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ヒンメリが紡ぐ縁

フィンランドの麦わら細工、ヒンメリを知ったのはフィンランドを好きになってずいぶん経ってから。友達が、写真展に、とプレゼントしてくれた、ライ麦から育てて作ってくれたヒンメリ。そして、今回はとても大きなヒンメリに出会いに行ってきました。

岡山県和気町

フィンランド好きさんのコミュニティに投稿されていた、ヒンメリ展示の記事。麦から育てて作ったヒンメリとのことで、これはぜひ見に行ってみたい!と思い、岡山県和気町へ。

和気町。名前だけは知っていた場所でした。JRの駅があり、山陽道のICがあり、コンビニ、スーパー、ドラッグストア、ファミレス、しまむら。暮らしに必要なお店は駅の近くの大通りに全て集まっていて、とても暮らしやすそう、というのが第一印象。山に囲まれていながら、開けている感じ。晴れていたのもあり、とても気持ちのいい場所だなぁと思いました。

駅前の駐車場に車を停める。駐車料金は1日100円。破格です。駅すぐそばに旧銀行の建物、Enter Wakeがあり、今日の目的はこの中にあります。


圧巻のヒンメリ

Enter Wakeに入ると、吹き抜けのフロアの天井に、ひし形のヒンメリが3つ、ゆっくりと揺れていました。

大きい!こんなに大きいなんて。

事前に写真で見ていたものの、想像をはるかに超えている大きさ!エイヤ・コスキさんの大作を彷彿とさせる、本当に大きな作品。圧巻です。「うわー、大きい!」と思わず声に出しました。

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作者の地域おこし協力隊さん

すると、ヒンメリの作者である、地域おこし協力隊のIさんが、声をかけてくださいました。今年、県外から和気に移住されたそう。

Iさんはとっても気さくで、清々しいかた。嬉しそうにヒンメリの説明をしてくださいました。

和気町の農家さんが麦を分けてくださったこと

90時間かかったこと

1体あたり2,000本の麦わらを使っていること

この大きさにするには、麦わらのサイズを均一にしたり、少しの誤差が成型に大きな影響を与えるだろうし、その大変さははかり知れません。三角のヒンメリひとつを作るだけで、すごい緊張感と集中力でぐったりとした私には、想像もできない果てしない作業。

ヒンメリライトアップのようす(現在はライトアップは終了しています)

ヒンメリ制作のようす

2021年夏くらいまで展示されるそうですので、ぜひ、実物を見ていただきたいです。写真や動画も素敵なんですが、その圧倒的な美しさは、実物から感じていただきたいです。

Iさんのアトリエ

Iさんは、ものづくりがお好きで、なんでも自分で作ってみたいのだそう。特別に、この建物の中にあるアトリエにお邪魔させていただきました。昔の銀行だった建物で使われていた、内装と家具をそのままに。電気はなくても、大きな窓からすりガラスごしにしっかりと入ってくる陽光。天井には古い通気口。床材がところどころはがれていたり、壁紙が変色していたり、そういうところも含めて、とっても素敵な空間!野草のドライフラワーが、アトリエにとっても合っています。

古い赤いソファがありました。フィンランドのサンタクロースの赤に似ていて、思わずシャッターを。この、深い、青みがかったような赤が好き。Iさんも

この良さが分かってもらえて嬉しい!と、本当に嬉しそう。

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この赤が好きなんですよー。白い雪に映える、フィンランドのサンタクロースのような、赤。


ワクワクの伝染

和気町は、移住者が400人ほどいらっしゃるそう。Iさんとお話していると、移住者が多い理由が分かるきがしました。やってみたいことを楽しそうにされています。地域活性化、定住促進、地域との合意形成。言葉にすると難しそうなことも、「この町なら楽しいことができるかも」と思えたり、「自分が楽しんでできること」が現実になったりすることの積み重ねが、人が集まってくることにつながるんだろうなぁ、と思いました。

Iさんはとっても楽しそうにお話してくださったし、私にもそのワクワクが伝染してきました。


フィンランドが紡ぐ縁

Iさんは、実は私のことを知ってくださっていました。写真展の情報をフィンランド大使館のサイトで見てくださって、そこで私を知ってくださったそうです。なんという偶然。お互いがお互いに会いたいと思っていたのでした。


そして、今回のヒンメリを観に行くきっかけをくださったのは、実は和気町在住のもうひとりのかた、Nさんのおかげでした。フィンランド好きのコミュニティに投稿されたのを拝見して、和気町にたどりつきました。

Nさんは丁寧にやりとりをしてくださり、「昼食も食べていってくださいね、とっても美味しいので!」と、事前にランチメニューも送ってくださいました。

本当に美味しかった…体に優しい塩分量なのが分かるし、かつ、滋味深く美味しい、毎日食べたくなる味、量、お値段!近くに住んでいたら通うレベル。ますます和気町に移住したくなります(笑)

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この日は、大好きな鶏の唐揚げ!揚げたて。サラダの野菜もボリュームたっぷり。生姜の炊き込みご飯、さつまいものお味噌汁、白菜の煮物やひじき、ルイボスティーのゼリーなどついて、750円。チャレンジ店舗として出店されているそうですが、実際に店舗を構えられたら、人気店になることまちがいなしですね。


写真展のきっかけ

前述のNさんのことを少し。実は、Nさんは以前、岡山市でフィンランドに関する展示やイベントをされたことがありました。私は当時、Nさんとは面識もなく、ネットでその情報にたどりつき、実際に足を運べなかったのですが

私もいつか、自分の写真を展示したり、旅のことを人に伝えたりしたい

と、憧れをいだいたものでした。それから1年以上経ち、2020年11月に写真展を開催することになりました。今回のつながりで、ふと、Nさんのことを思い出したのです。あのとき私に、写真展へのきっかけを植え付けてくださったのが、Nさんでした。


フィンランドを好きだ、と言っていてよかった。フィンランドを好きな人とつながって、私の世界はどんどん広がっていきます。Iさん、Nさん、和気町のみなさん、ありがとうございました。


フィンランド情報のリサーチと執筆への活力に、記事でまたお返ししていきたいと思います。また、犬猫の保護活動団体に寄付することもあります。