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『短歌人』2021年08月号掲載五首

スズランの鈴ひとつづつ欠けてゆきいつかはおはるいのちのながれ

歌詠ふ熱がどこかへイッチャッテそれでも迫る月十二日

シジュウカラ巣立ちしのちの巣箱にはふかふかとした苔と毛の床

生け垣の紅かなめの枝落としたり悲鳴も上げず切られてをりぬ

晴れわたる五月最後の朝のそら五週目なればごみ出せぬなり