでに赤だった。

とりあえず、パンダだ、と決意する。(パンダを見つければ、きっとまた彼女に会えるんだ!) ヒロセの鼻息が荒くなる。

人でごちゃごちゃしているセンター街を歩く。パンダっぽいコスプレをした人を探す。ハルク、ディズニーのキャラ、チェンソーマン、ニンテンドーのキャラ、クマはいたけどパンダじゃない。でもクマもパンダの一種なんだっけ?

白い巨大な後ろ姿を発見する。黒い耳。見た瞬間にパンダだとわかる。人の波をかき分けて接近する。路地に入ったので後を追う。

真後ろから「パンダみーつけた!」と叫ぶと振り返った顔はパンダじゃなくてゾンビだった。血塗られた唇。眼球は片方が垂れ下がっている。勢いあまって抱きついてしまう。

「おまえ、誰だよ?」とゾンビが言った。「ハロウィンだからって、調子ぶっこいてんじゃねーぞ!」

右わき腹を殴られて息が止まる。苦しくて前屈みになったところを、アッパーで撃ち抜かれて身体が2メートルぐらいふっ飛ぶ。周囲はふざけてるとしか思っていないみたいで素通りしていく。笑いながら。

「キモイおっさんは、家でオナニーでもしてろよ」と吐き捨てて、ゾンビは去っていった。

ヒロセはヨロヨロと立ち上がり、渋谷駅に向かってトボトボと歩いた。頭も身体も全部が痛かった。(ああ、勘違いしてた。おれみたいな奴がハロウィンに来たからって、彼女ができるわけじゃないんだ。さっき抱きついてきた子だって、ふざけてたんだ。ダサい容姿のおれをからかったんだ。井の頭線に乗って、木造アパートに帰ろう…)

スクランブル交差点はさっきよりも人が多かった。すでに太陽は落ちていた。信号が赤に切り替わって、みんな走って行く。楽しそうにはしゃぎながら。

ヒロセだけ横断歩道に取り残される。警官の笛がとおくで鳴る。(今年のクリスマスこそは、誰かと過ごしたかった。夢のまた夢。死ぬまで1人きりだ。そんな人生、生きる意味あるのか?)

「ねえ、パンダを知りませんか!」ヒロセは思わず交差点の真ん中で叫んでいた。「パンダがいれば、おれは、幸せになれるかもしれないんです! パンダを、パンダを見つけたいんです!」

静止に来た警官の目の前で、ヒロセはいきなり消える。突如、地面に穴が空いたのだ。ちょうど人間一人分の大きさ。落下しながら思った。(どこまでもダサい人生だ…) 深い深い穴だった。

白い世界で声が聞こえる。男か女か老人か若者かわからない声。(あなたを助ける。だからわたしも助けて

若い警官がヒロセに手を伸ばす。無我夢中でつかむ。引っ張り上げてくれる。周囲で拍手がおこる。地下鉄のホームだった。

「ケガしてない? 大丈夫?」と若そうな警官が心配している。「いま救急隊が下りてくるから。それまでがんばって。目の前で落ちてったから、焦ったよ」

警官が天井を指差す。穴が開いていた。あの先はスクランブル交差点らしい。座っているヒロセの足元にも、深い穴があった。どこまで続いてるのかわからない。ここから這い上がってきたのか?

「経年劣化だろうな」と年配の警官が言った。「にしても、こんなにキレイに上から下まで穴が空くもんかね」

駅員がホームの乗客に向かって説明している。運行再開は未定。警官がロープを張っている。救急隊が担架を持ってきた。手際よくヒロセを乗せる。とくにケガはない感じだが、念のため病院に搬送することになる。

「ハッピー・ハロウィン」と若い警官が見送る。

「ハッピー・ハロウィン」とヒロセも返す。担架の上から。

揺られながらヒロセは思った。(踏んだり蹴ったりな一日だけど、とりあえずは生きてたから、ハッピーかもしれない。ちなみに救急車って、後から莫大な金額を請求されるのかな? それが心配…)



スクランブル交差点に出ると、穴があいた周囲で規制線が張られていた。歩道のそばに救急車が止まっている。後部ドアから運び込まれ、ベッドで横になる。

「名前は言える?」と救急隊の1人が言った。髪の毛が茶色なのが気になったけれど、「ヒロセ・カイトです」と答えた。「今日が何月何日かわかる?」「10月31日。ハロウィンです」茶髪の隊員は笑顔で親指を上げる。

救急車は警官に誘導されて、宮益坂方面に向かった。

ちょうど同じころ、別の救急車が渋谷スクランブル交差点に到着する。救急隊が降車して若い警官に確認する。「救護者はどこですか?」「え? いま搬送されて行きましたけど?」

警官はハッとする。そういえば、さっきの救急車はひとまわり大きかった──。

茶髪の隊員がずっと鼻歌を歌っている。雨に唄えば。(何かの映画で悪い奴が歌ってた)とヒロセは横になりながら思う。

「不幸ってさ」と茶髪が言った。「みんな急に来ると思ってるけど、ずっとずっと長い時間をかけて育ってるんだよね。深い深い地面の底で、長い長い時間をかけて、ゆっくりゆっくりと育ってる」

「地震みてーだな」と助手席の男が言った。

「近いね! ある日突然に来たと思うけど、みんなが見て見ぬふりしてただけで、ずっとそこにあったんだよ」

「対ショック態勢」と運転手が抑揚のない声で言った。女性の声。

茶髪も「対ショック態勢」と復唱しながら、ヒロセの身体を固定しているベルトをきくつ締める。うっ、と思わず声がもれる。身動きがまったく取れない。(ショックって何だ? スピードを出すのか?)

茶髪も向かいのベッドに腰を下ろして、シートベルトをきつく締めて、頭を抱えた。

「一回、言ってみたかったんだよね」と助手席から声が聞こえた。「イッツ・ショータイム!」

救急車はアクセル全開で交差点に突っ込んでパトカーに追突してパトカーは5回も6回も回転して炎上した。

救急車も前方が大破しつつも全員無事で、茶髪が拳銃のようなものを持って後部から下車し、パトカーに向かって歩いていく。後部座席から巨大な男を救い出す。

身長は2メートル近い。体重も100キロは超えている。片手には手錠がついていた。

巨漢は救急車に乗り込み、ヒロセに向かってつぶやいた。「もうちょっと静かにやれないんですかねえ。近所迷惑ですよね?」目がすわっている。あきらかにカタギじゃない。「渋谷のハロウィンは年々騒々しくて嫌ですねえ」

茶髪も戻ってきて、救急車は急発進する。ヒロセは頭が混乱したまま、なるべく男と目を合わせないようにする。

外でなにがあったのか、ヒロセにはわからない。でも、こいつらは救急隊じゃない、ということは理解できた。

「お勤め、ご苦労様です」と助手席が言った。
「気が早いですね。おかげさまで、まだ勤める前ですよ」と巨漢。
「アオヤマが言ったとおりの時間でした」と女性。
「ちゃんと褒めてあげないとね」と巨漢は口元だけで笑った。

停車した場所は、代々木公園の入口だった。「ヒロセさんも降りますよー」と茶髪が笑顔で言った。

ヒロセは頭だけ起こして不信感たっぷりで言った。「ぜんぜん意味がわからないんですけど、これ、救急車じゃないですよね?」

「あれ? 救急車だなんて、言いましたっけ?」と茶髪はヒロセを固定しているベルトを解いて、降りるように促す。

巨大な男は手錠を門扉に打ちつけて破壊を試みる。
運転手(モデルみたいに手足の長い美女だった)は腕を組んで背伸びをしている。
助手席にいた男は小柄で、スマホで何かを打ち込んでいた。

ヒロセはよろけながら救急車を降りる。さっきぶつかった衝撃が、身体に残っていた。(今日は一日中災難だった。殴られて、穴に落ちて、交通事故にあって。とりあえず、家に帰りたい。早くこの物騒な人たちと別れたい)

「あ、じゃあ、自分ここまでで、大丈夫なんで」とヒロセはひきつった笑顔で言った。「渋谷まで歩いて行けます」

「行けねーよ」と茶髪が言った。目がすわっていた。「ヒロセさんは、おれたちの神様になるんだよ

「来ました!」と助手席にいた男が怒鳴った。スマホから顔を上げて、渋谷の方向を見る。「向かって12時! コンタクトまで30秒!」

「兵力は?」と茶髪。

「一級が5、三級が2」

「多いですねえ。待ち伏せされましたね」と巨漢。

「とりあえず」と茶髪がヒロセを見てニヤついた。「ヒロセさんを盾にしよう」

「えっ!」と驚くヒロセを無視して、運転手が「ナイス・アイディア。ヒロセさんは神様だから死なない、はず」と笑った。笑顔がクッソかわいかったけど、見とれてる場合じゃない。

巨漢がヒロセの身体をひょいと持ち上げて、門扉の前に立たせ、門扉と左手をワイヤーのようなもので縛りつける。手際が良すぎる。

「ちょ、ちょっと待って」とヒロセは声が上ずる。「これ、なんかのドッキリなんすか?! YouTubeの企画!?」

「大丈夫。一級兵器も三級兵器も弱いから」と茶髪。「ヒロセさんに、神様のチカラがあるかどうか、念のため確認させてね」

「5、4、3」と小柄な男がカウントダウンを開始する。

0で前方を見ると、ハルク、ディズニーのキャラ、チェンソーマン、ニンテンドーのキャラ、クマ、スパイファミリーが現れた。

各々、手にマシンガンを持っている。やっぱりYouTubeの企画だ、とヒロセは確信した。コスプレが完璧だった。

「ハッピー・ハロウィン」とヒロセは笑顔で言った。自由に動ける右手を好意的に振りながら。でも誰からも返答はなかった。

おかしいな…と思って茶髪を探すと、茶髪も運転手も助手席も巨漢もいなかった。門扉にくくられたヒロセと、7人のコスプレ集団だけ。

「ハイ!」と右手をあげて友好を呼びかけるも虚しく、各々がマシンガンを構えて、躊躇なく撃ってきた。

当たる! と思って目を閉じたところで当たる距離なんだけど、不思議なことに当たらなかった。

当たらなかったというか、ヒロセがおそるおそる目を開けると、マシンガンから放たれた弾が全部、空中で止まっていた。

訂正。止まってるわけじゃなかった。めっちゃゆっくり動いていた。それこそ風船が浮かんでるみたいに、ふわりふわりと、ゆっくりとヒロセに近寄っていた。

(なんだこれ?)と思って、右手でつまむと、粉々に崩れた。ひとつ、またひとつとつまんで、最後はまとめて叩き落とした。(なんの特殊効果? どういう演出?)

すると、左手の茂みから茶髪と運転手が飛び出し、右手の道路から巨漢が飛び出した。

最初はゆっくりに見えたが、気が付いたらいつもの速さに戻っていた。つまりは目にも止まらぬ速さで、7人のコスプレ集団を制圧していた。拳銃のようなものを乱射して。

ヒロセが口をあんぐりと開けていると、門扉の陰から助手席が現れて「初陣、成功ですね。おめでとうございます」とワイヤーを切断する。

茶髪と運転手と巨漢もそばに来て、頭を撫でたり、肩を叩いたりして、賞賛する。「やっぱヒロセさんは神様だなー」「三級兵器でも1発も当たらなかったですね」

ヒロセは緊張から回復し、キレながら言った。「これはなに? あなたたちは、なんなんですか?」

「パンダだよ」と茶髪が即答した。「ヒロセさんが交差点で大声で探してた、パンダ」

「より正確にいえば」と助手席が言った。「Peace and apoptosis 。略してPANDA。日本語になおすと、」

「平和と自浄」と運転手の美女が笑った。

「いずれにせよ」と巨漢が感情のない目で言った。「ヒロセさんはもう我々の神様なので、命をかけてお守りいたします」

守ってねーじゃん、と即答しそうになったが、ヒロセはお辞儀をひとつして、「ありがとうございました。帰ります」と言って、渋谷駅に向かって歩きだした。(こいつら全員、頭のイカレたYouTuberだ。あの美少女が言ってパンダでは絶対にない)

倒された7人のコスプレ集団は、マネキンみたいに横たわっていた。血が出ていないから、ほんとにマネキンなのかもしれない。(なんでもいい。今日は疲れすぎた。美少女に抱きつかれて、殴られて、穴に落ちて、交通事故にあって、マシンガンのようなもので撃たれたのだ)

「ヒロセさーん!」と茶髪が叫んで、駆け寄ってくる。ヒロセのパーカーのポケットに、紙片を突っ込んできた。「気が向いたら連絡ちょうだい。待ってます!」

ヒロセは心底ムカついて、一度も振り返らずに歩いた。NHKの横の歩道で、後ろから声がした。女性の声。運転席にいたあの美女だった。

「帰っちゃうの?」

無視。

「帰ってもいいけど、寂しいから駅まで送るね」

ヒロセの隣に並ぶ。いい匂いがして反射的にドキドキする。

「小さいころ、ハロウィンってくだらないと思ってた。お菓子も別に好きじゃないし、なんで他人から物乞いみたいにお菓子をねだるのか、理解できなかった」

ヒロセは無視を続ける。

「でも、今なら、わかる。子供たちがホントに言いたいのは、お菓子とかイタズラじゃなくて、こういうことなんだよ」とヒロセを見て立ち止まった。

愛してくれなきゃ、殺すよ?

瞬間、巨大な生命体が地中から出現した。行く手を遮断する。人間なのか動物なのか恐竜なのか宇宙人なのかわからなかった。コスプレにしては、派手すぎる。

彼女が悲鳴をあげた。「ごめん! 逃げて! 九級兵器だ!」

そう叫んで、スローモーションで左手の植え込みに消えていった。ヒロセは呆然としたまま立ちすくむ。(どんだけ予算費やしてんだ、この企画?!)

生命体が尻尾のようなもので街路樹をなぎ倒す。勢いあまってNHKの建物も破壊する。もしかしたら現実かもしれない、とヒロセは思い始める。脇の下から汗が滲む。

とっさに飛び退いて、かろうじて避けたけれど、無理だと悟った。さっきと違って、

ぜんぜんゆっくりに見えない。

いや、他の人とか自転車とか遠くの車とかは全部止まって見えたが、この化け物だけが速かった。

走って逃げても、すぐに追いつかれる。化け物は腕のようなものを振り下ろしてくる。悲鳴を上げる猶予もなかった。頭を直撃する──

「待って」と静かな声がした。化け物を制止する声。「彼は、おとりなの

身構えていたヒロセに、いつまでたっても衝撃はこなかった。おそるおそる目を開けると、巨大な生命体はどこにもいなかった。代わりに、ヒロセの前に立っていたのは、あのスクランブル交差点で抱きついてきた美少女だった。

「ごめんなさい。どこから話せばいいのかわからない。でもそれって卑怯だと思うから、いま言えることを言うね」

美少女は歩道の隅で語りはじめる。救急車と消防車がサイレンを鳴らして集まってくる。救急隊が倒壊した建物のなかに入っていく。

「この世界は、二つに分かれて、大きな戦争を始めた。世界の終わりを願う人と、世界の存続を求める人」と言ってヒロセの顔を見た。「神様はどっちの味方だと思う?」

「普通に考えて、存続でしょ」と答える。彼女は首を横に振る。

「残念だけど、世界の終わりを願う方。だから、」

スクランブル交差点のときと同じように、ヒロセを抱きしめて言った。

わたしは神様を殺すの

ヒロセの頭はくらくらした。戦争とか殺すとかいう単語よりも、彼女があまりにも好みで、ほとんど運命みたいな初恋みたいな衝撃を受けたからだ。(神様でもなんでもいい。彼女といっしょになれるなら、もうなんだっていい)

彼女は身体を離して言った。「味方になってほしい」

「でも、おれは、ただの無職だよ?」

「パンダを見つけてくれれば」と彼女はヒロセの目をじっと見て言った。「あとは、きっと大丈夫」

救急隊が担架に怪我人を乗せて運んでいく。警官が「危ないから下がれ!」と怒鳴ってくる。彼女は胸元からIDカードのようなものを出して警官に見せた。警官は「大変失礼しました」と言って去っていった。

歩道を渋谷側に向かって歩く。遠くにコスプレした野次馬が集まっている。運転席にいたモデルみたいな美女もいた。無事に逃げられたのだ。ヒロセと目があう。向こうは手を合わせて、ごめんね、という仕草をしてから、去っていった。別にもういいや、とヒロセは穏やかな気持ちで思った。(隣に美少女がいる。最初に出会ったときから運命だったんだ)

「LINE、教えて」と彼女が言った。ヒロセは願ったりかなったりと思い、喜んで交換する。これでまた会える。

別れ際に彼女は言った。「神様には、あなたも会ったことがあるはずだよ?」

「え?」

「渋谷のスクランブル交差点の、地下深くで」

渋谷スクランブル交差点の直下、地下鉄のホームで、消防隊が穴の深さを確認している。

投光器で照らしても底は見えない。救助用レーダーで照射しても、反射波は戻ってこなかった。

「レーダーが吸収される素材でもあるのか? それか…」と隊員は首をかしげながら言った。「深さが100キロ以上あるってことになる」

そんなわけはないだろ、とみんな笑った。でも隊長だけは笑わなかった。「自衛隊に調査依頼だな」と言って、指揮所に戻ろうとしたとき、無線が鳴った。

「広域救助要請。渋谷NHKセンター、建物倒壊。負傷者多数」

一人だけ新人を残して、全員が階段を駆け上がって行った。

残された新人は手持ち無沙汰になり、おそるおそる穴をのぞいてみる。真っ暗で、どこまで続いているのかわからなかった。ひょっとして地球の裏側まで続いてるんじゃないか? と考えて笑ってしまった。

規制線のロープの外側に出ようとしたとき、穴の奥から声が聞こえたような気がした。

(助けて、助けて)と。



つづく


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