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『カタカムナ』 全80首の意味−第15句の解説

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『カタカムナ』 第15首
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アワナギ アワナミ ツラ ナギ ナミ 
アヤ ミクマリ クニノ ミクマリ
アメノク ヒサモチ クニノク ヒサモチ
シナツヒコ ククノチ 
オホヤマツミ ヌツチ カヤヌヒメ
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【漢字に直すと?】
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泡波・泡渚 連 渚波
綾 水分 国の水分
雨の句 久持ち 国の区 久持ち
志那津彦 来く後
大山摘みぬ土 家屋ぬ姫
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 【カタカムナ&古事記解読法 補足解説】
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長くなりすぎるので、
詳しい訳は、【本HP】https://hironomichi.jp/ のほうにだけ載せてます。

ここでは、【本HP】には載せてない、訳の手法について……

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 水分 (みくまり)
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水田に引くための、「水の分け方」
水配り → 水区割り → みくまり が語源なので
この「水分」という字は、土地の方言に対する「当て字」
 → 発音と字が合ってない理由はそれ。

昔の水田は、広大な平地にテニスコートが並ぶような、区分けされた真四角の整地ではなく、川の両側のデコボコな地形に、土地に沿って農地を作った。川から離れた土地に水を引っ張れる技術がなかったので、いびつな地形の土地に、無理矢理農地を作ったわけだ。
農地そのものが狭く、拡張性もなかったため、同じ土地で2回収穫できる「二毛作」という技を編み出した。

今回のケースでは、「計画的に、いいあんばいに配る」という意味から

 ・ 雨の水分みくまり……(川の水源の配分)
 ・ 国の水分みくまり……(土地の割り振り)

という意味で使われている。

ちなみに、農地からの収穫は、農民個人のものではなく、地方豪族(または朝廷)が全部持っていって、後から皆に(ちょっとだけ)配った。
租・庸・調(そ・よう・ちょう)〜口分田(くぶんでん)とかそのあたりのイメージにわりと近いが、教科書には書いてないが、収穫は豪族が全部持っていった。後の時代の「年貢の取り立て」とか、甘い甘い! この頃は文字通り、権力者が全部持っていった。


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 久持ち
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食料保存の方法。
特に梅雨の時期は、1ヶ月間外に出れないので、食糧が尽きる。
蔵に保存していたモノも腐りやすい。
なので、梅雨の時期の「雨の句」の「久持ち」は、生死に直結する問題だった。

今の時代とは違うのだ。食糧難。基本的に、支配層以外は皆飢えてる。


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 志那津彦
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志那の平野部(中国南東部の沿岸地域)から移住してきた者たち……中国系移民を指す。

今回のケースでは、「移民」がそのまま日本の土地を食い荒らす支配層に収まっているので、中国十六国時代の旧支配層。
中国十六国時代は、いろんな小国が政治的覇権を争って乱立する状態だったので、勝ったグループはその土地の王となるが、負けたグループはその土地を脱出する。

今回のケースでは、その政治的に敗れたグループが国を追われて移住した先が日本だった。だから、日本に来てすぐ、支配層に収まった。
当時の中国は、日本より全てが上だったので、本国で敗れたグループですら、知識も技術も政治力も、日本の地方豪族より上だった。

『古事記』では、志那都比古神(しなつひこ) と書かれているが、神でも何でもない。中国系移民。

今回のカタカムナ該当句では、

志那津(中国)出身の民族が移り住んできた後に、土地のモノを奴らが持っていきすぎて、その後は空っぽ……という意味。

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