ブリフォーはPvPの破壊者足りえるのか?~メギドPvP考察~

 7月12日から開始されたメギドのイベント、「虚無のメギドと儚い望み」で、新たなメギドであるブリフォーが追加された。

 彼女は実装前からPvPの破壊者となる……特に対ネクロ、対暴奏に対して……と言われていた。実装直後のPvEでの活躍を見る限り、彼女は非常にスペックの高いメギドである事は確かだ。
 だがしかし、本当に彼女はPvPの破壊者になれるのか?PvPでの活躍を期待するうえで、大きな弱点があるのではないか?と私は思っていた。

 手前味噌になってしまうが、先日行われた第4回統魔杯という大会で、私はRジズ、ブリフォー抜きの編成で優勝する事ができた。対戦相手の多くはブリフォーに8枠の内1枠を割いていた中でだ。

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(配信されてたのでアーカイブが残ってると思う。コイツの戦い方性格悪い……と思う事請け合いだ。)
 
 その上で、私のブリフォーに対する評価はさほど間違ってはいない……と思う事ができたので、今回こうしてまとめてみようと思う。拙い文章ではあるが、最後まで読んで頂けると幸いだ。

1.ブリフォーの性能

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 さて、こうしてブリフォーの性能を改めて見た時に、やはり一番目を引くのは奥義だろう。ハイトランスであるコロッセオで他のトランスを封じ、素早さ依存のスキルや覚醒スキルで殴る。
 
 一度奥義を発動してしまえば、特性効果も重なって素早さは520となる。この状態からさらにコロッセオの補正も加わるため、PvPにおける彼女のスキルはほぼ一撃必殺の威力となる。

 ステータス的には高めの素早さも忘れ難い。実際のところ、この素早さは最上位クラスには多少劣るのだが、ブリフォーの場合はそれがプラスに転じる。この素早さならシェルドレイクやエンキドゥを装備したウァサゴが上回り(239、243)、素のフォラスもブリフォーより素早い(237)。
 
 これによりウァサゴ奥義、バニーフォラスによる覚醒サポートを受けつつ、1巡目で奥義を撃つ……という編成が真っ先に思いつくし、ブリフォー実装直後はそんなパイモンラッシュを多々見た。

 これだけ見ると非常にハイスペックなメギドであるし、今のPvPでは確かにブリフォー対策は必須とも言える。
 だが、個人的にはいくつかの要因もあって現状ブリフォーは環境を支配……と言うレベルには至っていないと感じる。次はそれを説明していきたい。


2.ブリフォーの弱点


 まず明確な弱点として、体力の低さが挙げられる。ブリフォーの体力は1920。これは他メギドと比べても低い方に入る。そして問題なのは彼女が前列であることで、初手で高火力を出せるメギドに攻撃を集中されると容易く落ちる。それができるメギドの中で一番容易なのはCゼパルだろう。

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 細かい計算は多少省くが、防御無視クルル装備Cゼパルはスキルで前列相手に1600程度、クルルを省いても1400程度のダメージを出せる。どちらにしろスキル強化がつけばほぼ確一だと思っていい。
 
 スキル強化が無くても、これにもう一人ブリフォーより素早いアタッカー……例えばエンキドゥ装備ウァサゴ……をつければ、安定して狩ることができる。
 
 この対策としてブリフォーも素早さの上がるオーブを装備する。と言うのはアリだ。だが素早さ勝負となった場合、そもそも素の素早さで負けており、カウンターにはネクロスやエージェントと言った優秀なオーブがある。素早さ勝負では勝ち目がないのだ。

 また、ブリフォーは素早さを上げすぎるとウァサゴやバニーフォラスのサポートを受けづらくなるという点も見逃してはならない。彼女はシェルドレイクを装備するだけでもフォラスの素早さを上回ってしまう。エンキドゥを装備すれば、今度は自分のシェルドレイク装備ウァサゴが追いつけない。
 
 必然的にエンキドゥ装備ウァサゴ(243)とシェルドレイク装備ブリフォー(241)の組み合わせとなるのだが、やはりエージェントorネクロス装備Cゼパル(275)とエンキドゥ装備ウァサゴの組み合わせには絶対勝てない。

 ブリフォーの素早さ問題は状態異常対策にも付きまとう。例えばフルーレティの素早さはブリフォーと同値(216)で、このままだと乱数勝負になるが、これもまたオーブの差で負ける。

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 またフルーレティに頼らずとも、素で素早さを上回るグシオン(240)も忘れてはならない。そして素の素早さで負けている以上、オーブの差で決して勝てないのも変わらない。グシオンの睡眠成功確率は低いが、アクィエルのMEを踏ませると1ターン目は確実に通る。

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 一応これらの状態異常対策はある。例えばめまい対策にソレントを装備させることだ。しかしこれだとグシオンは防げない。
 
 グシオンまで視野に入れるのならば、フォラスにワンダークラウンを装備させるのも手だ。ブリフォーの素早さを上げなければ、グシオン→フォラス→ブリフォーという行動順になるため、睡眠による影響を最小限に抑えられる。
 
 だがこの場合、ブリフォーの素早さを上げてはならないことがネックになる。フォラス~ブリフォー間にはイルベガン装備オリアスがいるからだ。
 彼女はイルベガン装備で素早さは219となり、僅差でブリフォーより先手を取れる。ねずみ化は多少不安なところがあるので、ここは奥義を狙うのが安定だ。

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 フォラス~ブリフォー間の状態異常メギドとしては他にもデカラビア、バールゼフォンなどがいる。また、状態異常に囚われなくても、覚醒減少でカイム、Cキュバ吉。フォトン破壊でアンドレアルフスやアリトン……実際止める手段はいくらでもある。

 ここで1つ話題を変える。我らが暴奏族神であるRジズの事だ。先日行われたランクマでは私はそりゃもう必死だった。何しろ暴奏族神が茨の冠の如くアタックフォトンを頭上に掲げるとみんな死ぬのである。PvP界隈は恐ろしいほどに多種多様な対策を考えてきた。
 そして、実は今まで私が述べてきたブリフォー対策はそのままRジズ対策に流用できる。私がこうしてブリフォー対策を述べることができるのは、Rジズと嫌になるほど戦ってきたからに他ならない。

 「戦った」のだ。「勝った」ではない。
 ブリフォー実装前の環境では、私は最後まで暴奏族神を止められなかった。

 実はRジズに関しては一切の対策が意味をなさない。Rジズは非常に高いメタ耐性を持っているからだ。
 状態異常に関してはシェルドレイク装備アンドラスが全てを解決する。このアンドラスの素早さは184、素のRジズの素早さは175だ。
 
 するとどうなるか。アンドラスより早いメギドがRジズにどんな状態異常を付与しようと、彼のスキルで無意味となる。となると、シェルドレイクアンドラス~Rジズ間で状態異常を付与するしかないのだが、それができるメギドは1人もいない。
 
 視野を広げるならユアーズ装備パイモンのスキルが候補に入る。だがこれはヨハネスで防がれる。何しろアンドラスさえいれば状態異常対策は完璧なのだ。オーブの選択肢の幅は広くなる。
 
 フォトン破壊に対してはヘルズブレインやいたち装備ナベリウス、初手高火力に対してはエージェント装備アムドゥキアスやリブラ装備アリトン……とRジズはいくらでもメタに対する耐性を得ることができる。

 その根幹をなすのが一見微妙なRジズの素早さ。そしてそれが生む状態異常に対する完全な防御。
 個人的には暴奏よりも何よりも、この素早さ9の差こそがRジズがかなり意図的に強くデザインされた証拠だと思っている。

 さて、それを踏まえた上でブリフォーを振り返ってみよう。
 結論を先に言うならば、ブリフォーは素早さが原因で、Rジズが持つような完全なメタ耐性を持たない。そしてそれ故にRジズのような1ターン目からの無法が行えない。だからこそブリフォーはPvPの破壊者足りえないのだ。
 
 状態異常に関して、素早さ勝負では全く勝ち目がない事は先に述べたとおりだ。
 となると頼れるのはワンダークラウン装備フォラス……となるのだが、イルベガン装備オリアス、デカラビア、バールゼフォンは防げない。

 またワンダークラウン装備フォラスを採用するのなら、必然的に覚醒サポートをウァサゴに任せるしかない。ところが彼女は素の状態ではブリフォーより遅いため、シェルドレイクなりエンキドゥなりを装備させないと先行できない。
 
 するとCキュバ吉リーダー時のエージェントorネクロス装備Cカスピスキルが刺さる。仮にブリフォーにヨハネスを装備させても、ウァサゴはカスピに先行され、奥義を撃てなくなる。ウァサゴが奥義を撃てないのならブリフォーのゲージは溜まらず、初手奥義は不発となる。
 
 ウァサゴ以外に覚醒サポート……バニフォラは状態異常耐性が無くなるので論外として……ができるメギドはいるか?と聞かれると、実はいる。
 メフィスト(224)とプロデューサー装備Bデカラビア(225)だ。だがメフィストはどうしても運が絡むし、Bデカラビアができるのは単体への覚醒増加だ。パイモンラッシュの魅力である初手高火力ラッシュが成立しない。

 そして、結局素早さで上回るCゼパルはどうしようもない。防御無視スキル+αで落ちるのは先に述べたとおりだし、その対策のためにアムドゥキアスを入れると……状態異常対策、初手奥義を両立させるためにはもはやウァサゴと替えるしかないのだが……今度は総火力が不足する。

 コロッセオで優勢を維持するためには何よりも火力と手数が必要なのにだ。

 これらの要素はブリフォーが初手から奥義を狙う編成……つまるところ、パイモンラッシュにダイレクトに響いた。そして実装から2週間以上たった今、パイモンラッシュが復権する事はなかった。


3.ブリフォーによる環境の変化とこれからのPvP
 

 さて、長々とブリフォーの弱点について語らせてもらったが、初手奥義を狙わなければかなり強い編成を組めるのは確かである。
 現在主流となっているブリフォー編成は、村長ブリフォーやハイオロブリフォーだ。だがこちらもこちらで弱点はある。奥義まで最低でも2巡必要だという事だ。

 例えば村長パだが、素早さ+30%MEを踏ませた場合、バニーフォラスの覚醒サポートが間に合わない。1巡目にブリフォー奥義は不可能となる。そして2巡目奥義を狙う場合、ブリフォーより遅い高火力アタッカー……防御無視ベルおじやチーフブレーダー装備タナトスの攻撃が間に合ってしまう。 
 ならばあえて素早さMEを踏ませない……と言うのも選択の1つだが、結局先に述べたような素早さ勝負となる。これでは意味がない。そもそも村長パはCゼパルやベルおじに、気軽に防御無視を与えるネルガルパと非常に相性が悪い。

 ハイオロブリフォーはこれもまた2巡目奥義というネックが付きまとう。そしてブリフォーの374という攻撃力は高いわけではない。これもまた最上位から劣る。すると爆弾MEのダメージもそこまで高くはない。
 これにより、最優先で狙われてコロッセオ発動前に落ちる……というパターンが多々ある。と言うか私はそうしている。
 
 また、ブリフォーの登場と共に、ハイオロにCビフロンスが入らなくなってきた……という点も書いておくべきだろう。
 ハイオロは非常に強力な編成ではあるが、回復や蘇生、回数防御、無敵に弱いという側面がある。カウンターのパーティはこれらのオーブを無理なく入れられるし(サタニックリブラ、クルル、エンジェリル、ケイブキーパー、ホーリーフェイク等々)、最近ではBネフェリムのように攻撃と回復を同時に行えるメギドもいる。

 こういった自動回復や無敵対策としてCビフロンスのハイオロ採用……という側面があったのだが、こちらは現在コロッセオで大きくあおりを受けて、採用が激減している。強力な攻撃である奥義がネクロ消費なのだ。ちなみにタナトスは相変わらず入っている。ネクロを必要とする行動が皆無なので、コロッセオでも全く支障がないからだ。

 ではブリフォーの実装はPvP的に無意味だったのか?と聞かれると、決してそうではない。彼女の実装によってRジズが大きく激減したのだ。

 散々言ってきたブリフォーパイモンラッシュだが、Rジズ対策と言うその1点に関しては目を見張るものがある。また、今までRジズに手も足も出なかった編成……ネルガルパや村長パ……が、ブリフォーを加えることである程度真っ当に戦えるようになった。
 
 特にブリフォーを気軽に狩れるネルガルベルおじCゼパルが増えてきたのも述べておくべきだろう。元々ネルガル編成はワンポイントで対策メギドを組み込みやすく(最近だとベルおじ、Cゼパル、防御無視タナトス型が主流)、そこにブリフォーを入れることも少なくない。

 また、ブリフォー実装前はリーダーであろうとなかろうと、ネルガルにエンジェリルを装備させることが多かったが、リブラ型ネルガルが再び数を増やしている事も述べておくべきか。

 こうして、PvPにおける絶対的強者の1人であるRジズは今非常に苦しい立場に追いやられている。暴奏による全体化はコロッセオでも維持されるし、今までメタ耐性に振ってた分をブリフォー対策に回せれば、まだ余裕で巻き返せるとは思っているが。

 ちなみにタナトスの採用率は全く変わっていない。先に述べたように、彼はネクロを必要とする行動が皆無で、アタッカーとして全く弱体化していないからだ。

 さて、長々と色々述べてきたが、最後にもう少しだけ話をしてこの記事を終わろうと思う。
 
 私はブリフォー自体は十全なサポートを受けづらく、弱点も多いメギドだと思っている。Rジズよりずっと御しやすいとも。
 けれども、そんな彼女がこれ以上ないRジズ対策として成立する。しかも彼女は配布メギドだ。

 これによってPvPが健全化したか否かは主観によると思う。だが私としては多少過ごしやすくなったように感じている。それが良いか悪いかは私には分からない。だが、これで多少なりともPvPに触れ、その面白さに気付く人が増えるなら……それはそれで楽しいかもしれない。
 そんな事を思いながら、この記事を終わりとしたい。




4.余談

 と、綺麗に終わって投稿しようと思ったら、アジトTVで新たなコロッセオメギドが発表された。2体も!
 内心レジー・ナッシュ大統領な気分だが、触れずに終わるのもアレなので少しだけ何か書いておこう。

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 Rボティスに関してはまず覚醒ゲージが2ゲージなのが非常に強い。これによりブリフォーと一緒に編成することで2択が成立する。
 ただ奥義による敵攻撃力上昇が扱いにくいか。基本的には攻撃力の低いサポーターをターゲッティングしておきたいが、コロッセオ状態で相手のアタッカーも放置したくない。
 
 またいくら2ゲージとはいえ、2択を迫る上ではバニーフォラスやウァサゴなどのサポーターを採用したいのだが……これらのメギドがグシオンに眠らされると途端に苦しくなる。MEに素早さ上昇があるので、その性能次第だろうか。
 
 次はバロール。個人的には声優で驚きすぎてそちらの方に頭が回っている。浅倉ァ!!

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 こちらも3ゲージなのが非常に優秀だ。フォトン的には多少厳しいところはあるが、パイモンラッシュの場合アタック3個で2択を迫れる(ウァサゴ奥義、バニーフォラス、ブリフォーorRボティス奥義、バロール奥義の順)。
 
 ダメージを与えて確実に優勢に持ち込める奥義の性能も素晴らしい。コロッセオが発動した直後に相手の強力なアタッカー(例・タナトス)に攻撃され、優勢が維持できなくなる……という展開も多々あるからだ。
 
 そして仮にブリフォーと組ませた場合、コロッセオ後はスキルを彼女に回し、アタックやチャージをバロールに回せる。これによって、強力なスキルを打ってくるブリフォーを早めに処理したいが、奥義を撃ちそうなバロールも対処したい……という2択をフォトンの無駄なく押し付けることができる。

 また、非常に高い攻撃力と、低い防御力はハイオロ適性が非常に高い。今後コロッセオ型ハイドンオロバスはブリフォーよりもバロールが主流となっていくかもしれない。

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 あと余談の余談だが、このオーブはヤバい。チャージが2ターンでも完全に壊れているし、1ターンだったら環境を完全に破壊する。Cビフロンスに頼らないコロッセオ型ハイドンオロバスの最後の一手になり得る。

 ハイオロが無敵に弱い事は先に述べたとおりだが、このオーブはそれを無意味にする。体力を徐々に削って瀕死にするのはハイオロの十八番なので、とどめの一撃としての適性が非常に高い。

 Rジズの時代が終わったと思っていたが、今度はラッシュ全盛の時代が来てしまうのか……?と思いながら、今度こそこの記事を終わりとしたい。

5.余談の余談

フォロワーさん「アマゼロトは素早さ179で割り込めますよ。」
私「あっ」

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