「滑川市の教員過労死、市長が遺族に面会」という朝日新聞の記事には名前が出てきた、松丸正弁護士

市側の責任を認めて約8300万円の賠償を命じた富山地裁判決が先月、確定したことを受け、謝罪の意思を示した。

 遺族側代理人の松丸正弁護士によると、水野市長が教諭の自宅を訪れ、「判決を重く受け止め哀悼の意を表します」などと述べた。市が取り組む、教員の働き方改革の資料を持参したという。

- 滑川市の教員過労死、市長が遺族に面会:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASR8G7KBLR8GPISC009.html

 記事に佐藤美千代という名前がありますが、この記事には不正確な点があるように思えました。3,4回記事を読み返しています。

 ページ内検索で該当したのは記事の本文中「富山県滑川市立中学校」という部分だけになりますが、「県」での検索です。

 約8300万円の賠償を命じた富山地裁判決とありますが、図書館の新聞で見たのが最初でした。そのときに、滑川市と富山県の対応に違いがあり、数日後に同じになっていたという記憶が鮮明にあります。

 改めてこの朝日新聞デジタルの記事を読み直し、「滑川市立中学校」とあることに気が付きました。市と県の賠償責任が問題にされるのは、過去にも見た記憶があって、違和感を感じずにいましたが、ページ内検索の該当箇所を確認したときは、富山県立の学校になるのかという印象になっていました。

 市町村を相手にする訴訟というのは多くあると思いますが、県の責任との関係が理解できず、見たことがないことに気が付きました。

 よくあるのは警察の責任追及で都道府県が相手の場合と、検察の責任追及では国が相手になる場合で、警察は都道府県の管理になることからこれは普通に理解が出来ていたつもりです。


 7月5日16時05分の記事ですが、本文中に5日の判決とあるので、新聞の朝刊での報道は翌日7月6日の記事になりそうです。

 記事に「地方公務員災害補償基金」とあり、これが県の責任と関係がありそうです。

 「市と県にあわせて1億円余りの損害賠償を求めていました。」という部分は記憶になかったですが、どの記事も約8300万円の判決とばかり書いてあったような気がします。

富山県滑川市の中学校に勤務していた40代の男性教員は、7年前にくも膜下出血を発症して亡くなり公務災害の認定をする「地方公務員災害補償基金」は長時間労働が原因の過労死と認定しました。
遺族は、教員がクラスの担任や部活動の顧問の活動など過剰な長時間労働が原因で亡くなったのは、学校側が安全配慮の義務を怠ったからだとして、市と県にあわせて1億円余りの損害賠償を求めていました。
一方、市側は「部活動は教員の自由裁量に委ねられるため安全配慮の義務違反にはあたらない」などとして争っていました。
5日の判決で富山地方裁判所の松井洋裁判長は「教員が勤務時間外に行った部活動の顧問の業務は職責を全うするために行われたもので、全くの自主的活動であったとはいえない」と指摘しました。

- 滑川の中学教員が過労死 市・県に8300万円の支払い命じる|NHK 富山県のニュース https://www3.nhk.or.jp/lnews/toyama/20230705/3060013693.html

 新聞等の記事で、安全配慮義務は記憶にないのですが、平成7年辺りには知っていた法律用語で、時間を掛けて調べたこともあります。それだけ強く印象にある法律用語ですが、このニュースとの結びつきが今日までなかったように思えます。

また、原告の代理人の松丸正弁護士は、全国で教員の長時間労働が問題となっていることについて「日本の教育を持続可能なものにするために教育界には小手先の改革ではなく根本的に解決するための1つの重要な判決として受け止めて欲しい」と話していました。
今回の判決を受けて、新田知事は「教育現場で高い志や情熱を持って頑張ってこられた教員がいわゆる過労死したのは誠に残念で痛恨の極みであり2度とあってはならないと思っています。判決については、判決文を精査し滑川市とも相談しながら対応を検討いたします」とコメント発表しました。

- 滑川の中学教員が過労死 市・県に8300万円の支払い命じる|NHK 富山県のニュース https://www3.nhk.or.jp/lnews/toyama/20230705/3060013693.html

 「判決を受けて滑川市の水野達夫市長は「ご遺族の皆様に心より哀悼の意を表します。判決については司法の判断を真摯に受け止め控訴はしないこととしました。」とありますが、判決のあった当日の公表で、判決の結果を事前に知り、滑川市として事前に協議していた形跡がうかがえます。

 民事裁判の場合は、裁判官による和解勧告もあると聞くので、事前の予測があったとしても不思議はないですが、約8300万円という金額まで予測と受容があったというのは、珍しく貴重な発見に思えます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?